オストロミールとは? わかりやすく解説

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オストロミール

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/26 16:44 UTC 版)

『オストロミール福音書』
教会スラヴ語による「ヨハネによる福音書」の冒頭部分。

オストロミールロシア語: Остромир、? - 1056年もしくは1057年以降)はキエフ・ルーシ期の軍司令官、政治家である。1054年から1057年にかけてはノヴゴロドポサードニクの地位にあった。

オストロミールはドブルィニャ (ru:Добрыняキエフ大公ウラジーミル1世の母・マルシャ (ru:Малушаの兄弟)の孫、コンスタンチン (ru:Константин Добрыничの子であり、ヴィシャタの父である[1]。また、主君であったキエフ大公イジャスラフ1世と縁戚関係にあり(イジャスラフ1世はマルシャの曾孫にあたる)、ノヴゴロドの地 (ru:Новгородская земляのようなキエフ大公国領の広範囲を管轄する、事実上のイジャスラフの共同統治者であった。

『ソフィヤ第一年代期 (ru:Софийская первая летопись[注 1]には、1054年より、イジャスラフ1世に派遣されたノヴゴロドのポサードニクとして言及されており、また1056年チュヂ族との戦いで戦死したことが記されている。ただしニコライ・カラムジンは、オストロミールの依頼によって編纂された『オストロミール福音 (ru:Остромирово Евангелие[2]』の後書きに注目し、1057年にはまだオストロミールは生存していたとみなしている。

なお、オストロミールの妻のフェオファラは、ヤロスラフ1世(イジャスラフ1世の父)の世帯の出身者であったとする仮説があるが[3]、史料が乏しく、いくつかの仮説の上に立つ説である。また、フェオファラをウラジーミル1世とその妻の1人・アンナとの間の娘とする説もある[3]

脚注

注釈

  1. ^ 「ソフィヤ第一年代期」は ロシア語: Софийская первая летопись の直訳による。

出典

  1. ^ (ロシア語) «О родстве святого Владимира по матери», в «Записках Императорской Академии Наук». 5. (1864). https://books.google.co.jp/books?id=JuUAAAAAYAAJ&pg=PA19&dq=%D0%BC%D0%B0%D0%BB%D1%83%D1%88%D0%B0&hl=ru&ei=P6BETNnqG9zU4wbsueCuDg&sa=X&oi=book_result&ct=result&redir_esc=y#v=onepage&q=%D0%BC%D0%B0%D0%BB%D1%83%D1%88%D0%B0&f=false 
  2. ^ 中沢敦夫『ロシア古文鑑賞ハンドブック』群像社、2011年11月、37頁。ISBN 978-4-903619-30-9https://www.academia.edu/24606352/%E4%B8%AD%E6%B2%A2%E6%95%A6%E5%A4%AB_%E3%83%AD%E3%82%B7%E3%82%A2%E5%8F%A4%E6%96%87%E9%91%91%E8%B3%9E%E3%83%8F%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%96%E3%83%83%E3%82%AF_%D0%9A%D0%B0%D0%BA_%D1%87%D0%B8%D1%82%D0%B0%D1%82%D1%8C_%D0%B4%D1%80%D0%B5%D0%B2%D0%BD%D0%B5%D1%80%D1%83%D1%81%D1%81%D0%BA%D0%B8%D0%B5_%D0%BF%D0%B8%D1%81%D1%8C%D0%BC%D0%B5%D0%BD%D0%BD%D1%8B%D0%B5_%D0%BF%D0%B0%D0%BC%D1%8F%D1%82%D0%BD%D0%B8%D0%BA%D0%B8_%E7%BE%A4%E5%83%8F%E7%A4%BE_2011%E5%B9%B4_ 
  3. ^ a b А. Поппэ (Польша). Феофана Новгородская” (ロシア語). annales.info. 2014年12月29日閲覧。

参考文献

  • Рыбаков Б. А. Древняя Русь. Сказания. Былины. Летописи, Москва 1963.



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