ググルステロンとは? わかりやすく解説

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ググルステロン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/06 13:49 UTC 版)

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ググルステロン

E-Guggulsterone

Z-Guggulsterone
識別情報
CAS登録番号 95975-55-6 , 39025-24-6 (E) , 39025-23-5 (Z) 
PubChem 6439929 (E)
6450278 (Z)
ChemSpider 4944297 (E) 
4952892 (Z) 
UNII A4PW148END , 9B259YE66O (E) , 6CST3U34GN (Z) 
ChEMBL CHEMBL410683 
2745
特性
化学式 C21H28O2
モル質量 312.45 g mol−1
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

ググルステロン(Guggulsterone)は、英語名をググル(guggul)というCommiphora mukulの樹脂に見られるフィトステロイドである。E-型とZ-型の2つの立体異性体が存在する。ヒトでは、ファルネソイドX受容体のアンタゴニストとして働く。かつてはその結果として肝臓におけるコレステロール合成を減少させると考えられていたが、様々な量のググルステロンを服用してもコレステロール生産の総量は減少しないとの複数の研究結果が出され、逆に多くの被験者では低密度リポプロテイン(いわゆる「悪玉コレステロール」)の量が増えるという結果が出ている[1][2]。にもかかわらず、ググルステロンは、多くのサプリメントの材料に使われている[3][4][5][6]

ググルステロンはス広いスペクトルを持つステロイドホルモン受容体のリガンドであり、以下のような活性を持つことが知られている。

  • ミネラロコルチコイド受容体のアンタゴニスト(Ki = 39 nM)
  • プロゲステロン受容体の部分アゴニスト(Ki = 201 nM)
  • グルココルチコイド受容体のアンタゴニスト(Ki = 224 nM)
  • アンドロゲン受容体のアンタゴニスト(Ki = 240 nM)
  • エストロゲン受容体のアゴニスト(Ki > 5 μM; EC50 > 5 μM)
  • ファルネソイドX受容体のアンタゴニスト(IC50 = 5-50 μM)
  • プレグナンX受容体のアゴニスト(EC50 = 2.4 μM ((Z)-異性体))

動物実験によって、ググルステロンは経口でも活性を持つことが明らかとなった。ラットでの経口摂取後のバイオアベイラビリティは42.9%で、半減期は約10時間であり、薬物動態学的に優れた物質である[7]

出典

  1. ^ Szapary, PO; Wolfe, ML; Bloedon, LT; Cucchiara, AJ; Dermarderosian, AH; Cirigliano, MD; Rader, DJ (2003). “Guggulipid Ineffective for Lowering Cholesterol”. JAMA 290 (6): 765-772. doi:10.1001/jama.290.6.765. PMID 12915429. 
  2. ^ Sahni, S; Hepfinger, CA; Sauer, KA (2005). “Guggulipid Use in Hyperlipidemia”. Am J Health-Syst Pharm 62 (16): 1690-1692. doi:10.2146/ajhp040580. PMID 16085931. 
  3. ^ Burris, T. P. (2004). “The Hypolipidemic Natural Product Guggulsterone Is a Promiscuous Steroid Receptor Ligand”. Molecular Pharmacology 67 (3): 948-954. doi:10.1124/mol.104.007054. ISSN 0026-895X. PMID 15602004. 
  4. ^ Brobst, D. E. (2004). “Guggulsterone Activates Multiple Nuclear Receptors and Induces CYP3A Gene Expression through the Pregnane X Receptor”. Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics 310 (2): 528-535. doi:10.1124/jpet.103.064329. ISSN 0022-3565. PMID 15075359. 
  5. ^ Hugo Kubinyi; Gerhard Muller (6 March 2006). Chemogenomics in Drug Discovery: A Medicinal Chemistry Perspective. John Wiley & Sons. pp. 394-. ISBN 978-3-527-60402-9. https://books.google.com/books?id=oxvYXJSCImUC&pg=PA394 
  6. ^ Roger Blumenthal; JoAnne Foody; Nathan D. Wong (25 February 2011). Preventive Cardiology: A Companion to Braunwald's Heart Disease. Elsevier Health Sciences. pp. 1563-. ISBN 978-1-4377-3785-1. https://books.google.com/books?id=pca-q0IoukIC&pg=PT1563 
  7. ^ Verma, N.; Singh, S.K.; Gupta, R.C. (1999). “Pharmacokinetics of Guggulsterone after Intravenous and Oral Administration in Rats”. Pharmacy and Pharmacology Communications 5 (5): 349-354. doi:10.1211/146080899128734956. ISSN 1460-8081. 



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