アン・エリザベス・ボールとは? わかりやすく解説

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アン・エリザベス・ボール

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/09/11 01:36 UTC 版)

アン・エリザベス・ボール
Anne Elizabeth Ball
左から右へ:兄ロバート、アン本人、義弟ベント、妹メアリー
生誕 1808年
アイルランド、コーク県コーヴ[1]
死没 1872年(63 - 64歳没)
アイルランド、ダブリン
国籍 アイルランド
研究分野 藻類学植物学
プロジェクト:人物伝
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アン・エリザベス・ボール: Anne Elizabeth Ball, 1808年–1872年)は、アイルランド植物学者藻類学研究者植物画家1808年コーヴ生まれのボールには兄ロバート Robert Ballナチュラリスト1802年 - 1857年)と妹メアリー Mary Ball動物学者1812年 - 1898年)がおり、3人とも父親ボブ・ストーウェル・ボールがそそいだ情熱を通じて博物学に興味を持った[2]

経歴

1818年、ボールは家族に連れられて生まれ故郷のコーヴから県下のやはり港町のヨール Youghal に引っ越した。20歳を過ぎて海藻の収集と研究を始めた地である。1837年に妹メアリーと父と3人でダブリンに移り、残りの人生を過ごす。ダブリンでも藻類の収集を続け、当地の科学者の団体にこそ正会員として認められなかったものの、藻類学者として地歩を固めている[3]。ただし当時の習慣にしたがい、アン・ボールの研究成果は男性のナチュラリスト、つまり兄の友人ウィリアム・ヘンリー・ハーヴィーあるいは探検家ジェームズ・マッケイ英語版を著者として出版された。それでも誰が研究して誰が成果の発表者になるか、その関係は一方的ではなく、ハーベイはボールの仕事を支えて励し、属と種の命名にあたり「バリヤ」Ballia[4] と「シオグサバリアナ」Cladophora balliana を献名した。ボールは後者のタイプ標本を1843年5月16日にダブリンのクロンターフ英語版で 採取した[4] [5]。またハーベイの『ブリタニカ百科事典』(1846年–1851年)にも協力している。ボールが力を貸した相手にはウィリアム・トンプソン英語版もおり、ハイドロイド英語版の図解を添えた記録を寄稿し、『アイルランド自然史英語版』第4巻(1856年)に掲載された。

レガシー

ボールは1872年にダブリンのベルモント通りの自宅で亡くなる。独身であり遺されたコレクションはユニバーシティ・カレッジ・コークの植物標本室に保管された。グラスネヴィンの王立植物園(後のアイルランド国立植物園英語版)ではボールの海藻と菌類の絵を入手、アルスター博物館にも収蔵される。キューガーデン英語版はボールの書簡と植物標本を所蔵 [2]、受託した標本はおそらくモートン協定(Morton Agreement)の条件により1961年頃にロンドン自然史博物館に移管された[6]ものである。

脚注

  1. ^ Chesney, Helena C. G. (2004). "Ball, Robert (1802–1857), naturalist". Oxford Dictionary of National Biography (英語) (online ed.). Oxford University Press. doi:10.1093/ref:odnb/56445. 2012年10月19日閲覧 (要購読、またはイギリス公立図書館への会員加入。)
  2. ^ a b BDWS 2000, p. 73.
  3. ^ Ó Nuallain, Fiann (27 February 2016). “A look back on Cobh's horticultural heroine, Anne Elizabeth Ball”. Irish Examiner. https://www.irishexaminer.com/lifestyle/outdoors/gardening/a-look-back-on-cobhs-horticultural-heroine-anne-elizabeth-ball-384404.html 27 August 2019閲覧。 
  4. ^ a b Anne Elizabeth Ball”. herbaria@home. Botanical Society of Britain and Ireland. 4 February 2014閲覧。
  5. ^ Stevens, Haines 2001, p. 17.
  6. ^ Ball, Anne Elizabeth (1808–1872)”. JStor Plant Science. 19 October 2012閲覧。

参考文献

関連項目

関連資料

外部リンク





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