フランク・カレガリとは? わかりやすく解説

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フランク・カレガリ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/09 16:19 UTC 版)

フランク・カレガリ
生誕 (1975-12-15) 1975年12月15日(49歳)
市民権 オーストラリア
アメリカ合衆国
研究分野 数学
研究機関 シカゴ大学
高等研究所
出身校 カリフォルニア大学バークレー校
博士論文 Ramification and Semistable Abelian Varieties (2002)
博士課程
指導教員
ケン・リベット
プロジェクト:人物伝
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フランチェスコ・ダミアン・「フランク」・カレガリ(Francesco Damien "Frank" Calegari、1975年12月15日生まれ)は、数論およびラングランズ・プログラムを専門とする、シカゴ大学の数学教授である。兄は数学者のダニー・カレガリ[1]

来歴

1992年と1993年に国際数学オリンピックにオーストラリア代表として出場し、それぞれ銅メダルと銀メダルを獲得[2]。  

2002年、カリフォルニア大学バークレー校にてケン・リベットの指導のもとで数学の博士号を取得した[3]

2002年から2006年までハーバード大学でベンジャミン・ピアス助教授を務めたのち、ノースウェスタン大学に移籍し、2006年から2009年まで助教授、2009年から2012年まで准教授、2012年から2015年まで教授を務めた。2015年からはシカゴ大学の数学教授を務めている[4][5]

また、2010年から2011年にかけては高等研究所の数学部門でフォン・ノイマン・フェローを務めた[6]

2013年から2021年まで、学術誌『Mathematische Zeitschrift』の編集委員を務めたほか、2019年からは『Algebra & Number Theory』の編集委員、および『Annals of Mathematics』の副編集委員を務めている[4][7][8]

研究

カレガリは代数的数論を専門とし、特にラングランズ対応や算術群のコホモロジーに現れるねじれ類の研究で知られている[5]

ヴェッセリン・ディミトロフおよびタン・ユンチンとの共同研究により、アトキン–スウィナートン=ダイアー予想(Unbounded Denominators Conjecture)を証明した[9][10]

これは、モジュラー形式 f(τ) が合同部分群に属さない場合、そのフーリエ係数は有界でない分母をもつことを示すものである。この予想は数十年にわたって未解決であった[11]

同じくディミトロフおよびタンとの共同研究において、数値 1ζ(2), L(2, χ−3)一次独立であることも証明した[12]

受賞

2002年から2006年にかけてアメリカ数学研究所(AIM)の5年間フェローシップを受け、また2009年から2012年にはスローン研究フェローに選出された[4][13]。2013年にはアメリカ数学会フェローに選ばれた[4]

主な論文

参考文献

  1. ^ Family, Collaborators, Students”. 2020年3月6日閲覧。
  2. ^ Frank Calegari”. 国際数学オリンピック. 2020年3月6日閲覧。
  3. ^ フランク・カレガリ - Mathematics Genealogy Project
  4. ^ a b c d Frank Calegari (WebCV)”. Frank Calegari. 2024年9月2日閲覧。
  5. ^ a b Frank Calegari”. シカゴ大学. 2020年3月6日閲覧。
  6. ^ Francesco Damien Calegari”. 高等研究所 (2019年12月9日). 2020年3月6日閲覧。
  7. ^ Mathematische Zeitschrift | Editors”. Springer Science+Business Media. 2020年3月6日閲覧。
  8. ^ Editorial Board”. Annals of Mathematics. 2020年3月6日閲覧。
  9. ^ Calegari, Frank; Dimitrov, Vesselin; Tang, Yunqing (2021), The Unbounded Denominators Conjecture, p. 1-62, doi:10.48550/ARXIV.2109.09040, https://arxiv.org/abs/2109.09040 2025年1月9日閲覧。 
  10. ^ Atkin, A. O. L.; Swinnerton-Dyer, H. P. F. (1971), “Modular forms on noncongruence subgroups”, Combinatorics (Univ. California, 1968): Proceedings of Symposia in Pure Mathematics, vol. XIX, American Mathematical Society, pp. 1–26 
  11. ^ Shimura, Gorō (1971). Introduction to the Arithmetic Theory of Automorphic Functions. プリンストン大学出版局. ISBN 978-0-691-08092-5 
  12. ^ Calegari, Frank; Dimitrov, Vesselin; Tang, Yunqing (2024). "The linear independence of 1, ζ(2), and L(2,χ−3)". arXiv:2408.15403
  13. ^ Frank Calegari”. Frank Calegari. 2020年3月6日閲覧。

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