黄承彦
コウショウゲン |
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豪族の蔡諷は姉を大尉張温に、末女を荊州牧劉表に嫁がせた有力者だったが、黄承彦は彼の長女を娶っている《襄陽記》。 人柄は高邁で爽やか、かつ朗らかで、沔南地方の名士だった。彼は諸葛亮にこう言った。「君は嫁探しをしているそうだね。身(わたし)に醜い女がおってね、白髪頭で色黒なんだが、才知はつれあいとして釣り合うと思うんだ」。諸葛亮が承諾すると、すぐさま女を車に載せて諸葛亮に送りつけた。当時の人々は笑いぐさにして、郷里ではことわざを作った。「孔明の嫁取りやっちゃあいけない、阿承(黄承彦)の醜女がやってくる」《諸葛亮伝・襄陽記》。 ちくま訳本などでは「黄頭」を赤茶けた髪と解釈するが、ここでは白髪頭を「黄髪」と呼ぶことを参考にした。「阿承」と呼ばれたことから「承彦」というのが彼の字であることがわかる。一般に実名を呼ぶことは忌まれるからである。 |
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