ドゥダ (楽器)とは? わかりやすく解説

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ドゥダ (楽器)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/26 20:31 UTC 版)

ドゥーダ
Дуда (Ужгород).jpg
ザカルパッチャ州の博物館に展示されるドゥーダ(コザ)
基本情報
分類 木管楽器、エアロフォン
Hornbostel-Sachs 422.112(袋付きリード楽器)
関連楽器 バグパイプ、アイルランドのバグパイプ、スコットランドのバグパイプ、ビズ、シュヴィル、トゥルム、トゥルプ・ズルナ

ドゥーダウクライナ語: Дуда́)、またはガイダウクライナ語: Ґа́йда)は、ウクライナおよびカルパチア・バルカン地域で使用される伝統的な木管楽器で、バグパイプの一種である。コザ、コズィツャ、バラン、ミフ、ドゥトカなどの別名があり、羊、山羊、または子牛の皮で作られた袋(ミフ)に、空気を送り込む管(シサク)、低音を出す管、旋律を演奏するためのソピルカに似た管が取り付けられている[1]。動物の皮を剥ぎ、毛を内側にして袋を作り、そこに音を出すための管を挿入する構造を持つ[2]

ドゥーダはウクライナをはじめ、ブルガリア北マケドニアセルビアクロアチアアルバニアスロバキアなどで知られ、特に「ガイダ」の名称で広く親しまれている。ウクライナでは、袋の素材となる動物(山羊や羊)に由来する「コザ」や「バラン」などの呼称も一般的である[2]。この楽器は、ウクライナ西部での叙事詩の伴奏、ザポロージェ・シーチの軍楽隊、フツルの祭りなどで演奏され、房や金属の装飾で彩られることが多い[2]

ウクライナの民謡にはドゥーダに関する記述が見られ、例えば以下の歌詞がある:

おじいさん、ドゥーダ奏者よ、
村を歩きながら、
ドゥーダを演奏していたね。
今はもうあなたはいない、
あなたのドゥーダはさまよう、
その笛は残され、
誰とも知れぬ手に渡った[3]

ベラルーシのドゥーダ

レペル型ベラルーシの伝統的なドゥーダ(2009年)

ベラルーシのドゥーダは、ベラルーシで古くから使用された伝統的で古風な木管楽器であり、20世紀初頭まで広く普及していた。現在はリトアニアロシアの博物館に保存されており、ベラルーシ国内ではレペル地方博物館とフロドナ考古学博物館に現存する[4]

ベラルーシのドゥーダには2つのタイプがある:

  • レペル型:円筒形の木製胴体(楓、林檎、桜など)で、6〜8つの指穴があり、指のための窪みが彫られている。胴体は金属棒で焼いて成形され、葦製のピース(リード)が上部に取り付けられる。内部の管の直径は6〜8cmで一定。袋は子牛や山羊の皮で作られ、独特の角形のロート(拡声部)が特徴で、他地域では見られない[4][5]
  • フロドナ型:袋は医療用酸素バッグを革で覆った菱形のもので、木製部品より後に作られたとされる[5]

関連項目

脚注

  1. ^ Тлумачення / значення слова "ҐАЙДА"” (ウクライナ語). hrinchenko.com. 2018年11月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年11月25日閲覧。
  2. ^ a b c Л. М. Черкаський. “Волинка (дуда, коза)” (ウクライナ語). Українські народні музичні інструменти. 2023年4月10日閲覧。
  3. ^ М. Леонтович (ウクライナ語). Вибрані хорові твори. К., 1949. p. 3 
  4. ^ a b Білоруська дуда” (ロシア語). Советское искусство (1939年). 2016年3月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年4月10日閲覧。
  5. ^ a b Білоруська дуда в контексті європейських аналогів” (ウクライナ語). 2023年4月10日閲覧。

参考文献

外部リンク

  • "Дуда, коза" (PDF). Українська музична енциклопедія (ウクライナ語). Vol. 1. pp. 663–664. 2021年5月4日時点のオリジナル (PDF)よりアーカイブ。2023年4月10日閲覧
  • ウィキメディア・コモンズには、ドゥダ (楽器)に関するカテゴリがあります。



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