セント・ローレンス_(戦列艦)とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > セント・ローレンス_(戦列艦)の意味・解説 

セント・ローレンス (戦列艦)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/07/17 04:01 UTC 版)


艦歴
起工: 1814年4月12日
進水: 1814年9月10日
退役: 1815年
その後: 1832年売却
性能諸元
全長: 58.3m(砲列甲板)
全幅: 16.0m
機関: 帆走(3本マスト、全横帆
乗員: 700名
兵装:

112門:
32ポンド(15 kg)砲60門
24ポンド(11 kg)砲40門
68ポンド(31 kg)カロネード6門
その他小口径砲


セント・ローレンス(HMS St Lawrence)はイギリス海軍1等戦列艦オンタリオ湖で建造され、米英戦争に参加した。セント・ローレンスは全艦歴を淡水域で過ごした非常に珍しい戦列艦である。

経歴

セント・ローレンスは1814年4月12日にキールが置かれ、1814年9月10日に進水した。イギリス海軍のジェイムズ・ルーカス・ヨー准将はキングストン海軍工廠においてセント・ローレンスを彼の旗艦とする。

当時セントローレンス川を通ってオンタリオ湖大西洋を行き来できるのは小型船舶だけだった。そのためオンタリオ湖に配備する軍艦はその場で調達する必要があり、キングストンまたはアメリカ造船所で建造するか既存の商船を流用していた。

オンタリオ湖の水運は西方での作戦の重要な補給路であったので、米英両軍は湖の支配権を巡って激しく争っていた。それまでスループフリゲートが主力だった湖に1等戦列艦セント・ローレンスが出現したため、戦争の最後の月の間イギリスの支配権は疑いようの無いものになる。しかしセント・ローレンスが実際に交戦する事は決して無かった。この艦の存在自体がアメリカ軍の出撃を抑制していたからである。

戦争終結後の1815年にセント・ローレンスは退役する。1832年1月までキングストンの醸造所の倉庫として利用されたがその後25ポンドで売却された。現在では水深10mほどの場所に沈んでおり、ダイビングスポットとして人気を博している。

統計

セント・ローレンスはジョン・デニスに率いられた200人の船大工たちにより10ヶ月で完成した。(しかし資料によって設計者はウィリアム・ベルとなっている)3層の砲列に112門の砲を備えており、これは9年前のトラファルガー海戦ネルソンの旗艦だったヴィクトリーより強力である。 排水量は2,305tで700名の乗員を運んだ。武装については32門の32ポンド砲を上段砲列に、24ポンド砲36門を中段に、32ポンド砲28門と24ポンド砲4門を下段に、加えて3層すべてに2門の68ポンドカロネードを搭載していた。[1]砲列甲板の大きさは58.3m×16mである。

参考文献

  1. ^ Lyon & Winfield. The Sail & Steam Navy List. p. p. 100. 
  • David Lyon & Rif Winfield (2004). The Sail & Steam Navy List: All the Ships of the Royal Navy 1815-1889. London. ISBN 1-86176-032-9. 
  • Rif Winfield (2005). British Warships in the Age of Sail 1793-1817: Design, Construction, Careers and Fates. London. ISBN 1-86176-246-1. 
  • David Lyon (1997). The Sailing Navy List: All the Ships of the Royal Navy, Built, Purchased and Captured, 1688-1860. London. ISBN 0-85177-864-X. 
  • Robert Malcomson (2001). Warships of the Great Lakes: 1754-1834. Annapolis. ISBN 1557509107. 
  • Robert Malcomson (1998). Lords of the Lake. Annapolis. ISBN 1557505322. 
  • Jonathan Moore (2006). Archaeological and Historical Investigations of Three War of 1812 Wrecks at Kingston, Ontario : HMS St. Lawrence, HMS Kingston and HMS Burlington : Report for Province of Ontario Licence to Conduct Archaeological Exploration or Fieldwork 1999-096 at Sites BbGd-6, BbGc-45 and BbGc-46. Ottawa. ISBN 0-9781712-0-9. 

外部リンク


「セント・ローレンス (戦列艦)」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「セント・ローレンス_(戦列艦)」の関連用語

セント・ローレンス_(戦列艦)のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



セント・ローレンス_(戦列艦)のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのセント・ローレンス (戦列艦) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS