リップスティック・トレイセズ_(オン・ア・シガレット)とは? わかりやすく解説

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リップスティック・トレイセズ (オン・ア・シガレット)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/18 02:46 UTC 版)

「リップスティック・トレイセズ(オン・ア・シガレット)」
ベニー・スペルマンシングル
B面 Fortune Teller
リリース
規格 シングル
録音
ジャンル R&B
時間
レーベル Minit Records 644
作詞・作曲 Naomi Neville
プロデュース アラン・トゥーサン
チャート最高順位
28位(米国 ポップス)、80位 (米国 R&B) (1962年)
ベニー・スペルマン シングル 年表
Darling No Matter Where
(1960年)
Lipstick Traces (On A Cigarette)
(1962年)
Love Is Universal
(1962年)
ミュージックビデオ
Lipstick Traces (On A Cigarette) - YouTube
テンプレートを表示
Donel Austin - Lipstick Traces

リップスティック・トレイセズ (オン・ア・シガレット)Lipstick Traces (On A Cigarette))は、ニューオーリンズの歌手、ベニー・スペルマンが1962年に最初にレコーディングした楽曲である。作詞作曲は、アラン・トゥーサンが別名のナオミ・ネヴィル名義で行なっている。

概要

スペルマンのオリジナル・バージョン1962年のリリース後、ビルボードのR&Bチャート最高位28位、ポップ・チャートでも80位を記録。彼にとって唯一のヒット曲となった。シングルのB面は「Fortune Teller」で、ローリング・ストーンズを始め、多くのアーティストにカバーされている。

トゥーサンはこの曲がどのようにできたのかについてNPRのジャーナリスト、テリー・グロスとのインタビューで次のように答えている。「ええと、『リップスティック・トレイセズ』ですね…『マザー・イン・ロウ』のベース・パートを歌っていたベニー・スペルマンは、当時私たちがあれをやった際はその価値が分かっていなかったのですが、「マザー・イン・ロウ」が発売されて売れ、1位となったとき、ベース・パートを歌っていたベニー・スペルマンは、自分の声が届く範囲にいる人全員に、自分がそのパートを歌っていることを触れて回ったのです。そして彼は、「マザー・イン・ロウ」の低音パートを歌ったという事実を武器に各地を回り、ライヴ活動を行いました。そして彼は私に、そのコンセプトを使った曲を書くように、とても力強く勧めてくれました。その結果生まれたのが『リップスティック・トレイセズ』なのですよ[1]。」

「リップスティック・トレイセズ (オン・ア・シガレット)」は1962年2月2日、ニューオーリンズでレコーディングされた。バック・ボーカルは同じレーベルに所属していたアーマ・トーマスとウィリー・ハーパーが担当している[2]

カバー・バージョン

「リップスティック・トレイセズ」
リンゴ・スターシングル
初出アルバム『バッド・ボーイ
B面 Old Time Relovin'
リリース
リンゴ・スター シングル 年表
Tango All Night
(1978年)
Lipstick Traces (On A Cigarette)
(1978年)
Heart on My Sleeve
(1978年)
ミュージックビデオ
Lipstick Traces (On A Cigarette) - YouTube
テンプレートを表示

「リップスティック・トレイセズ」は多くのアーティストによってカバーされている。最も早い時期のカバーの一つは1965年のオージェイズのバージョンである(Imperial 66102)。彼らのバージョンはR&Bチャートではスペルマンと同じ28位を記録し、ポップ・チャートでは48位となり、彼の記録を超えた[3]。この曲は彼らの1965年のアルバム『Comin' Through』(Imperial 9290)に収録されている[4]。オージェイズのオリジナル・メンバー5人(ウォルター・ウィリアムズ-リード・ボーカル、エディ・リヴァート、ウィリアム・パウウェル、ボビー・マッシー、ビル・アイルズ)は、1965年にABCテレビの番組「シヴァリー」に出演してごの曲を歌った.[5]

アメリカン・ブリードは、1967年のデビュー・アルバム『The American Breed』の中でこの曲をカバーしている。リンゴ・スターのカバー・バージョンは、1978年のアルバム『バッド・ボーイ』に収録され、1978年4月18日に米国でシングルとしてリリースされた(B面は「Old Time Relovin'」)[nb 1][6][7]。この曲をカバーしたその他アーティストには、アメージング・リズム・エイセズ、ドネル・オースティン、ザ・ビューティフル・サウス、アレックス・チルトン、スヌークス・イーグリンフランキー・フォード、デルバート・マクリントンらがいる[8]ジョー・クラウンによるインストゥルメンタルのバージョンは2007年の彼のアルバム『Old Friends』に収録されている[9]

