ギルガメシュとは? わかりやすく解説

ギルガメシュ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/15 01:58 UTC 版)

ギルガメシュアッカド語: 𒄑𒂆𒈦 - Gilgameš)またはビルガメシュシュメール語: Bilgameš)は、古代メソポタミアシュメール初期王朝時代の伝説的な紀元前2600年頃?)。シュメール王名表によれば、ウルク第1王朝第5代の王として126年間在位した[1]。シュメール語の古形では「ビルガメス」と呼ばれ、後にビルガメシュに改められるとアッカド語名「ギルガメシュ」という名が成立した[2]。いずれの場合も「祖先の英雄」を意味する[3]


注釈

  1. ^ ギルガメシュを表しているかどうかについては疑問視されている。南條(1996) p.125
  2. ^ クラバはウルクにある聖域一帯の名前。「エン」とは、君主と訳した上で「主・主人」を意味する立場、主に王(ルガル)とはまた少し異なる支配者として、俗世の統治というより神事に関わる都市の守護神、大いなる神々に仕える大神官を指す。 岡田・小林(2008)pp.199-200,p.252
  3. ^ エンキドゥを作った女神アルルと同一視されることがあるが、アルルの別名とされるニンフルサグとは基本的に別人扱いされる。
  4. ^ 城壁の面積は約600ヘクタールであったと言われている(単純換算にして、およそ東京ドーム127個強・東京ディズニーランドのテーマパークエリア12個分に該当)。 前田(2011)p.17
  5. ^ シュメール王名表によればエンメルカルは人間(神の子ではない)とされるも、神話ではシャマシュの御子となっていることや、ルガルバンダとエンメルカルが実の親子関係であったかどうかについて疑問視されているため。
  6. ^ マトゥル:「小さなイチジク」の意。 岡田・小林(2008)p.238
  7. ^ ウルクの「宝物庫」と言われる遺跡から発見された、脚付きの大容器。92cmの高さがある胴部に帯状に掘られた図柄は、当時の宗教儀礼の様子を探る重要な手掛かりとなっている。岡田・小林(2000)pp.42-43
  8. ^ ただし、ファラオ(神王)のように偉大なる神々に並ぶことはなく、神官王の神格化はあくまで下位の神(個人神)のような立場であった。 岡田・小林(2000)pp.76-77
  9. ^ シュルギはイシュタルとドゥムジに象徴される「聖婚儀礼」に基づくことで神格化を果たした。 岡田・小林(2000)p.82
  10. ^ 全悪:呪術文書などにおける悪霊の呼称。それがフンババに対しても適用された。 月本(1996)p.36
  11. ^ 「最も杉を称賛し、そして最も破壊した人物」にはイスラエルの王ソロモンが挙げられる。 金子(1990)p.44
  12. ^ 「あなたは解けた氷、埃や風を遮れない壊れた扉、英雄をつぶす宮殿、蓋のない壺の口縁部、担ぐ者を汚すアスファルト、担ぐ者を濡らす皮袋、石の城壁を壊す石灰石、敵国でなくて自国の城壁を崩す城壁くずし、主人の足を噛む履物だ。」と言って断る。月本昭男

出典

  1. ^ 岡田・小林(2000)p.88
  2. ^ 松村(2013)p.191
  3. ^ 小林(2005)p.231
  4. ^ 松村(2015)p.237 「ベレト・イリ」の項。
  5. ^ 月本(1996)p.240
  6. ^ 矢島(1998)p.59
  7. ^ 岡田・小林(2008)p.241
  8. ^ 矢島(1998)p.195
  9. ^ 前田(2011)p.31,小林・岡田(2008)p.250
  10. ^ 大英博物館古代オリエント事典 2004 p. 82-83, 「ウルク」の項目より
  11. ^ a b 岡田・小林(2008)p.199
  12. ^ 月本(1996)pp.194,197 / 岡田・小林(2008)p.248
  13. ^ 矢島(2007)pp.42-43
  14. ^ 矢島(1982)p.91
  15. ^ 矢島(1982)
  16. ^ 前田(2011)p.10
  17. ^ 松本(2000)p.225
  18. ^ 前田(2011)p.94
  19. ^ 岡田・小林(2008)pp.26-46
  20. ^ 前田(2003)pp.90-91
  21. ^ 松本(2000)p.226
  22. ^ 前田(2003)pp.11,51
  23. ^ 松本(2000)p.100
  24. ^ 岡田・小林(2008)p.257
  25. ^ 前田(2003)pp.51-56、p.99
  26. ^ 矢島(1982)p.191
  27. ^ 岡田・小林(2008)
  28. ^ 矢島(2007)pp.52-53
  29. ^ Ackerman, Susan. When Heroes Love (2005). Columbia University Press. ISBN 9780231507257. https://books.google.com/books?isbn=0231507259 
  30. ^ 月本(1996)
  31. ^ 岡田・小林(2008)pp.235-237
  32. ^ Hay, Noelle. "Evolution of a sidekick," SFFWorld.com (2002).
  33. ^ 月本(1996)pp.37-40
  34. ^ 渡辺和子「『ギルガメシュ叙事詩』の新文書―フンババの森と人間」 2016年3月(『死生学年報2016』リトン)
  35. ^ 矢島(1998)p.189
  36. ^ 金子(1990)pp.5-6、pp.36-42
  37. ^ a b 矢島(1998)
  38. ^ a b 岡田・小林(2008)p.249
  39. ^ a b 月本(1996)pp.370-374
  40. ^ 岡田・小林(2008)pp.260-261
  41. ^ 岡田・小林(2008)p.242
  42. ^ a b c d 岡田・小林(2008)pp.256-259
  43. ^ 月本(1996)p.299
  44. ^ 月本昭男インタビュー」2019年7月
  45. ^ Michael Ledo,William Burton,The secret astrology of the Bible(2011)p.299
  46. ^ 岡田・小林(2008)pp.226,256
  47. ^ 小林(2005)pp.10-13、p.231
  48. ^ 前田(2011)p.122






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