アナゴードリセラスとは? わかりやすく解説

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アナゴードリセラス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/10/15 01:50 UTC 版)

アナゴードリセラス
アナゴードリセラス・リマタム(中央)。右上のダメシテス・スガタをはじめ複数の別属別種のアンモナイトが付着している。
地質時代
前期白亜紀アルビアン - 後期白亜紀マーストリヒチアン[1]
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryote
: 動物界 Animalia
: 軟体動物門 Mollusca
: 頭足綱 Cephalopoda
亜綱 : アンモナイト亜綱 Ammonoidea
: アンモナイト目 Ammonitida
亜目 : リトセラス亜目 Lytoceratina
: ゴードリセラス科 Gaudryceratidae
: アナゴードリセラス属 Anagaudryceras
学名
Anagaudryceras
Shimizu, 1934

アナゴードリセラス学名Anagaudryceras)は、ゴードリセラス科英語版に属するアンモナイト亜綱アンモナイト目[2]化石蝦夷層群から産出している[3]ゴードリセラスよりもやや早く、セノマニアン期に繁栄を遂げたと推測される[1]

特徴と命名

アナゴードリセラスは同じくゴードリセラス科に属するゴードリセラスに類似するが、属レベルの同定は容易とされる。アナゴードリセラスの未成年殻(中心部の殻)は滑らかで条線を伴う一方、ゴードリセラスのような明瞭な細肋を持たない。また、アナゴードリセラスの成年殻(外側の殻)は幅広の長肋が発達する[1]

アナゴードリセラスは日本人研究者の清水三郎により命名された。属名のうち、Anaは「新しく」、gaudryは研究者の名前、cerasは「角」を意味する。この「角」とは太陽神アメンの角に由来する[1]

主な種

A. compressum
マーストリヒチアン期の種。本属の中でも殻の幅が狭い点を特徴とする[2]
A. limatum
チューロニアン期からコニアシアン期の一般的な種[4]。小平・古丹別地域での調査では、貧酸素環境が広がっていたと推定される層準(下部鹿島層と上部滝ノ沢層)においても本種の化石が産出しており、多くのアンモナイトが淘汰される環境でも普遍的に生息していたことが示唆される[5]
螺環の断面は楕円形であり、波打つように発達する長肋が特徴である[1]
A. madraspantum
セノマニアン期に特徴的な種[6]
A. matsumotoi
函淵層の中部から産出するマーストリヒチアン期の種[7]樺太のナイバ地域からも報告されている[8]
A. ryugasense
カンパニアン期からマーストリヒチアン期に生息した種[6]
A. sacya
セノマニアン期からチューロニアン期にかけて生息した種[6]。日陰ノ沢層から佐久層にかけて産出する[9]
A. yokoyamai
サントニアン期の種[1]A. limatumと比較して住房部が高く、長肋の間隔がより広い[1]

出典

  1. ^ a b c d e f g 森伸一『北海道羽幌地域のアンモナイト 第2版』北海道新聞事業局出版センター、2018年5月28日、12-15頁。ISBN 978-4-86368-029-6 
  2. ^ a b アナゴードリセラス・コンプレッサム”. むかわ町恐竜ワールド. 2022年10月20日閲覧。
  3. ^ 辻野泰之「北海道古丹別地域に分布する上部白亜系蝦夷層群函淵層」『地質学雑誌』第115巻第3号、2009年、122-129頁、doi:10.5575/geosoc.115.122 
  4. ^ Wani, R (2007). “Differential preservation of the Upper Cretaceous ammonoid Anagaudryceras limatum with corrugated shell in central Hokkaido, Japan”. Acta Palaeontologica Polonica 52 (1). 
  5. ^ 栗原憲一、平野弘道「北海道芦別湖地域上部白亜系の層序とアンモナイト化石群の特性」『地質学雑誌』第109巻第10号、2003年、565-578頁、doi:10.5575/geosoc.109.565 
  6. ^ a b c 松本達郎北海道・樺太中軸部白運堊系の層序學的分類に就いて : 日本白運堊系の層序の基礎的研究略報(其の 5)」『地質学雑誌』第49巻第582号、1942年、92-111頁、doi:10.5575/geosoc.49.92 
  7. ^ 安藤寿男、友杉貴茂、金久保勉「北海道中頓別地域における上部白亜系 : 暁新統函淵層群の岩相層序と大型化石層序」『地質学雑誌』第107巻第2号、2001年、142-162頁、doi:10.5575/geosoc.107.142 
  8. ^ 小玉一人、前田晴良、重田康成、加瀬友喜、竹内徹「ロシア・サハリン州南部ナイバ川(内淵川)流域に分布する白亜系上部の化石層序と古地磁気層序」『地質学雑誌』第108巻第6号、2002年、366-384頁、doi:10.5575/geosoc.108.366 
  9. ^ 川辺文久、平野弘道、高木恭「北海道北大夕張地域白亜系の大型化石層序」第102巻第5号、1996年、doi:10.5575/geosoc.102.440 

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