ソイ・チェン
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ソイ・チェン 鄭保瑞 |
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鄭保瑞,2023年
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生年月日 | 1972年7月11日(52歳) |
出生地 | ![]() |
出身地 | ![]() |
国籍 | ![]() ![]() |
職業 | 映画監督、プロデューサー、脚本家 |
主な作品 | |
『アクシデント 』 『モンキー・マジック 孫悟空誕生』 『西遊記 孫悟空 vs 白骨夫人』 『西遊記 女人国の戦い』 『ドラゴン×マッハ!』 『リンボ 』 『マッド・フェイト』 『トワイライト・ウォリアーズ 決戦! 九龍城砦』 |
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ソイ・チェン | |
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各種表記 | |
繁体字: | 鄭保瑞 |
簡体字: | 郑保瑞 |
拼音: | Zeng6 Bou2-seoi6 チェン ポウソイ(粤拼) Zhèng Bǎo-ruì チェン バオルイ(拼音) |
英語名: | Soi Cheang |
ソイ・チェン (Soi Cheang、鄭 保瑞、Cheang Pou-soi、チェン・ボウソイ、1972年7月11日 - )は香港の映画監督、プロデューサー、脚本家。アクション作品やスリラー作品で高い評価を得ている。
主な作品に、『アクシデント 』、『モーターウェイ』、中国大陸で10億元以上の興行収入を記録した「西遊記」シリーズ3作品(『モンキー・マジック 孫悟空誕生』、『西遊記 孫悟空 vs 白骨夫人』、『西遊記 女人国の戦い』)、『ドラゴン×マッハ!』、フランスで好成績を収めた『リンボ 』、香港電影金像奨の最優秀監督賞を受賞した『マッド・フェイト』[1]、カンヌ国際映画祭のミッドナイトスクリーニング部門に選出された『トワイライト・ウォリアーズ 決戦! 九龍城砦』がある[2] 。
来歴
ソイ・チェンは1972年にマカオで生まれ、11歳で香港へ移住し[3]旺角(モンコック)地区で育った[4]。
19歳で香港電台の番組『家在香港』で場務(制作スタッフ)を務め、その後、映画業界でも場務を務めた後[3]、1992年、映画『她來自胡志明市』で初めて副監督(副導演)を務め[5]、1995年にはリンゴ・ラム(林嶺東)の監督作、『復讐のプレリュード』(原題:大冒険家)で副監督を務めた[6]。
その後、ウォン・ジン(王晶)の映画会社に入り、半年のうちに5部の映画の副監督を務めた。この5部の中には、アンドリュー・ラウ(劉偉強)監督、イーキン・チェン(鄭伊健)主演の『古惑仔』シリーズの1作目『欲望の街・古惑仔I / 銅鑼湾(コーズウェイベイ)の疾風』および2作目『新・欲望の町 古惑仔疾風、再び』も含まれている[5]。ウォン・ジンの映画会社を退職後、1997年に香港無線電視(VTB)に入社するが、ウィルソン・イップ(葉偉信)監督の『誤人子弟』(1997)の撮影が始まると、退職してこの映画の制作に加わった[5]。
1999年には、初の監督作品『第100日』を撮影した。この映画は、テレビ映画専門の撮影スタジオである中大電影創作室で、88,000香港ドルの資金と5日間の撮影で製作された実験的な作品であった[7][8]。中大電影創作室では、その後、『水着青春救生』、『摩登姑婆屋』、『發光石頭』を撮影した。この時、『發光石頭』の脚本を担当したのは歐健兒で、彼女は後に『トワイライト・ウォリアーズ 決戦! 九龍城砦』(2024)の脚本も担当している[5]。
2001年に初の商業映画『ノイズ 』(原題:恐怖熱線之大頭怪嬰)を監督し、その後も、『カルマ2』(原題:熱血青年)、『古宅心慌慌』など多数のホラー映画を監督した[5]。
2008年には、ジョニー・トーらが率いる映画制作会社、銀河映像(香港)有限会社に参加[9]。2012年には、カーアクション映画『モーターウェイ』(原題:車手)で第19回香港電影評論学会大奨の最優秀作品賞、最優秀監督賞を受賞[10]。2014年には中国大陸の映画界に進出し、「西遊記」シリーズ3部作をヒットさせた[9]。近年は拠点を香港に戻し、フランスでも高評価を受けた『リンボ 』[9]、香港電影金像奨の最優秀監督賞を受賞した『マッドフェイト』[1]を監督。さらに『トワイライト・ウォリアーズ 決戦! 九龍城砦』はカンヌ国際映画祭のミッドナイト・スクリーニング部門で上映され[11]、香港映画の歴代観客動員数1位に輝いた[12]。
映画
監督作品
- 1999 第100日
- 1999 水着青春救生
- 1999 摩登姑婆屋
- 2000 發光石頭
- 2001 ノイズ 恐怖熱線之大頭怪嬰
- 2002 カルマ2 熱血青年
- 2003 古宅心慌慌
- 2004 愛·作戰
- 2004 追擊8月15
- 2005 怪物
- 2006 ドッグ・バイト・ドッグ 狗咬狗
- 2007 軍鶏 Shamo 軍雞
- 2009 アクシデント 意外
- 2012 モーターウェイ 車手
