アヴァンギャルド (ジョン・コルトレーン)とは? わかりやすく解説

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アヴァンギャルド (ジョン・コルトレーン)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2011/04/07 12:46 UTC 版)

アヴァンギャルド
ジョン・コルトレーンスタジオ・アルバム
リリース 1966年
録音 1960年6月8日6月28日
ジャンル ジャズモード・ジャズ
時間 36分15秒
レーベル アトランティック・レコード
ジョン・コルトレーン 年表
コルトレーン・ジャズ アヴァンギャルド マイ・フェイヴァリット・シングス

アヴァンギャルドThe Avant-Garde)は、ジャズサキソフォン奏者ジョン・コルトレーンジャズトランペット奏者ドン・チェリーが、1960年に録音したアルバム。しかし発表されたのは1966年のことだった。

解説

テナー・サックス奏者のジョン・コルトレーントランペット奏者のドン・チェリーの共同名義の作品。ドン・チェリーは前衛ジャズの旗手オーネット・コールマンと行動を共にしていた盟友。またサイドメンにも、チャーリー・ヘイデンやエド・ブラックウェルといったオーネット・コールマン・ファミリーを起用。内容的にも3曲(2曲目から4曲目まで)もオーネット・コールマンのレパートリーを採り上げるなど、ドン・チェリーあるいはその背後にいるオーネット・コールマンの音楽性が支配的。

コルトレーンが前衛ジャズと接触したのはこれが初めてではなく、前衛ジャズの先駆者セシル・テイラー(ピアノ)のリーダー作『ハード・ドライヴィング・ジャズ』(1958年、後に『コルトレーン・タイム』というタイトルでコルトレーンのリーダー作に衣替えして再発売)の録音に参加しているが、そのときはコルトレーンの従来の型(ハード・バップ)から抜け出すことはなかった。しかし本アルバムでは、ドン・チェリーにリードされながらも果敢に前衛ジャズに挑戦しており、コルトレーンの代名詞シーツ・オブ・サウンドは全く現れない。

したがって1959年あるいは1960年当時のコルトレーンの作風からすれば異色の内容。そのせいでアトランティック・レコード1966年になるまで本アルバムの発売を見送った。逆にいうと、当時のオーネット・コールマンが如何に先進的で衝撃的だったかということを改めて思い知らしめるアルバムともいえる。

ただし、後年のコルトレーンのフリー・ジャズ期の演奏や、フリー・ジャズ転向直前のモード・ジャズの演奏と比較するとおとなしい演奏であり、決して難解な内容ではない。

アルバム全編でピアノレスの構成とした点もコルトレーンとしては初。さらにコルトレーンはこのアルバムの3曲目でソプラノ・サックスを用いている点でも初のアルバム。このように、音楽性という点でもサウンドという点でも、コルトレーンの後の方向性を暗示する重要な録音であったはずだが、発表する時期を遅らせたことが本アルバムのインパクトを弱めてしまった感があり、コルトレーンのキャリアを語る上で本アルバムが触れられることが少ない一因となる。

収録曲

  1. チェリコ  - Cherryco(Don Cherry)
  2. フォーカス・オン・サニティ - Focus On Sanity(Ornette Coleman)
  3. ザ・ブレッシング - The Blessing(Ornette Coleman)
  4. ジ・インヴィジブル - The Invisible(Ornette Coleman)
  5. ベムシャ・スイング - Bemsha Swing(Thelonius Monk)

録音は1曲目と3曲目のみ1960年6月28日。その他は1960年6月8日

演奏メンバー




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