ナンゴクハマウドとは? わかりやすく解説

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ナンゴクハマウド

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/18 14:31 UTC 版)

ナンゴクハマウド
ナンゴクハマウド(与那国島
分類APG IV
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
階級なし : コア真正双子葉類
core eudicots
階級なし : キク類 asterids
階級なし : キキョウ類 campanulids
: セリ目 Apiales
: セリ科 Apiaceae
: シシウド属 Angelica
: ナンゴクハマウド
A. hirsutiflora [1]
学名
Angelica hirsutiflora T.S.Liu, C.Y.Chao et T.I.Chuang [1]
シノニム

Angelica japonica var. hirsutiflora (A.H.Liu, C.Y.Chao et T.I.Chuang) T.Yamaz.

和名
ナンゴクハマウド
ナンゴクハマウド(2025年3月 沖縄県糸満市)
複散形花序(2025年3月 沖縄県糸満市)

ナンゴクハマウド(南国浜独活[2]、学名:Angelica hirsutiflora)はセリ科シシウド属の大型の多年生草本

かつてはハマウドA. japonicaと同種[3][4]またはハマウドの変種A. japonica var. hirsutiflora[5][6][7][8]と扱われたため、図鑑等において学名をそのように記されることがある。本項ではYList[1]及び最近の図鑑等[9][2]に従い、独立種として扱う。

特徴

高さ0.5–2 m。葉はセロリに似た形状の1–2回3出羽状複葉。小葉は大きめで、長さ2–5 cm、幅1–3 cm、やや多肉質の広卵状三角形で鋸歯縁だが、ハマウドに比べて鋸歯の先は鈍い。複葉長は50–100 cm。花期は晩春から初夏。大型の複散形花序を頂生し、個々の花は径2 mmほどで白色。花柄に毛を密生させる。果実は茶色の広楕円形で長さ7 mmで、翼は広くやや厚みがある[6][9][7][2]

分布と生育環境

沖縄~台湾[9][7][2][8]。海岸近くの岩場、砂地、原野に多い[6][4]

近縁種

ハマウドは小葉が比較的小さく、縁辺の鋸歯が鋭く、果実の翼は同様に広いが薄い点で区別される[5][7]

また、小笠原諸島には本種とよく似たムニンハマウドA. boninensisが分布する。鋸歯が鈍形である点はナンゴクハマウドと同様だが、花柄がほぼ無毛である点でナンゴクハマウドと異なる[5][9][7]

利用

薬用[4][6]

脚注

  1. ^ a b c 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Angelica hirsutiflora T.S.Liu, C.Y.Chao et T.I.Chuang”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2025年5月10日閲覧。
  2. ^ a b c d (林 & 名嘉 2023, p. 145)
  3. ^ (池原 1979, p. 90)
  4. ^ a b c (与那国町教育委員会 1995, p. 62)
  5. ^ a b c (山崎 1990, p. 220–224)
  6. ^ a b c d (新里 & 嵩原 2002, p. 147)
  7. ^ a b c d e (鈴木 2021, p. 603)
  8. ^ a b ナンゴクハマウド”. 琉球の植物データベース. 国立科学博物館. 2025年5月10日閲覧。
  9. ^ a b c d (中西 2020, p. 188)

参考文献

  • 池原直樹「ハマウド Angelica japonica」『沖縄植物野外活用図鑑』 4巻《海辺の植物とシダ》、新星図書出版、1979年。 
  • 山崎敬「ハマウド・ムニンハマウド・ナンゴクハマウドについて」『植物研究雑誌』第65巻、第7号、220–224頁、1991年。doi:10.51033/jjapbot.65_7_8487https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjapbot/65/7/65_65_7_8487/_pdf/-char/ja 
  • 与那国町教育委員会「ハマウド Angelica japonica」『与那国島の植物』与那国町教育委員会、1995年、62頁。 
  • 新里孝和; 嵩原建二「ナンゴクハマウド」『伊江島の植物図鑑』伊江村教育委員会、2002年。 
  • 中西弘樹「ナンゴクハマウド」『フィールド版 日本の海岸植物図鑑』トンボ出版、2020年。ISBN 9784887162266 
  • 鈴木浩司 著「ハマウド、変種ナンゴクハマウド」、大橋広好・門田裕一・木原浩・邑田仁・米倉浩司 編『フィールド版改訂新版 日本の野生植物』 2巻、平凡社、2021年、603頁。 ISBN 9784582535396 
  • 林将之; 名嘉初美「ナンゴクハマウド」『沖縄の身近な植物図鑑』(第2版)ボーダーインク、2023年。 ISBN 9784899824350 

外部リンク




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