- 2014 モンキー・マジック 孫悟空誕生 西遊記之大鬧天宮
- 2015 ドラゴン×マッハ! 殺破狼II
- 2016 西遊記 孫悟空 vs 白骨夫人 西遊記之孫悟空三打白骨精
- 2018 西遊記 女人国の戦い 西遊記·女兒國
- 2021 リンボ 智齒
- 2023 マッド・フェイト 命案
- 2024 トワイライト・ウォリアーズ 決戦! 九龍城砦 九龍城寨之圍城
プロデュース作品
- 2015 衝鋒車(監督:劉浩良)
- 2017 狂獣 欲望の海域 狂獸(監督:李子俊)
- 2019 ファストフード店の住人たち 麥路人(監督:黃慶勳)
- 2020 征途 -英雄へのバトルロード- 征途(監督 テディ・チャン(陳德森))
- 2023 斷網 (監督:黃慶勳)
- 2023 第八個嫌疑人(監督:李子俊。謝国豪と共同プロデュース)
テレビドラマ
プロデュース
- 2020 獵夢特工
主な受賞歴
年 | 賞 | 部門 | 作品 | 結果 |
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2003 | 第22回香港電影金像奨 | 傑出青年監督 | 『カルマ2』 熱血青年 |
ノミネート |
2005 | 第5回華語電影傳媒大獎(中国語映画メディア大賞) | 最優秀監督 | 愛·作戰 | ノミネート |
2012 | 第19回香港電影評論学会大奨 | 最優秀監督 | 『モーターウェイ』 車手 |
受賞 |
2013 | 第32回香港電影金像奨 | 最優秀監督 | ノミネート | |
2015 | 第22回香港電影評論学会大奨 | 推薦電影 | ドラゴン×マッハ! 殺破狼II |
受賞 |
2020 | 第39回香港電影金像奨 | 最優秀作品 | ファストフード店の住人たち 麥路人 |
ノミネート |
2022 | 第28回香港電影評論学会大奨 | 最優秀監督 | 『リンボ』 智齒 |
ノミネート |
第40回香港電影金像奨 | 最優秀監督 | ノミネート | ||
第59回金馬奨 | 最優秀監督 | ノミネート | ||
2024 | 第30屆香港電影評論学会大奨 | 最優秀作品 | 第八個嫌疑人 | ノミネート |
推薦電影 | 受賞 | |||
最優秀監督 | マッド・フェイト 命案 |
ノミネート | ||
2023年度香港映画監督協会年度大賞 | 最優秀監督 | 受賞 | ||
第42回 香港電影金像奨 | 最優秀監督 | 受賞 | ||
第57回シッチェス・カタロニア国際映画祭 | 最優秀監督 | トワイライト・ウォリアーズ 決戦! 九龍城砦 九龍城寨之圍城 |
受賞 | |
2025 | 第31回香港電影評論学会大奨 | 最優秀監督 | ノミネート | |
2024年度香港映画監督協会年度大賞 | 最優秀監督 | 受賞 | ||
第43回香港電影金像奨 | 最優秀監督 | 受賞 |
出典
- ^ a b “第42屆香港電影金像獎提名及得獎名單” (2024年4月14日). 2025年3月23日閲覧。
- ^ “古天樂率《九龍城寨》四少坎城合體 全場鼓掌10分鐘「香港電影的驕傲 」”. 2024年6月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年3月23日閲覧。
- ^ a b “平衡時空│鄭保瑞 | men's uno HK” (中国語). men's uno 男士時尚雜誌. 2017年7月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年3月9日閲覧。
- ^ 阿果 (2024年4月28日). “專訪|《九龍城寨》鄭保瑞:說一個離不開留不低的香港故事”. Wave. 流行文化誌. 2025年3月18日閲覧。
- ^ a b c d e 郭靖言 (2024年5月24日). “【娛事者】鄭保瑞:由場記到導演 由胡志明市到九龍城寨”. Yahoo 娛樂圈. 2025年3月20日閲覧。
- ^ 香港電影評論学会 (2021年6月3日). “「林嶺東電影拍攝現場起風雲」座談會(嘉賓:鄭保瑞先生)”. 香港電影評論学会. 2025年3月18日閲覧。
- ^ “{導演達人}鄭保瑞 焦點影人無懼「翻舊帳」 掀開肚皮激勵電影後浪”. 明報 (2023年3月5日). 2025年3月20日閲覧。
- ^ “鄭保瑞專訪|8萬8拍出首部作品︰冇錢就用其他方法尋找自己味道”. 香港01 (2023年3月29日). 2025年3月20日閲覧。
- ^ a b c デイリー新潮編集部 (2025年1月25日). “低迷する香港映画は「今が一番大変」だが「希望も見える」 「九龍城砦」アクション映画で“時の人”となった監督が語る「やるべきこと」”. デイリー新潮. 2025年3月16日閲覧。
- ^ “2012年度香港電影評論學會大獎得獎名單公佈”. 香港電影評論学会HP (2013年1月14日). 2025年3月16日閲覧。
- ^ “香港之光!古天樂劉俊謙率《九龍城寨》殺進坎城 全場起立鼓掌10分鐘”. 自由娯楽 (2024年5月17日). 2025年3月16日閲覧。
- ^ 映画ナタリー編集部 (2025年3月21日). “フィリップ・ンの印象に残る王九のセリフとは?お薦め香港映画も明かす”. 映画ナタリー. 2025年3月23日閲覧。
外部リンク
- ソイ・チェンのページへのリンク