アルファロメオ V6エンジンとは? わかりやすく解説

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アルファロメオ V6エンジン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/23 13:33 UTC 版)

アルファロメオV6エンジン(ブッソV6)
アルファロメオ 3.0 V6 24V
タイプ 60° V6
排気量 2.0 L; 121.8 cu in (1,996 cc)
2.5 L; 152.1 cu in (2,492 cc)
2.8 L; 169.9 cu in (2,784 cc)
2.9 L; 179.0 cu in (2,934 cc)
3.0 L; 180.6 cu in (2,959 cc)
3.2 L; 194.0 cu in (3,179 cc)
圧縮比 8.0:1 – 10.5:1
最高出力 97–184 kW (132–250 PS)
最大トルク 178–300 N⋅m (131–221 lb⋅ft)
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アルファロメオ・166に搭載された、2.0L V6 12Vターボ仕様

アルファロメオ V6エンジン(通称ブッソV6)は、アルファロメオによって開発された、60度V型6気筒の自動車用ガソリンエンジンである。

概要

1970年代前半、ジュゼッペブッソにより開発されて以来、1979年から2005年にかけ、改良が加えられながら長きにわたり生産された。すべてがオリジナルのアルファロメオ製のエンジンとしては、最後のエンジンである。

ブッソV6が初搭載されたモデルはアルファ6で、仕様は排気量2.5L(2,492cc)、SOHC12バルブであった。 その後改良が加えられ、排気量は2.0Lから3.2L(1,996cc-3,179cc)のバリエーションが存在する他、バルブトレーンはDOHC24バルブ仕様となった。DOHC仕様が初搭載されたのはアルファロメオ・164で、シリンダーブロックはアルミニウム製、排気バルブはナトリウム封入バルブが使用された。

また,ブッソV6はキットカーにも搭載され、アルティマ GTR、ホーク HF シリーズ、DAX[1][2][3]そしてギレ・ヴェルティゴ スポーツ カー[4]や、ランチア・アウレリア B20GT アウトローなどに搭載された。

EVO magazineは2011年8月、「オリジナルのアルファロメオV6エンジン(ブッソV6)は、市販車用の6気筒エンジンとして最も素晴らしい音を奏でるエンジンである。」と評価しており、ブッソV6は「アレーゼのバイオリン」「アルファのバイオリン」とも呼ばれている[5]。ちなみに、ブッソV6はスケートリンク等の整備に用いられる整氷車(イタリアengo社製)にも搭載されている。

12バルブ(一気筒2バルブ)仕様

2.0

排気量2.0L(1,996cc)仕様は1983年に登場した。 136 PS (100 kW; 134 hp) のキャブレター仕様と、132 PS (97 kW; 130 hp)のインジェクション仕様の両方が当初から存在した。

採用車種:

2.0 ターボ

排気量2.0L(1,996cc)ターボ仕様は、完全電子制御の3.0L 12V仕様をベースに開発され、1991年アルファロメオ164に搭載された。ボア×ストロークは80mm×66.2mmで、出力は210 PS (154 kW; 207 hp).

当時のイタリアでは2.0L以上の排気量では税率が高くなる税制であったことを踏まえ、おもにイタリア国内向けとして開発された仕様である。

採用車種:

生産終了

ブッソV6エンジンは、2005年 アルファロメオ アレーゼ工場で生産終了を迎えた[6]ランチア・テージスアルファロメオ・166そしてアルファロメオ・GTに搭載される5,000基が生産された後、生産終了した[7]アルファロメオ・159アルファロメオ・ブレラに搭載される新型の3.2LV6エンジンは、ゼネラルモータースのエンジンブロックに、アルファロメオのシリンダーブロックとインジェクションを備えたものだった。イギリスのエンジンビルダーであるコスワースは、ブッソV6エンジンの組み立てラインの買収を希望したものの、交渉に失敗し実現しなかった[8]。最終型である3.2L仕様のエンジンはユーロ4に適合しており、あと2,3年は生産が可能であると思われていた[9]

ちなみに、ブッソV6エンジンの開発者であるジュゼッペブッソは、最後のブッソV6エンジンがアレーゼで生産されてから2,3日の間に亡くなっている[10]

関連項目

  • アルファロメオ ツインカム エンジン
  • アルファロメオ ツインスパーク エンジン

脚注

  1. ^ Last run wins King of the Mountain”. iol.co.za (2006年). 2012年6月10日閲覧。
  2. ^ Hawk HF2000/HF3000 Series”. hawkcars.co.uk. 2009年4月5日閲覧。
  3. ^ DAX Rush Specifications”. daxbenelux.com. 2009年2月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年4月5日閲覧。
  4. ^ Gillett Vertigo Streiff: A body to match its Alfa Romeo heart”. autoblog.com. 2009年4月5日閲覧。
  5. ^ Licata (2021年3月24日). “The Story Of Alfa’s Violin” (英語). Roadster Life. 2022年12月5日閲覧。
  6. ^ News 25.02.2005”. italiaspeed.com. 2008年1月7日閲覧。
  7. ^ Ad Arese in via di smantellamento la linea di produzione del "6 cilindri"” (イタリア語). www2.rdbcub.it. 2012年2月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年5月1日閲覧。
  8. ^ LA COSWORTH AD ARESE” (イタリア語). archivio.lastampa.it. 2011年7月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年5月1日閲覧。
  9. ^ Alfa 147 GTA”. alfaromeo.co.nz. 2010年5月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年5月1日閲覧。
  10. ^ AutoEdizione.com: Alfisti commemorate Giuseppe Busso in Arese | AutoEdizione.com Archived 2018-10-15 at the Wayback Machine., accessdate: 14.



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