アンゲル・サリグニとは? わかりやすく解説

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アンゲル・サリグニ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/20 07:48 UTC 版)

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アンゲル・サリグニ
Anghel Saligny
生誕 (1854-04-19) 1854年4月19日
モルダヴィア公国、セルバネスティ
死没 (1925-06-17) 1925年6月17日(71歳没)
 ルーマニア王国ブカレスト
国籍  ルーマニア

アンゲル・サリグニ (ルーマニア語: Anghel Saligny1854年4月19日 - 1925年6月17日) は、ルーマニア工学者ドナウ川に架かる、当時ヨーロッパ最長であったアンゲル・サリグニ橋 (1895年) を設計したことで知られる。また、ヨーロッパ最初の鉄筋コンクリート建築の1つである、コンスタンツァ港の貯蔵施設の設計でも有名である。

生涯

コンスタンツァ港を見下ろすように立つアンゲル・サリグニの銅像

サリグニは1854年4月19日、テクチ県のセルバネスティ(現在のガラツィ県)に生まれた[1][2]。父のアルフレッド・サリグニは、フランス系の教育者で、プロイセンからの移民であった[2]。彼は、父親がフォクシャニに設立した全寮制の学校で学び、その後はフォクシャニの高校に進学した後、ドイツのポツダムの学校に通った。ベルリン工科大学では工学を専攻し、ザクセン州コトブスフランクフルトを結ぶ鉄道の建設に貢献した。ブカレスト工科学会(現在のブカレスト工科大学の前身)の創設メンバーとなり、公共事業大臣にも任命された。1892年には、ルーマニア・アカデミーのメンバーに選任され、1907年から1910年の間には会長も務めた。

弟のアルフォンス・オスカー・サリグニは、化学者・教育者で、同じくルーマニア・アカデミーのメンバーである。

功績

コンスタンツァのサイロ

彼の関わった橋、道路、貯蔵庫、港湾などには新しい技術が投入されており、なかには当時大きな技術的進歩をもたらしたものも存在する。

サリグニの設計したアジュドとトゥルグ・オクナを結ぶ鉄道では、ルーマニア最初の多目的橋(鉄道と高速道路、1881-1882年)が建設された。また、コスメシュティのシレト川に架かる長さ430mの橋など、数多くの鉄橋建設に関わった。

1884年から1889年にかけて、世界初となる鉄筋コンクリート造の貯蔵庫の建設に関わった。この貯蔵庫は、現在はコンスタンツァブライラガラツィに残っている。コンスタンツァ港では、石油輸出のための貯蔵庫と、穀物輸出用の2つのサイロを建設している。

カロル1世橋(アンゲル・サリグニ橋)の除幕式

サリグニの一番の功績とされているのが、チェルナヴォダのドナウ川に架かる、アンゲル・サリグニ橋の設計である。ルーマニア政府はこの場所の橋梁建設に関して公募を行ったが、集まったものはいずれも基準を満たさないことがわかった。そのため、政府は以前の功績も踏まえ、この仕事をサリグニに依頼した。建設は1890年11月26日に開始され、これにはルーマニア王のカロル1世も立ち会った。橋は5つのスパンから構成され、うち4つは140m、中央のものは190mに及ぶ。船が橋の下を航行できるよう、30mの高さが確保されている。開業初日には、時速85kmで走る蒸気機関車によって耐久試験も行われた。チェルナヴォダ側の長さが4,037m、ドナウ川上が1,662m、ボルチャ分流上が920mと、当時ヨーロッパでは最長、世界では2番目の長さを誇った[3]。当時は有名な構造物であり、フランスガラビ橋エッフェル塔など、ギュスターヴ・エッフェルと比較して語られた。

関連項目

出典




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