ヒデリコとは? わかりやすく解説

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ヒデリコ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/12 04:30 UTC 版)

ヒデリコ
ヒデリコの小穂
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 単子葉類 monocots
階級なし : ツユクサ類 commelinids
: イネ目 Poales
: カヤツリグサ科 Cyperaceae
: テンツキ属 Fimbristylis
: ヒデリコ F. miliacea

ヒデリコ Fimbristylis miliacea

ヒデリコ(日照子、学名:Fimbristylis miliacea (L.) Vahl)は、カヤツリグサ科テンツキ属の植物である。水田によく出現し、小さな小穂を多数つける。

特徴

ヒデリコは湿ったところに生える小柄な一年草である。株立ちになって匍匐茎などは出さない。根元から多数の葉をつける。葉は左右から偏平ないわゆる単面葉で、葉の表は存在せず、両側共に裏面であるが、黄緑色で強いつやがある。そのような葉を二方向に出すため、株の基部は全体に左右から偏平になっている。また、基部には葉身のない鞘があるのも特徴。

夏から穂を出す。花茎はやや偏平で、葉より高く伸び、先端でよく分枝して多数の小穂をつける。花序の基部には葉状の苞があるが、花より短い程度。花序は散状になり、長さは8cmになる。何度も枝分かれして非常に多くの小穂をつける。

小穂は2.5-3mm程度と小さく、球形に近い楕円形で、錆褐色。鱗片は卵形で長さ1mm。果実は倒卵形で、熟しても白っぽい。その表面にはまばらに半球形の小さな突起がついているのが特徴。柱頭は三つに分かれる。

分布と成育環境

本州から琉球列島まで分布する。国外では朝鮮、中国、インド、インドネシアからオーストラリア、北アメリカ西岸に分布する。日向の湿地、特に水田には非常に多く見かける。前川文雄はこれを史前帰化植物と考えた。名前の意味は「日照り子」で、夏の日照りにも負けないからとの説がある。

類似種など

日本のテンツキ属では、特に小穂が小さい種である。同様に小穂が小さいものにはアオテンツキヒメヒラテンツキなどがあるが、小穂が丸っこいこととその数が特に多いことで区別は易しい。クロテンツキは小穂が小さくて丸い点で本種に似ているが、この種の方がやや大型で褐色が強い点で異なり、また葉の基部も左右から扁平にはなっていない[1]。その他の属にも似たものはない。

なお、琉球列島などに小穂がやや大きい型があり、これをタイワンヒデリコ(subsp. koidzumiana (Ohwi) K.Koyama)とする説があるが、実際にははっきりした区別はないようで、認めないことが多い。

出典

  1. ^ 星野他(2012) p.586

参考文献

  • 佐竹義輔大井次三郎北村四郎他『日本の野生植物 草本I 単子葉植物』(1982)平凡社
  • 北村四郎・村田源・小山鐵夫『原色日本植物図鑑 草本編(III)・単子葉類(改定49刷)』(1987):保育社
  • 星野卓二他、『日本カヤツリグサ科植物図譜』、(2011)、平凡社




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