シンツェルの定理
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/03 22:18 UTC 版)
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数の幾何学においてシンツェルの定理(シンツェルのていり、英: Schinzel's theorem)は、平面上の円と格子点に関する定理である。
アンジェイ・シンツェルによって証明され、その功績を称えて名づけられた[1][2]。
証明

シンツェルは次の方法によって円を構成し、定理を証明した。nが偶数つまり整数kを用いてn = 2kと表せるとき、次の方程式で表される円は、ちょうどnつの格子点を通る[1][2]。半径は5 k - 1/2/2で中心は( 1/2, 0)。例えば、k = 2としたとき、半径は √5/2で、格子点を4点のみ通る。
両辺に4をかけて式を変形すると、ここで5k - 1は奇数と偶数の2整数の平方和である。5k - 1を2つの整数の自乗の和として表す方法は、ちょうど2k通りあることが知られている。例えばk = 2ならば、51 = (± 1)2 + (± 2)2であるので、通る格子点は(± 1, ± 2)(複号任意)に対応する4点となる。
nが奇数、つまり整数kを用いてn = 2k + 1と表されるときは、次の方程式で表される円がただn個の格子点を通る[1][2]。半径は 5k/3で、中心は( 1/3, 0)。
性質
シンツェルの方法によって構成された円は、必ずしも条件を満たす最小の円であるとは限らない[3]。しかし、明白に方程式を示すことができるという点で有用である[2]。
出典
- ^ a b c Schinzel, André (1958), “Sur l'existence d'un cercle passant par un nombre donné de points aux coordonnées entières” (フランス語), L'Enseignement mathématique 4: 71–72, MR98059
- ^ a b c d Honsberger, Ross (1973), “Schinzel's theorem”, Mathematical Gems I, Dolciani Mathematical Expositions, 1, Mathematical Association of America, pp. 118–121
- ^ Weisstein, Eric W. "Schinzel Circle". mathworld.wolfram.com (英語).
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