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ソイ・チェン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/17 06:42 UTC 版)

ソイ・チェン
鄭保瑞
鄭保瑞,2023年
生年月日 (1972-07-11) 1972年7月11日(52歳)
出生地 マカオ
出身地 香港
国籍 ポルトガル
香港
職業 映画監督、プロデューサー、脚本家
主な作品
アクシデント
モンキー・マジック 孫悟空誕生
西遊記 孫悟空 vs 白骨夫人
西遊記 女人国の戦い
ドラゴン×マッハ!
リンボ
『マッド・フェイト』
トワイライト・ウォリアーズ 決戦! 九龍城砦』 
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ソイ・チェン
各種表記
繁体字 鄭保瑞
簡体字 郑保瑞
拼音 Zeng6 Bou2-seoi6 チェン ポウソイ(粤拼
Zhèng Bǎo-ruì チェン バオルイ(拼音
英語名 Soi Cheang
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ソイ・チェン (Soi Cheang、鄭 保瑞、Cheang Pou-soi、チェン・ボウソイ、1972年7月11日 - )は香港映画監督プロデューサー脚本家。アクション作品やスリラー作品で高い評価を得ている。

主な作品に、『アクシデント 』、『モーターウェイ』、中国大陸で10億元以上の興行収入を記録した「西遊記」シリーズ3作品(『モンキー・マジック 孫悟空誕生』、『西遊記 孫悟空 vs 白骨夫人』、『西遊記 女人国の戦い』)、『ドラゴン×マッハ!』、フランスで好成績を収めた『リンボ 』、香港電影金像奨の最優秀監督賞を受賞した『マッド・フェイト』[1]、カンヌ国際映画祭のミッドナイトスクリーニング部門に選出された『トワイライト・ウォリアーズ 決戦! 九龍城砦』がある[2]

来歴

ソイ・チェンは1972年にマカオで生まれ、11歳で香港へ移住し[3]旺角(モンコック)地区で育った[4]

19歳で香港電台の番組『家在香港』で場務(制作スタッフ)を務め、その後、映画業界でも場務を務めた後[3]、1992年、映画『她來自胡志明市』で初めて副監督(副導演)を務め[5]、1995年にはリンゴ・ラム(林嶺東)の監督作、『復讐のプレリュード』(原題:大冒険家)で副監督を務めた[6]

その後、ウォン・ジン(王晶)の映画会社に入り、半年のうちに5部の映画の副監督を務めた。この5部の中には、アンドリュー・ラウ(劉偉強)監督、イーキン・チェン(鄭伊健)主演の『古惑仔』シリーズの1作目『欲望の街・古惑仔I / 銅鑼湾(コーズウェイベイ)の疾風中国語版』および2作目『新・欲望の町 古惑仔疾風、再び中国語版』も含まれている[5]。ウォン・ジンの映画会社を退職後、1997年に香港無線電視(VTB)に入社するが、ウィルソン・イップ(葉偉信)監督の『誤人子弟』(1997)の撮影が始まると、退職してこの映画の制作に加わった[5]。 

1999年には、初の監督作品『第100日』を撮影した。この映画は、テレビ映画専門の撮影スタジオである中大電影創作室で、88,000香港ドルの資金と5日間の撮影で製作された実験的な作品であった[7][8]。中大電影創作室では、その後、『水着青春救生』、『摩登姑婆屋』、『發光石頭』を撮影した。この時、『發光石頭』の脚本を担当したのは歐健兒中国語版で、彼女は後に『トワイライト・ウォリアーズ 決戦! 九龍城砦』(2024)の脚本も担当している[5]

2001年に初の商業映画『ノイズ 』(原題:恐怖熱線之大頭怪嬰)を監督し、その後も、『カルマ2』(原題:熱血青年)、『古宅心慌慌』など多数のホラー映画を監督した[5]

2008年には、ジョニー・トーらが率いる映画制作会社、銀河映像(香港)有限会社中国語版に参加[9]。2012年には、カーアクション映画『モーターウェイ』(原題:車手)で第19回香港電影評論学会大奨の最優秀作品賞、最優秀監督賞を受賞[10]。2014年には中国大陸の映画界に進出し、「西遊記」シリーズ3部作をヒットさせた[9]。近年は拠点を香港に戻し、フランスでも高評価を受けた『リンボ [9]香港電影金像奨の最優秀監督賞を受賞した『マッドフェイト』[1]を監督。さらに『トワイライト・ウォリアーズ 決戦! 九龍城砦』はカンヌ国際映画祭のミッドナイト・スクリーニング部門で上映され[11]、香港映画の歴代観客動員数1位に輝いた[12]

映画

監督作品

プロデュース作品

  • 2015 衝鋒車(監督:劉浩良)
  • 2017 狂獣 欲望の海域 狂獸(監督:李子俊)
  • 2019 ファストフード店の住人たち 麥路人(監督:黃慶勳)
  • 2020 征途 -英雄へのバトルロード- 征途(監督 テディ・チャン(陳德森))
  • 2023 斷網 (監督:黃慶勳)
  • 2023 第八個嫌疑人(監督:李子俊。謝国豪と共同プロデュース)

テレビドラマ

プロデュース

  • 2020 獵夢特工 

主な受賞歴

部門 作品 結果
2003 第22回香港電影金像奨 傑出青年監督 『カルマ2』
熱血青年
ノミネート
2005 第5回華語電影傳媒大獎(中国語映画メディア大賞) 最優秀監督 愛·作戰 ノミネート
2012 第19回香港電影評論学会大奨 最優秀監督 『モーターウェイ』
車手
受賞
2013 第32回香港電影金像奨 最優秀監督 ノミネート
2015 第22回香港電影評論学会大奨 推薦電影 ドラゴン×マッハ!
殺破狼II
受賞
2020 第39回香港電影金像奨 最優秀作品 ファストフード店の住人たち
麥路人
ノミネート
2022 第28回香港電影評論学会大奨 最優秀監督 『リンボ』
智齒
ノミネート
第40回香港電影金像奨 最優秀監督 ノミネート
第59回金馬奨 最優秀監督 ノミネート
2024 第30屆香港電影評論学会大奨 最優秀作品 第八個嫌疑人 ノミネート
推薦電影 受賞
最優秀監督 マッド・フェイト
命案
ノミネート
2023年度香港映画監督協会年度大賞 最優秀監督 受賞
第42回 香港電影金像奨 最優秀監督 受賞
第57回シッチェス・カタロニア国際映画祭 最優秀監督 トワイライト・ウォリアーズ 決戦! 九龍城砦
九龍城寨之圍城
受賞
2025 第31回香港電影評論学会大奨 最優秀監督 ノミネート
2024年度香港映画監督協会年度大賞 最優秀監督 受賞
第43回香港電影金像奨 最優秀監督 受賞

出典

  1. ^ a b 第42屆香港電影金像獎提名及得獎名單” (2024年4月14日). 2025年3月23日閲覧。
  2. ^ 古天樂率《九龍城寨》四少坎城合體 全場鼓掌10分鐘「香港電影的驕傲 」”. 2024年6月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年3月23日閲覧。
  3. ^ a b 平衡時空│鄭保瑞 | men's uno HK” (中国語). men's uno 男士時尚雜誌. 2017年7月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年3月9日閲覧。
  4. ^ 阿果 (2024年4月28日). “專訪|《九龍城寨》鄭保瑞:說一個離不開留不低的香港故事”. Wave. 流行文化誌. 2025年3月18日閲覧。
  5. ^ a b c d e 郭靖言 (2024年5月24日). “【娛事者】鄭保瑞:由場記到導演 由胡志明市到九龍城寨”. Yahoo 娛樂圈. 2025年3月20日閲覧。
  6. ^ 香港電影評論学会 (2021年6月3日). “「林嶺東電影拍攝現場起風雲」座談會(嘉賓:鄭保瑞先生)”. 香港電影評論学会. 2025年3月18日閲覧。
  7. ^ {導演達人}鄭保瑞 焦點影人無懼「翻舊帳」 掀開肚皮激勵電影後浪”. 明報 (2023年3月5日). 2025年3月20日閲覧。
  8. ^ 鄭保瑞專訪|8萬8拍出首部作品︰冇錢就用其他方法尋找自己味道”. 香港01 (2023年3月29日). 2025年3月20日閲覧。
  9. ^ a b c デイリー新潮編集部 (2025年1月25日). “低迷する香港映画は「今が一番大変」だが「希望も見える」 「九龍城砦」アクション映画で“時の人”となった監督が語る「やるべきこと」”. デイリー新潮. 2025年3月16日閲覧。
  10. ^ 2012年度香港電影評論學會大獎得獎名單公佈”. 香港電影評論学会HP (2013年1月14日). 2025年3月16日閲覧。
  11. ^ 香港之光!古天樂劉俊謙率《九龍城寨》殺進坎城 全場起立鼓掌10分鐘”. 自由娯楽 (2024年5月17日). 2025年3月16日閲覧。
  12. ^ 映画ナタリー編集部 (2025年3月21日). “フィリップ・ンの印象に残る王九のセリフとは?お薦め香港映画も明かす”. 映画ナタリー. 2025年3月23日閲覧。

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