トリオプラン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/15 00:00 UTC 版)

トリオプラン(ドイツ語: Trioplan)はメイヤー・オプティック・ゴルリッツによって開発されたトリプレットレンズでクック・トリプレットの設計に基づいて開発されたカメラレンズである。
概要
トリオプランは1913年から3群3枚構成のレンズとして発売された[1]。焦点距離は100mmで視野角は約24°であった[2]。 トリプレット構成のためザイデル収差の全てを調整する自由度があるアナスチグマートという特長がある。また、最小F値が f/ 2.8で比較的明るいレンズであった[1]。
トリオプランは、安価の割には品質が良く、メイヤー・オプティック・ゴルリッツ製品の中では人気のあるレンズの1つであった[3]。このレンズは1966年まで製造されていた。戦前は真鍮鏡胴で有ったが、1942年からアルミ鏡胴となり、第二次世界大戦後に改良が行われて性能が向上した[1]。トリオプランはライバルメーカーであるカール・ツァイスのテッサーの半額程度の価格で販売されていた[4]。
トリオプランはレンズマウントのバリエーションとしてエキザクタ (Exakta Varex)マウント、M42マウント、及びアルティッサ(ドイツ語: Altissa)のアルティックス(ドイツ語: Altix)マウントが有った[5]。 近年は現代のレンズでは出ない強烈な癖がSNS等を中心に注目されるようになり[6]、トリオプランはその独特の「玉ボケ」のために注目されるようになった[7][8]。
メイヤー・オプティック・ゴルリッツは一旦廃業となったが[9]、ブランド復活に向けて様々な経緯があり、2021年7月より日本でもケンコープロフェショナルイメージング[10] より販売が再開された[11][12]。
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ペンタコン Penti I とトリオプラン f/ 3.5 30mm
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Beirette とトリオプラン f/ 3.5 45mm
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Altix III 24x36mmに搭載されたトリオプラン f/ 2.8 50mm
現行モデル
現在販売されている以下のレンズは、キャノンEFマウント、キャノンRFマウント、ニコンFマウント、ニコンZマウント、フジXマウント。ペンタックスKマウント、ソニーEマウント、マイクロフォーサーズマウント、ライカMマウント、ライカLマウントがある[12]。
関連項目
外部リンク
出典
- ^ a b c オールドレンズジャパン (2022年12月20日). “Meyer-Optik Görlitz Trioplan 100mm f2.8のスペック”. Trioplan 100mm f2.8VのReview作例 シャボン玉バブルボケ Meyer-Optik Görlitz. オールドレンズジャパン. 2025年4月30日閲覧。
- ^ CASIO COMPUTER CO., LTD.. “カメラの画角の計算”. CASIO COMPUTER CO., LTD.. 2025年4月30日閲覧。
- ^ spiral. (2013年5月24日). “Meyer Optik Trioplan(トリオプラン) 100mm F2.8 (M42)”. spiral.. 2025年4月30日閲覧。
- ^ Andrzej Wrotniak (2018年1月12日). “Other standard lenses”. Exakta System Lenses. Andrzej Wrotniak. 2025年4月30日閲覧。
- ^ 出品者のひとりごと・・ (2022年10月19日). “Meyer-Optik Görlitz(マイヤーオプティック・ゲルリッツ)Trioplan 50mm/f2.9《初期型》(exakta)”. 解説とオーバーホール工程. 出品者のひとりごと・・. 2025年4月30日閲覧。
- ^ 山本まりこ『山本まりこのオールドレンズの撮り方ブック』(第1版)玄光社〈玄光社MOOK〉、2016年10月27日、2頁。ISBN 978-4-7683-0767-0。
- ^ 澤村徹『日常が非日常に写るオールドレンズマジック』(第1版)ホビージャパン、2022年4月25日、30-31頁。 ISBN 978-4-7986-2818-9。
- ^ ナニワグループBLOGS『新世界」編集長. “「バブルボケ」って結局なんなのさ?【作例多数】”. 新世界|ナニワグループBLOGS. カメラのナニワ. 2024年10月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年9月14日閲覧。
- ^ Gottfried Kindler: 「第二次世界大戦後、ゲルリッツに存在した高級光学工場としてのメイヤー・オプティック社の歴史。付録:レーダーヴァーレン・ゲルリッツ社のクロニクル」第 2 版付き。ゲルリッツ写真美術館協会 e.V. (年なし)、56–59ページ。(Gottfried Kindler: Geschichte der Firma MEYER-OPTIK als Betrieb Feinoptisches Werk Görlitz nach dem 2. Weltkrieg. Mit Nachtrag: Chronik der Firma Lederwaren Görlitz. 2. Auflage. Gesellschaft für das Museum der Fotografie in Görlitz e. V. (ohne Jahr), S. 56–59.)
- ^ ケンコープロフェショナルイメージング. “KPI 株式会社ケンコープロフェショナルイメージング”. ケンコープロフェショナルイメージング. 2025年1月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年9月11日閲覧。
- ^ ケンコープロフェショナルイメージング (2021年7月). “ドイツ製高級交換レンズ「Meyer Optik Görlitz」 販売再開のご案内”. ケンコープロフェショナルイメージング. 2025年1月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年9月11日閲覧。
- ^ a b c d e ケンコープロフェショナルイメージング (2024年5月). “メイヤーレンズ 2024 Made in Germany” (PDF). ケンコープロフェショナルイメージング. 2025年1月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年9月12日閲覧。
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