キャサリン・マーティン (政治家)とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > キャサリン・マーティン (政治家)の意味・解説 

キャサリン・マーティン (政治家)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/02/26 04:31 UTC 版)

キャサリン・マーティン
Catherine Martin
肖像写真
(2020年撮影)
生年月日 (1972-12-07) 1972年12月7日(50歳)
出生地 アイルランド
キャバン県キャバン
出身校 メイヌース大学
前職 教師
現職
  • メディア・観光・芸術・ 文化・スポーツ・アイルランド語地域大臣英語版
  • 国会議員(TD)
  • 緑の党副党首
所属政党 緑の党
配偶者 フランシス・ノエル・ダフィー
親族 フランシス・ノエル・ダフィー
公式サイト 公式サイト

アイルランド
第35代 メディア・観光・芸術・ 文化・スポーツ・アイルランド語地域大臣英語版
内閣 第32次内閣
在任期間 2020年6月27日 - 現職
大統領 マイケル・D・ヒギンズ

アイルランド
初代 緑の党副党首
在任期間 2011年6月11日 - 現職

アイルランド
国会議員(TD)
選挙区 ダブリン・ラスダウン
在任期間 2016年2月 - 現職
テンプレートを表示

キャサリン・マーティン: Catherine Martin, 1972年12月7日 - )は、アイルランド政治家緑の党所属の国会議員(ダブリン・ラスダウン[注 1])、緑の党副党首(初代)、メディア・観光・芸術・ 文化・スポーツ・アイルランド語地域大臣英語版(第35代)[1][2]

2020年の党首選挙でエイモン・ライアン英語版の対抗候補となる[3]

経歴

政界入りまで

キャバン県キャバン生まれ、モナハン県カリクマクロス英語版育ちであり、メイヌース大学卒業後は英語と音楽の教師として働く。教職は15年、ダブリン県ダンドラムのコミュニティ・スクールで緑の学校委員長職を務め、国民議会下院(ドイル・エアラン)に選出される[4]。夫のフランシス・ノエル・ダフィーも同じ緑の党の議員であり、3人の子どもが生まれた[5][6]。同じカリクマクロス育ちのふたりが初めて出会ったきっかけは1999年の地方選挙で、マーティンの兄ビンセント・P・マーティン(1968年生まれ)、ダフィーの父がそれぞれ立候補した[7]。兄は緑の党の党員でいったん議員を辞職後、キルデア議会議員を経て2020年6月の総選挙で緑の党から指名され、国民議会上院(シャナズ・エアラン)に議席を得る[8]

政界入り

2007年緑の党に入り、2009年に議員だった兄が政界引退を表明するとモナハン県議会の議席を継承する[注 2][9]。実母を亡くした年に引退、議席は同じ緑の党のダーシー・ロナーガン議員が継いだ[10]イーモン・ライアン英語版が党首に選ばれた2011年、マーティンは緑の党の副党首の座につく。ダブリン県ダン・レアリー=ラスダウン市議会議員(2014年[5]を経て2016年に2016年アイルランド総選挙英語版で4,122票を得ると、国民議会下院(ドイル・エアラン)に当選した[11]

緑の党でマーティン議員は教育行政の広報官を担当[4]、創設を主導した「アイルランド女性議員協議会」の初代議長に2017年11月に選出された[12]

2020年春にアイルランド政府新型コロナウイルスの感染拡大に対処するため、全小学校を自宅学習に切り替えた。6年生の児童は例年であれば6月の卒業を控え記念の遠足やスポーツ大会、コンサートなどに参加するはずが中止され、また卒業式も開催できない見通しとなる。マーティン議員は5月、教育行政の広報官として中学進学でクラスメートとばらばらになる児童たちに言及し、長い場合は就学前から8年続いた友だち関係が卒業により変わること、人生の「通過儀礼」として友だちとの別れをきちんと体験する大切さを訴える[13]。6月に入るとマイケル・D・ヒギンズ大統領は小学6年生の児童に向けた声明を発表[14]、3月12日の夜から全国で学校閉鎖が続き、学校生活が混乱したことや記念行事がなくなって失望したであろう6年生の気持ちや、身の回りの人の健康への気づかいや死別の悲嘆を認めた。それでもねばり強く勉学を続けた努力に感謝すると、小学校から巣立つ児童の未来に願いをかけていると語った[18]

