バルビツール酸系過量服薬とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > バルビツール酸系過量服薬の意味・解説 

バルビツール酸系過量服薬

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/12/25 07:18 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動
Barbiturate overdose
分類および外部参照情報
診療科・
学術分野
救急医学
ICD-10 F13.0, T42.3
ICD-9-CM 969
eMedicine article/813155
テンプレートを表示

バルビツール酸系過量服薬(バルビツールさんけいかりょうふくやく、Barbiturate overdose)は、バルビツール酸系薬を、所定の用量を超えて服用した場合に生じる。過量服薬の症状は、一般的に脱力、運動失調、思考の困難、会話の遅さ、間違った判断、眠気、浅い呼吸、ふらつきなどである。重篤な症例では昏睡あるいは死亡する結果となる。[1]バルビツール酸系の致死量は、耐性があるために、一個人と他者では、大きくばらつきがある[2]。過量服薬についての一般的な解説はオーバードースを参照のこと。

バルビツール酸系過量服薬とほかの中枢神経系抑制剤、たとえばアルコールオピエートベンゾジアゼピンとの併用は、相乗した中枢神経系と呼吸器官の抑制作用に起因して、危険性はさらに高くなる。ベンゾジアゼピンの例では、バルビツール酸はベンゾジアゼピン結合部位英語版の結合親和性を増加させ、したがって、過剰なベンゾジアゼピンの作用につながる[3]

バルビツール酸系の中毒あるいは過量服薬の治療は、一般に対症的である。必要なサポートの量は、患者の症状によって決まる。患者が眠そうだが、覚醒し、嚥下し呼吸しているなら容易で、治療は、患者を綿密にモニタするくらい簡単である。

患者の呼吸がない場合、薬が減衰するまで人工呼吸器を必要とする[4]

補助的治療は、よく以下のようなものである:

  • 経鼻胃管を通して活性炭を投与する[4]
  • フェノバルビタールでは排出速度を高めるため、尿をアルカリ化する[4]重炭酸ナトリウム(NaHCO3)などを用いる。
  • 生理食塩水、ナロキソンチアミン、そして/あるいはグルコースの静脈内投与。
  • 数時間の救急診療の観察あるいは、症状が重篤な場合は数日の入院。
  • 薬物の誤用について患者に助言するか、精神科への相談を勧める。

出典

  1. ^ Barbiturate intoxication and overdose”. MedLine Plus. 2008年7月15日閲覧。
  2. ^ Keltner, Norman."Psychiatric Nursing 4th Edition" Evolve Press,2003.
  3. ^ Miller LG, Deutsch SI, Greenblatt DJ, Paul SM, Shader RI (1988). “Acute barbiturate administration increases benzodiazepine receptor binding in vivo”. Psychopharmacology (Berl.) 96 (3): 385–90. doi:10.1007/BF00216067. PMID 2906155. 
  4. ^ a b c 臨床中毒学 2009.

参考文献

  • 上條吉人「バルビツール酸」『臨床中毒学』相馬一亥(監修)、医学書院、2009年10月、100-108頁。 ISBN 978-4260008822

関連項目

外部リンク




英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「バルビツール酸系過量服薬」の関連用語

バルビツール酸系過量服薬のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



バルビツール酸系過量服薬のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのバルビツール酸系過量服薬 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS