ペンタメチルシクロペンタジエン
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/21 15:26 UTC 版)
ペンタメチルシクロペンタジエン | |
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識別情報 | |
CAS登録番号 | 4045-44-7 |
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特性 | |
化学式 | C10H16 |
モル質量 | 136.24 g/mol |
示性式 | C5Me5H (Me = CH3)[1] |
沸点 | 55–60 °C (13 mmHg) |
水への溶解度 | 微溶 |
危険性 | |
引火点 | 114 °C |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
1,2,3,4,5-ペンタメチルシクロペンタジエン (英: 1,2,3,4,5-pentamethylcyclopentadiene, Cp*H) とは、炭化水素、環状ジエンのひとつ。シクロペンタジエンの各炭素上の水素が1個ずつメチル基に置き換わった構造を持つ。本物質は、水素を一つ失った 1,2,3,4,5-ペンタメチルシクロペンタジエニルの前駆体として有機金属化合物の合成に用いられる。その 1,2,3,4,5-ペンタメチルシクロペンタジエニルは Cp* と略記される有用な配位子である[2]。シクロペンタジエンと異なり、ペンタメチルシクロペンタジエンはディールス・アルダー反応により二量化する傾向はない。市販品が入手可能。消防法による第4類危険物 第2石油類に該当する[3]。
合成
ペンタメチルシクロペンタジエンの最初の合成例ではチグリンアルデヒド (trans-2-メチル-2-ブテナール) から出発し、2,3,4,5-テトラメチル-2-シクロペンテノンを経由してペンタメチルシクロペンタジエンを得ていた[4]。それに変わる手法として、2分子の2-ブテニルリチウムを酢酸エチルに加えて得たアルコールから、酸触媒により脱水環化させる手法が大量合成法として報告された[5][6]。
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