エマグラムの利用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/04 21:28 UTC 版)
ある地点のある高度にある空気を強制的に上昇させることを考える。するとエマグラム上ではこの空気の気温は乾燥断熱線に沿って移動する。一方、露点は等混合比線に沿って移動する。乾燥断熱線の傾きの方が等混合比線の傾きより大きいので、ある気圧で気温と露点が一致する。すなわち空気が水蒸気で飽和して雲が発生する。この点は持ち上げ凝結高度(もちあげぎょうけつこうど、英: Lifting Condensation Level、LCL)と呼ばれ、観測される雲底の高度とほぼ一致する。さらに空気を強制的に上昇させると、水蒸気で飽和しているためこの空気の気温は湿潤断熱線に沿って移動する。 もし強制的に上昇させている空気の気温がある高度で実際に観測されている気温より高くなる場合、その空気は周囲の空気よりも軽くなり強制的に上昇させなくても自力で上昇できるようになる。この点は自由対流高度(じゆうたいりゅうこうど、英: Level of Free Convection、LFC)と呼ばれる。自由対流高度が存在する場合、積乱雲のような対流雲が発達する。
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