党首選挙

緑の党の党首選挙を控えた2020年5月、複数の同僚議員から候補の指名を受けたマーティンは立候補を「真剣に検討する」と述べた[19]。6月6日、現職のイーモン・ライアン党首の対立候補として立候補する意思が確認され[20]、公認候補資格を満たす推薦人規定の4倍、200人から支持を獲得する。党内では統一アイランド党共和党との連立政権をめぐり、マーティン候補は連立不賛成を表明すると期待されていた。現職のライアン党首は連立賛成の穏健な「旧守派」であり、それとは対照的に、若年層の党員はより改革的で連立不賛成であり、マーティンはその思いに沿うと見なされていた[21]

それにもかかわらず、マーティンは緑の党の中心的な渉外担当として統一アイルランド党と共和党との協議にのぞむと連立の合意にこぎつけ、連立政権樹立の承認と支持を表明した[22]。このとき、夫のダフィー議員はこの取引に関する投票を棄権し、後にこの交渉に反対するように発言したことが記されている[23]。マーティンはそれについて、党内の合意形成のメリットを優先した「健全な議論の一部」と示唆した。

入閣するとメディア・観光・芸術・ 文化・スポーツ・アイルランド語地域大臣英語版に任命された。担当部署は組織改変により既存の2部署を統合して誕生したため、ふたつの旧省庁からジョセファ・マディガンとシェーン・ロス両者の職掌を継承する[注 3][24]

2020年7月、党員は郵便投票でライアンに946票(48.76%)を投じ、現職の得票数994票(51.24%)に48票差(2.47%)で敗れると副党首職を続ける[注 4]

関連項目

脚注

[脚注の使い方]

注釈

  1. ^ ダブリン・ラスダウン選挙区とは、アイルランド国民議会の下院ドイル・エアランに代議士を送る選挙区。
  2. ^ アイルランドの制度では、同族で議席を継承する。
  3. ^ ジョセファ・マディガンは文化・伝統・アイルランド語地域大臣(現観光・文化・芸術・アイルランド語地域・スポーツ・メディア大臣)を、シェーン・ロスは交通・観光・スポーツ大臣(現交通大臣)を担当した。
  4. ^ 有権者の票は合計2,923票、1,950票を回収し投票率は66.7%、無効票は10票(0.5%)であった[3]

