マッド・ドッグ (アルバム)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/04 23:43 UTC 版)
『マッド・ドッグ』 | ||||
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ジョン・エントウィッスル の スタジオ・アルバム | ||||
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ジャンル | ロック | |||
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ジョン・エントウィッスル アルバム 年表 | ||||
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『マッド・ドッグ』(Mad Dog)は、ジョン・エントウィッスルの4作目のソロ・アルバムである[1][2]。彼がザ・フーのメンバーとして活動していた1975年に、「ジョン・エントウィッスルとオックス」[3](John Entwistle's OX)の名義で発表された。
解説
1974年、エントウィッスルはザ・フーの他のメンバーが映画『トミー』の制作にかかりきりになっている間隙に[注釈 1]、グラハム・ディーキン(ドラムス)、ロバート・ジョンソン(ギター、ヴォーカル)らと12人編成のジ・オックス(The Ox)を結成して[注釈 2][4]12月と1975年1月にイギリス・ツアーを行なった[5][注釈 3]。
同年2月、彼は「ジョン・エントウィッスルとオックス」(John Entwistle's OX)の名義で、前作『死後硬直』(1973年)同様にロックン・ロール色が強い本作を発表した。
収録曲
作詞・作曲の記載なき曲はJohn Entwistle作。邦題は日本盤[3]に準拠。
CD
# | タイトル | 作詞・作曲 | 時間 |
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1. | 「アイ・フォール・トゥ・ピーセズ I Fall to Pieces」 | ||
2. | 「セル・ナンバー7 Cell Number 7」 | Entwistle, Tony Ashton | |
3. | 「ユー・キャン・ビー・ソー・ミーン You Can Be So Mean」 | ||
4. | 「レディー・キラー Lady Killer」 | ||
5. | 「フー・イン・ザ・ヘル Who in the Hell?」 | ||
6. | 「マッド・ドッグ Mad Dog」 | ||
7. | 「ジャングル・バニー Jungle Bunny」 | Entwistle, Graham Deakin | |
8. | 「アイム・ソー・スケアード I'm So Scared」 | ||
9. | 「ドラウ二ング Drowning」 | ||
合計時間:
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オリジナルLP
参加メンバー
出典[6]。番号はCDのトラックナンバーを示す。
- ジョン・エントウィッスル John Entwistle – リード・ヴォーカル、ベース・ギター、8弦ベース、シンセサイザー
- グラハム・ディーキン Graham Deakin – ドラムス、パーカッション
- トニー・アシュトン Tony Ashton – ピアノ
- Jimmy Ryan – guitar
- Howie Casey – テノール・サクソフォーン
- Dave Caswell – トランペット
- John Mumford – トロンボーン
- ディック・パリー Dick Parry – バリトン・サクソフォーン
- Doreen Chanter – バッキング・ヴォーカル、リード・ヴォーカル(6)
- Irene Chanter – バッキング・ヴォーカル、リード・ヴォーカル(6)
- Juanita "Honey" Franklin – バッキング・ヴォーカル、リード・ヴォーカル(6)
- John Mealing – ピアノ(8)
- エディ・ジョブソン Eddie Jobson – ヴァイオリン(5、7)、ピアノ(5、7、9)
- マイク・ウェッジウッド Mike Wedgwood – ストリングス編曲(8、9)
- The Nashville Katz – ストリングス(8、9)
ツアー
本作発表後、エントウィッスルはディーキン(ドラムス)、ジョンソン(ギター)、マイク・ディーカン[7](キーボード)、ジェフ・デイリー[8](サクソフォーン)とThe Oxを結成して、2月21日から3月23日まで全米18の都市を廻るツアーを行った[9][注釈 4]。だが本作の売れ行きは全米192位と低調で、ツアーも赤字に終わり、彼に7万ドル以上もの出費を強いた[10]。
1975年3月15日のフィラデルフィアでのコンサートの模様がアメリカのラジオ番組『キング・ビスケット・フラワー・アワー』の為に録音され、1996年にCDとして発表された[11][12]。
脚注
注釈
- ^ ザ・フーが前身のザ・ハイ・ナンバーズ時代の1964年から1973年までの間に録音した未発表曲やアルバム未収録曲を選曲して、アルバム『オッズ&ソッズ』(1974年)を編集した。
- ^ 4人のホーン・セクションとコーラス・デュオのチャンター・シスターズを含んだ。名前(雄牛の意)の由来は彼の渾名だった。
- ^ 客の不入りなどの理由でホーンセクションは最終的にサクソフォーン奏者1人になり、チャンター・シスターズのドリーンは大音響で聴覚に異常をきたし、医師に諭されて早期に離脱した。
- ^ J. ガイルス・バンドの前座も務めた。
出典
- ^ Neill & Kent (2007), pp. 328, 330.
- ^ Rees (2020), pp. 174–175.
- ^ a b “Discogs”. 2025年6月30日閲覧。
- ^ Rees (2020), pp. 191–192.
- ^ McMichael & Lyons (2004), pp. 222, 224–225.
- ^ “Discogs”. 2025年7月1日閲覧。
- ^ “Discogs”. 2025年7月1日閲覧。
- ^ “Discogs”. 2025年7月1日閲覧。
- ^ McMichael & Lyons (2004), p. 225.
- ^ Neill & Kent (2007), pp. 367–370.
- ^ Neill & Kent (2007), p. 368.
- ^ “Discogs”. 2023年5月11日閲覧。
引用文献
- Neill, Andy; Kent, Matt (2007). Anyway Anyhow Anywhere: The Complete Chronicle of The Who 1958-1978. London: Virgin Books. ISBN 978-0-7535-1217-3
- McMichael, Joe; Lyons, 'Irish' Jack (2004). The Who Concert File. London: Omnibus Press. ISBN 1-84449-009-2
- Rees, Paul (2020). The Ox: The Last Of Great Rock Stars: The Authorized Biography Of The Who's John Entwistle. London: Constable. ISBN 9781472129406
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