アラン・トゥーサン自身の演奏は、ライヴ・アルバム『Songbook』(2013年)で聴くことができる[10]

カバー・バージョンのリスト

アーティスト名 収録アルバム
1965年 オージェイズ 『Comin' Through』
1965年 バーン・エリオット ※シングル・リリースDecca F 12171
1966年 クリス・ファーロウ 『14 Things to Think About』
1967年 アメリカン・ブリード 『The American Breed』
1974年 カズン・ジョー ※シングル・リリース Big Bear OURS 2
1977年 ジミー・ピーターズ ※シングル・リリース Mercury 55005
1978年 リンゴ・スター Bad Boy
1978年 アメージング・リズム・エイセズ 『The Amazing Rhythm Aces』
1979年 ドネル・オースティン ※シングル・リリース MSK 796[11]
1981年 デルバート・マクリントン 『Plain' from the Heart』
1984年 フランキー・フォード 『New Orleans Dynamo』
1989年 スヌークス・イーグリン 『Out Of Nowhere』
1991年 リリアン・ブッテ・ミーツ・クリスチャン・ウィリソン 『Lipstick Traces - A New Orleans R & B Session』
1999年 アレックス・チルトン 『Loose Shoes and Tight Pussy』
2004年 ザ・ビューティフル・サウス ※シングル・リリース Sony Music UK 675684 1[12]
2007年 ジョー・クラウン 『Old Friends』[9]
2008年 マイク・サンチェス 『You Better Dig It!』
2013年 アラン・トゥーサン 『Songbook』[10]

[13]

大衆文化への広がり

この曲はグリール・マーカスの著書『Lipstick Traces: A Secret History of the 20th Century』のタイトルの元となっている[14]

また、マニック・ストリート・プリーチャーズは、この曲をカバーしているわけではないが、マーカスの著書のタイトルをもじったコンピレーション・アルバム『Lipstick Traces: A Secret History of Manic Street Preachers』を2003年にリリースしている[15]

脚注

注釈
  1. ^ US Portrait 6-70015[6]
出典
  1. ^ Terry Gross (host) (13 November 2015). 'Fresh Air' Remembers Hit Songwriter, Pianist And Producer Allen Toussaint”. Fresh Air. NPR.
  2. ^ CD『The Allen Toussaint Touch』のライナーノーツ。著者:Clive Richardson
  3. ^ Joel Whitburn's Top R&B Singles 1942-1988 (Record Research)
  4. ^ Comin' Through - The O'Jays | Songs, Reviews, Credits”. AllMusic. 2016年9月26日閲覧。
  5. ^ O'Jays - Lipstick Traces”. YouTube. 2021年4月22日閲覧。
  6. ^ a b Bill Harry (2004). The Ringo Starr Encyclopedia. London: Virgin Books. p. 183. ISBN 9780753508435 
  7. ^ Keith Badman (2001). The Beatles After the Breakup 1970-2000: A day-by-day diary. London: Omnibus Press. ISBN 0-7119-7520-5 
  8. ^ Lipstick Traces (On a Cigarette) - Benny Spellman | Cover Songs | AllMusic”. AllMusic. 2025年7月18日閲覧。
  9. ^ a b Old Friends - Joe Krown | Songs, Reviews, Credits”. AllMusic (2007年3月6日). 2016年9月26日閲覧。
  10. ^ a b Songbook Allen Toussaint”. AllMusic. 2025年7月18日閲覧。
  11. ^ Donel Austin – Just Because / Lipstick Traces”. Discogs. 2025年7月18日閲覧。
  12. ^ The Beautiful South – This Old Skin”. Discogs. 2025年7月18日閲覧。
  13. ^ Song - Lipstick Traces (On a Cigarette)”. SecondHandSongs. 2025年7月18日閲覧。
  14. ^ Greil Marcus (2009-11-30) (英語). Lipstick Traces: A Secret History of the Twentieth Century, Twentieth Anniversary Edition. Harvard University Press. ISBN 978-0-674-03480-8. https://books.google.com/books?id=JDj-AwAAQBAJ 
  15. ^ Joe Tangari. “Lipstick Traces: A Secret History of Manic Street Preachers - Manic Street Preachers”. Pitchfork. 2025年7月18日閲覧。



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