フィンヌル・ヨウンスソンとは? わかりやすく解説

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フィンヌル・ヨウンスソン

(フィンヌル・ヨウンソン から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/02 16:09 UTC 版)

フィンヌル・ヨウンスソン。肖像写真と署名。

フィンヌル・ヨウンスソン[1](Finnur Jónsson 原語の発音;フィンヌル・ヨーンッソン、1858年5月29日 - 1934年3月30日)は、アイスランド文献学者。特に古ノルド文学英語版の分野で大きな業績を残した。

業績

フィンヌルは1878年にレイキャヴィーク高校を卒業したのち、コペンハーゲン大学でさらに学ぶためにデンマークに渡った。1884年にはスカルド詩に関する論文で文献学の博士号を取得。1887年に大学の講師 (Docentの職に就き、1898年には教授に就任、1928年まで務めた。退職後も研究を続け、亡くなるその年まで著作を上梓し続けた。

フィンヌルの主な研究分野は古ノルド詩英語版であった。彼の代表的な業績は3つあり、1つ目はスカルド詩の完全集成『Den norsk-islandske skjaldedigtning』である。これは2部から成っており、第1部は様々な写本に見られるテキストを異文も含めて掲載している。第2部はそれらを標準的なテキストに校正し、デンマーク語訳を附している。2つ目の業績は古ノルド語詩の辞書『Lexicon Poeticum』である。それは、表面上はスヴァインビョルトン・エイイルソン英語版の同名の著作の改訂版であったが、実質的には彼自身の著作であった。3つ目の業績は、古ノルド文学の詳細な歴史を綴った『Den oldnorske og oldislandske litteraturs historie』である。

フィンヌルは異常なまでに多作の学者であり、他の著作を書いている間に、大量のアイスランド人のサガ英語版王家のサガ英語版リームル英語版エッダの刊本の準備をしていたという。また腕の立つ論客として、サガの歴史的正確性やエッダ詩の古さについて、他の学者との議論の中で、自身の信念を貫こうとする姿も見られたという。

脚注

  1. ^ 菅原邦城シーグルズル・ノルダル『巫女の予言 エッダ詩校訂本』(東海大学出版会、1993年初版第1刷、ISBN 4-486-01225-9)p.2 などに見られる表記。

参考文献

  • Jón Helgason (1934). "Mindeord om Finnur Jónsson" in Aarbøger for nordisk Oldkyndighed og Historie, 1934, pp. 137-60.

外部リンク

  • Finnur Jónsson(デンマーク語) - 電子テキスト公開サイト「heimskringla.no」。彼の経歴と著作の一部が閲覧できる。
  • Old Norse editions(英語) - 電子テキスト公開サイト「septentrionalia」。彼の著作の一部が閲覧できる。
  • Lexicon Poeticum(デンマーク語) - 『Lexicon Poeticum』の辞書部分のみ。
  • Den norsk-islandske skjaldedigtning(デンマーク語) - 『Den norsk-islandske skjaldedigtning』の一部。



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