マトロイド
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/13 10:20 UTC 版)
マトロイド(英: matroid)は、ある公理を満たす集合とそのべき集合の部分集合の組である。歴史的には、行列の一次独立・従属を一般化した概念であるが、多くの組合せ最適化問題をマトロイドあるいはより緩い独立性システムとコスト関数で定式化でき、特徴付けを行える等応用範囲は広い。特に組合せ最適化において、マトロイド上の最適化問題には単純な貪欲法によって多項式時間のアルゴリズムとは限らないものの最適解が得られることは非常に重要である。
定義

有限集合 E とその部分集合族
E を体上の行列の列集合、その体上で線形独立である列の集合を F とするとき、(E, F) はマトロイドとなり、ベクトルマトロイド (vector matroid) と呼ぶ。マトロイドが同等の体 K 上のベクトルマトロイドとして記述できるとき、表現可能であると呼ばれる。任意の体上で表現可能なマトロイドを正則マトロイド (regular matroid) と呼び、位数2の有限体上で表現可能なマトロイドを2値マトロイド (binary matroid) と呼ぶ。これらは、
- マトロイド ⊃ 2値マトロイド ⊃ 正則マトロイド ⊃ グラフ的マトロイド
という包含関係が成り立つ。一方で、Fanoマトロイドは、2値マトロイドであるが(実数体上では表現できないため)正則マトロイドではない。また、Vámosマトロイド (Vámos matroid) は、任意の体上で表現できないマトロイドの最も簡単な例である。
その他のマトロイド
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