出典

  1. ^ President appoints members of Government. 27 June 2020. President of Ireland. Photograph.
  2. ^ Catherine Martin”. Oireachtas Members Database. 2019年6月30日閲覧。
  3. ^ a b Hurley, Sandra (2020年7月23日). “Eamon Ryan wins Green Party leadership contest”. RTÉ News. https://www.rte.ie/news/2020/0723/1155012-green-party-leadership/ 2020年7月23日閲覧。 
  4. ^ a b Catherine Martin”. Green Party (2016年10月22日). 2019年6月30日閲覧。
  5. ^ a b About Catherine”. Catherinemartin.ie (2016年10月22日). 2019年6月30日閲覧。
  6. ^ Francis Noel Duffy”. Green Party. 2019年6月30日閲覧。
  7. ^ O'Connor, Allison (2020年1月20日). “Green Party keeping it in the family”. アイリッシュ・エグザミナー英語版. https://www.irishexaminer.com/breakingnews/views/analysis/alison-oconnor-on-election-2020-green-party-keeping-it-in-the-family-976439.html 2020年6月28日閲覧。 
  8. ^ Kelly, Fiach (2020年6月27日). “Nine of the 11 Taoiseach’s appointees to the Seanad are women”. アイリッシュ・タイムズ. https://www.irishtimes.com/news/ireland/irish-news/nine-of-the-11-taoiseach-s-appointees-to-the-seanad-are-women-1.4290681 2020年6月28日閲覧。 
  9. ^ “GREEN BLUESHIRT ALLIANCE”. フェニックス英語版. (2020年2月13日). https://www.thephoenix.ie/article/green-blueshirt-alliance/ 2020年6月28日閲覧。 
  10. ^ “Young Bloods – Catherine Martin”. The Phoenix. (2016年5月5日). https://www.thephoenix.ie/article/young-bloods-catherine-martin/ 2020年6月28日閲覧。 
  11. ^ Catherine Martin”. ElectionsIreland.org. 2019年6月30日閲覧。
  12. ^ Catherine Martin elected”. Green Party (2017年11月8日). 2019年3月4日閲覧。
  13. ^ Sixth class children must be given opportunity to say goodbye to their school communities - Green Party” (英語). 2021年1月4日閲覧。
  14. ^ 03 June 2020 - Message to Sixth Class Students from President Michael D. Higgins” (英語). Department of Education and Skills. 2021年1月4日閲覧。
  15. ^ Michael D. Higgins Uachtarán na hÉireann President of Ireland (May 2020) (英語) (pdf). [https://www.education.ie/en/Press-Events/Speeches/2020-speeches/message-to-sixth-class-students-from-president-michael-d-higgins.pdf MESSAGE TO SIXTH CLASS STUDENTS FROM PRESIDENT MICHAEL D. HIGGINS]. アイルランド政府. https://www.education.ie/en/Press-Events/Speeches/2020-speeches/message-to-sixth-class-students-from-president-michael-d-higgins.pdf 
  16. ^ (英語) Message to sixth class students from President Michael D. Higgins. https://soundcloud.com/presidentirl/message-to-sixth-class-students-from-president-michael-d-higgins 2021年1月4日閲覧。 
  17. ^ Message to sixth class students from President Michael D. Higgins” (英語). www.youtube.com. 2021年1月4日閲覧。
  18. ^ ヒギンズ・アイルランド大統領は小学6年生の児童に向けた声明を文書[15]、音声[16]、動画[17]で発表した。
  19. ^ Newstalk. “Catherine Martin to give 'serious consideration' to contesting Green Party leadership”. Newstalk. 2020年6月4日閲覧。
  20. ^ Regan, Mary (2020年6月6日). “Catherine Martin confirms she will contest Green Party leadership”. Raidió Teilifís Éireann(rte.ie). https://www.rte.ie/news/2020/0606/1145890-green-party-leadership/ 2020年6月28日閲覧。 
  21. ^ Leahy, Pat (2020年6月26日). “Pat Leahy: Spectacular vindication for Eamon Ryan who coaxed and beseeched party over the line”. Irish Times. https://www.irishtimes.com/news/politics/pat-leahy-spectacular-vindication-for-eamon-ryan-who-coaxed-and-beseeched-party-over-the-line-1.4289787 2020年6月28日閲覧。 
  22. ^ “Catherine Martin backs deal but her husband abstains on vote”. アイリッシュ・インデペンデント英語版. (2020年6月15日). https://www.independent.ie/irish-news/politics/catherine-martin-backs-deal-but-her-husband-abstains-on-vote-39288892.html 
  23. ^ Murray, Sean (2020年6月19日). “'That's the Green way': Catherine Martin says party will accept if members vote against government deal”. Journal Media. https://www.thejournal.ie/catherine-martin-greens-5127364-Jun2020/ 2020年6月28日閲覧。 
  24. ^ O'Halloran, Marie (2020年6月27日). “Who is in the new Cabinet? Members in profile”. Irish News. 27 June 2020. https://www.irishtimes.com/news/ireland/irish-news/who-is-in-the-new-cabinet-members-in-profile-1.4290698 

外部リンク

公職
先代
シェーン・ロス
交通・観光・スポーツ大臣として
メディア・観光・芸術・ 文化・スポーツ・アイルランド語地域大臣
2020年 -
現職
先代
ジョセファ・マディガン
文化・伝統・アイルランド語地域大臣として



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  
  •  キャサリン・マーティン (政治家)のページへのリンク

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「キャサリン・マーティン (政治家)」の関連用語

キャサリン・マーティン (政治家)のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



キャサリン・マーティン (政治家)のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのキャサリン・マーティン (政治家) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS