イン・ロンドン_(カエターノ・ヴェローゾのアルバム)とは? わかりやすく解説

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イン・ロンドン (カエターノ・ヴェローゾのアルバム)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/10/01 20:30 UTC 版)

イン・ロンドン
カエターノ・ヴェローゾスタジオ・アルバム
リリース
録音 ロンドン Chappell's Studios[1]
ジャンル MPBトロピカリア
時間
レーベル フィリップス・レコード
プロデュース ルー・レイズナー、ラルフ・メイス
専門評論家によるレビュー
カエターノ・ヴェローゾ 年表
ホワイト・アルバム
(1969年)
イン・ロンドン
(1971年)
バーハ69
(1972年)
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イン・ロンドン』(原題:Caetano Veloso)は、ブラジル人ミュージシャン、カエターノ・ヴェローゾ1971年に発表した、ソロ名義では3作目のスタジオ・アルバム。自身3作目のセルフ・タイトル・アルバムでもあり、便宜上『A Little More Blue』と呼ばれることもある[2]

背景

ヴェローゾは1969年7月よりロンドンへ亡命しており、本作が亡命後初のレコーディングとなった[3]。イギリスでの発売が前提となっていたため、オリジナル曲は英語で作詞されたが[4]、「アーザ・ブランカ(白い翼)」のみポルトガル語で歌われた[2]。歌詞にはヴェローゾの亡命体験が反映されており、本人は本作を「憂鬱さのドキュメント」とジョーク混じりに表現したこともある[5]

ストリングスアレンジはフィル・ライアンによる[1]。「ロンドン・ロンドン」は、本作に先駆けてガル・コスタによるカヴァーがアルバム『Legal』(1970年)に収録された[6]。「マリア・ベターニア」はヴェローゾの実妹マリア・ベターニアに捧げられた曲[2]。「イフ・ユー・ホールド・ア・ストーン」は、ヴェローゾが前作『ホワイト・アルバム』でレコーディングした伝承歌「マリニェイロ・ソー」からの引用が含まれている[4]。「イン・ザ・ホット・サン・オブ・ア・クリスマス・デイ」は、当時ヴェローゾと共にロンドンへ亡命していたジルベルト・ジルとの共作。

評価

Wade Kerganはオールミュージックにおいて5点満点を付け「彼の以前のアルバムに見られた蛍光色は姿を消し、夢を打ち砕かれた革命家のリアリズムに取って代わられた」「ドラムスやヴェローゾの歌い回しにはブラジル的な感触もあるが、このアルバムはむしろ、ボブ・ディランの『血の轍』やティム・バックリィの『ハッピー・サッド』といった、ダウナーなフォークの名作を思わせる」と評している[2]。また、収録曲「ア・リトル・モア・ブルー(今少しブルーに)」は、ウッデン・ワンド英語版ピッチフォーク・メディアに寄稿した記事「あなたの人生を良くする10の事柄」において「時事問題に共鳴した曲だということを抜きとしても、誰がいかなる主題で書いてきたポップ・ソングの中でも特に美しい曲の一つ」と評されている[7]

収録曲

特記なき楽曲はカエターノ・ヴェローゾ作。

  1. ア・リトル・モア・ブルー(今少しブルーに) - "A Little More Blue" - 4:50
  2. ロンドン・ロンドン - "London, London" - 4:17
  3. マリア・ベターニア - "Maria Bethânia" - 6:54
  4. イフ・ユー・ホールド・ア・ストーン - "If You Hold a Stone" - 6:08
  5. シュート・ミー・デッド - "Shoot Me Dead" - 3:21
  6. イン・ザ・ホット・サン・オブ・ア・クリスマス・デイ - "In the Hot Sun of a Christmas Day" (Caetano Veloso, Gilberto Gil) - 3:18
  7. アーザ・ブランカ(白い翼) - "Asa Branca" (Humberto Teixeira, Luiz Gonzaga) - 7:21

脚注

  1. ^ a b Caetano Veloso - Caetano Veloso (A Little More Blue) (Vinyl, LP, Album) at Discogs
  2. ^ a b c d Kergan, Wade. “Caetano Veloso (A Little More Blue) - Caetano Veloso”. AllMusic. 2015年9月9日閲覧。
  3. ^ ダン, クリストファー 『トロピカーリア ブラジル音楽を変革した文化的ムーヴメント』 国安真奈訳、音楽之友社、2005年、232-233頁。ISBN 4-276-23683-5
  4. ^ a b 日本盤再発CD (PHCA-1074)ライナーノーツ(中原仁、1998年9月)
  5. ^ Lewis, John (2010年7月15日). “Gilberto Gil and Caetano Veloso in London”. The Guardian. Guardian News and Media Limited. 2015年9月9日閲覧。
  6. ^ McIntosh, Gregory. “Legal - Gal Costa”. AllMusic. 2015年9月9日閲覧。
  7. ^ Guest Lists: Wooden Wand: Ten Things That Will Improve Your Life”. Pitchfork Media (2005年8月29日). 2015年9月9日閲覧。



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