クリス・ボニントンとは? わかりやすく解説

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クリス・ボニントン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/11 06:49 UTC 版)

Chris Bonington

クリス・ボニントン
生誕 (1934-08-06) 1934年8月6日(90歳)
ロンドン
国籍 イギリス
出身校 サンドハースト王立陸軍士官学校
職業 登山家
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サー・クリスチャン・ジョン・ストーリー・ボニントン(Sir Christian John Storey Bonington、1934年8月6日 - )は、イギリス登山家

生涯でヒマラヤに19回遠征。遠征隊長として、イギリス隊のエベレスト南西壁初登攀、アンナプルナ南壁初登攀を成功に導いた。

経歴

ボニントンは16歳でクライミングを始めた[1]。ロンドンのユニバーシティ・カレッジとサンドハースト王立陸軍士官学校で学び、1956年に英国戦車連隊に配属された。北ドイツで3年間過ごしたあと、陸軍野外学校で登山指導員として2年間過ごした。 その間、1958年にプティ・ドリュ英語版南西岩稜のイギリス人初登攀、1961年にモンブラン・フレネイ中央岩稜の初登攀に成功した。1960年にはイギリス・インド・ネパール陸軍合同隊遠征に参加し、アンナプルナ2峰(7937m)の初登頂に成功した。1961年に陸軍を除隊しユニリーバに就職、マーガリン部門で働いたが9ヶ月で辞職し、プロの登山家・探検家・ジャーナリストとなった。

1970年からは自ら遠征隊を組織する。同年、アンナプルナ1峰南壁をめざす遠征隊を編成し、隊員2人が南壁の初登頂に成功。当時ヒマラヤの大岩壁はまだ登られておらず、高所クライミングにおける最先端の登攀だった[2]。これによりヒマラヤ「壁の時代」の幕が切って落とされる[3]

2年後にはエベレスト南西壁遠征隊を組織するが敗退。しかし1975年に再度、遠征隊を編成し、エベレスト南西壁の初登攀を成功させる。

受賞歴

ボニントンは1974年に、諸々の登山の功績に対して、王立地理学会から金メダルを贈られた[4]

ボニントンは1976年に、エベレスト南西壁初登頂を導いた功績を認められ大英帝国勲章(CBE)を受賞した[5]。1996年には彼のスポーツへの貢献のためナイト(Knight Bachelor)に叙された。2010年にはアウトワード・バウンド協会への貢献を称えられてロイヤル・ヴィクトリア勲章(CVO)を授与された[6]

主な登攀歴

  • 1960 アンナプルナ2峰 初登頂 (リチャード・グラント、アン・ニマと)
  • 1961 ヌプツェ初登頂 (第二次隊)
  • 1961 モンブラン、フレネイ中央岩稜初登攀 (イアン・クラフ、ドン・ウィランス、Jan Długoszと)
  • 1962 アイガー北壁 イギリス人初登頂 (イアン・クラフと)
  • 1963 パタゴニア、パイネ中央タワー英語版初登頂 (ドン・ウィランスと)[7]
  • 1965 イギリス、チェダー・ゴージ英語版 Coronation Street 初登攀
  • 1966 オールド・マン・オブ・ホイ初登頂 (トム・パテイと)
  • 1973 ブラマー英語版(6411m)初登頂 (ニック・エスコートと)
  • 1974 チャンガバン(6411m)初登頂 (ドン・ウィランス、ダグ・スコット、ドゥーガル・ハストンと)
  • 1977 バインター・ブラック(7285m)初登頂 (ダグ・スコットと)
  • 1981 コングール山(7719m)初登頂
  • 1983 シブリン西峰(6501m)初登頂
  • 1983 ビンソン・マシフ イギリス人初登頂
  • 1985 エベレスト登頂(南東稜)

遠征隊長

  • 1970 アンナプルナ1峰南壁 (ドゥーガル・ハストンとドン・ウィランスが南壁初登頂、イアン・クラフが死亡)
  • 1972 エベレスト南西壁敗退
  • 1975 エベレスト、5人が南西壁初登頂 (ダグ・スコット、ドゥーガル・ハストン、第二次登頂隊ピーター・ボードマン、パルテンバ・シェルパ、ミック・バーク)、バークが死亡
  • 1978 K2西壁敗退、ニック・エスコートが死亡
  • 1982 エベレスト 初の北東稜完登に挑むが敗退、ピーター・ボードマンとジョー・タスカーが死亡

ボニントンは隊長として参加したこれらの遠征では、頂上には達していない。

脚注

  1. ^ "Chris Bonington Biography" Bonington.com. Retrieved 2013-02-23.
  2. ^ ビヨンド・リスク p.206
  3. ^ 『孤独の山』(山と渓谷社,1998年)p140
  4. ^ Medals and Awards, Gold Medal Recipients” (PDF). Royal Geographical Society. 2016年11月30日閲覧。
  5. ^ Willis, Clint (2006). The Boys of Everest: Chris Bonington and the Tragic Story of Climbing's Greatest Generation. London: Robson Books, p 335. ISBN 1-86105-980-9
  6. ^ "No. 59446". The London Gazette (Supplement) (英語). 12 June 2010. p. 3.
  7. ^ The First Ascent | Alpinist

参考書籍

先代
オギルヴィ令夫人アレクサンドラ王女
ランカスター大学総長
第2代:2005年 - 2014年
次代
アラン・ミルバーン英語版



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