e-Tax
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長所(メリット)
特にその迅速性・効率性から、法人や税理士による利用が増加している。
- 医療費の領収書や源泉徴収票等については、記載内容を電子申請で送信することにより、原本の提出または提示に代えられる。ただし、後日税務署から提出または提示を求められる場合があり、これに応じなかった場合は「確定申告書への添付または提示がなかったもの」として取り扱われるため、申告期限後7年間は保管することが望ましい。
- e-Taxを利用して所得税の確定申告を行った場合、平成19年(2007年)分から平成24年(2012年)分までの申告に限り、電子証明書等特別控除という税額控除(最高5,000円 - 3,000円)があった[注 1]。また、年末調整で過不足精算が完了した給与所得者も適用可能。ただし、いずれにせよ公的個人認証サービスを受けた住民基本台帳カードによる個人認証(電子署名)が必要で、会計事務所や税理士などに委託し、本人以外の電子署名した代理送信による申告では、税額控除を受ける事ができない(租税特別措置法第41条の19の5)。
- 還付申告の場合、通常の紙ベースで申告書を提出した場合よりも税金が還付されるまでの期間が約3週間早くなる(申告書を提出してから通常6週間のところが、3週間で還付される。ただし申告期限の直前 - 直後に提出した場合や、ゴールデンウィークの前後は事務処理日数の都合上[注 2]これよりも長くかかる場合がある)。
- ただし、記載内容の全部または一部を省略して送信した場合や、寄附金控除・住宅借入金等特別控除の適用を受ける申告などの様に、添付書類の提出が必要な申告を行った場合は、前述の「3週間後に還付」は「データを送信した後から3週間」とはならず「後日郵送した添付書類等が税務署に到着してから約3週間後に還付される」という意味となるため、注意が必要である。
- 平成20年 (2008年)、NTTデータが財務情報流通ゲートウェイ―Zaimon(ザイモン)サービスを開始した。これまで、電子申告を行った企業も金融機関への融資申し込みなどの際は、改めて申告書を印刷して提出しなければならなかったが、このサービスを利用することで、電子申告したデータをインターネット上で金融機関に提出できるようになった。これにより、電子申告した企業、税理士等および申告書を受け付ける金融機関の双方にとって、事務手続きの効率化が図られるようになった。また、Zaimonサービスの利用を条件として、融資時の金利優遇等のサービスを実施している金融機関も存在する。今後、このような電子申告されたデータを二次利用するサービスが順次提供されるとともに、e-Tax利用者のメリットも大きくなることが予想される(現在、Zaimonサービスに対応しているのは、三井住友銀行[8]、みずほ銀行[9]、足利銀行[10]、西日本シティ銀行[11])。
- 申告に関する書類は9年間の保存義務があり、大量の書類を保管する倉庫を確保しなければならないが、電子申告の義務化で、保存コストの削減にもつながるという意見がある[3]。
近年の改善
- 2014年6月16日 - スマートフォン画面に適したレイアウトの「e-Taxソフト(SP版)」を開始[12]
- 2016年1月 - マイナンバーカードの発行に合わせ、e-Taxも同カードを用いた電子署名に対応[13]
- 2016年1月(2015年分の申告) - 表示レイアウトの改善[14]
- 2017年1月16日 - マイナポータルと接続開始[15]
- 2018年12月17日 - Android用e-Taxアプリをリリース。Androidスマートフォンでのマイナンバーカードの読み取りに対応[16]
- 2019年1月(2018年分の申告) - 「マイナンバーカード方式」(マイナンバーカードを利用して申告)と「ID・パスワード方式」(税務署でIDとパスワードを受取り申告)を開始、スマートフォン専用画面の設置[17]
- 2019年10月 - 相続税の申告に対応[18]
- 2020年1月(2019年分の申告) - iPhoneでのマイナンバーカード読取りに対応[19]
- 2021年1月(2020年分の申告) - マイナポータル連携を開始(保険料控除等をマイナポータルから取得し自動入力)、タブレット端末による申告の際にスマートフォンをICカードリーダーの代替とすることが可能[20]、住宅借入金等特別控除証明書の電子交付に対応[21]
- 2022年1月(2021年分の申告) - マイナポータル連携の対象拡大(ふるさと納税、医療費控除(2021年9月分以降)等)、PCによる申告の際にスマートフォンをICカードリーダーの代替とすることが可能、給与所得の源泉徴収票をスマートフォンのカメラで撮影し自動入力[22]
- 2022年1月 - 税務調査で求められた資料をe-Taxで提出可能となった[23]
- 2023年1月(2022年分の申告) - マイナンバーカードの読み取り回数削減、青色申告決算書・収支内訳書がスマートフォンで作成可能、マイナポータル連携の対象拡大(医療費控除(1年分)、国民年金保険料、公的年金等の源泉徴収票)[24]
- 2024年1月(2023年分の申告) - 給与所得の自動入力(勤務先が税務署へ源泉徴収票をe-Taxで提出した場合に限る)[25]、マイナポータル連携の対象拡大(国民年金基金掛金、iDeCo掛金、小規模企業共済掛金)[26]
注釈
- ^ 制度開始当初は平成19年分または平成20年分に限った2年時限の適用。平成20年 (2008年) 12月に適用が延長。
- ^ 広報では「3週間」と謳っているがこれは「15営業日」と同じ意味である。このため、ゴールデンウィークの前後には還付までの実日数が3週間よりも長くなる点に留意する必要がある。
- ^ 広島県福山市による住民への案内例[1][リンク切れ]。これと同様に、多くの地方自治体が、e-Taxに影響されたカード発行集中に対処を求められている。
- ^ 但し、納税者が送信主とならないため、5,000円の税額控除や、提出等が必要な書類の添付または提示の省略を行う等の特典を受けることはできなかった
- ^ 全電子申告件数のうちの過半数は、税務署で体験的に作成した「初回来署型電子申告」によるものであった。
- ^ 国税庁の利用率向上策の一環として、国税職員に対して、職員自身の申告の際e-Taxを利用するよう強く勧奨していることも見逃せない、とされている。
出典
- ^ 国税庁「平成23年度におけるe-Taxの利用状況について(概要)」(平成23年4月)
- ^ 内国歳入庁「2011 filing season statistics」(2012年1月9日、2012年1月13日閲覧)
- ^ a b 2017/4/20 日本経済新聞 朝刊
- ^ “平成21年度におけるe-Taxの利用状況について(概要)” (PDF). 2013年12月23日閲覧。
- ^ “平成22年度におけるe-Taxの利用状況について(概要)” (PDF). 2013年12月23日閲覧。
- ^ “平成23年度におけるe-Taxの利用状況について(概要)” (PDF). 2013年12月23日閲覧。
- ^ 法人税の電子申告は、4社に3社がALL e-Taxです!
- ^ 三井住友銀行
- ^ みずほ銀行
- ^ 足利銀行
- ^ 西日本シティ銀行
- ^ “「納税に便利」6月16日から、スマートフォン等でe-Taxがご利用いただけます”. www.e-tax.nta.go.jp. e-Tax. 2023年5月31日閲覧。
- ^ “マイナンバーカードを取得された方へのお知らせ”. www.e-tax.nta.go.jp. 【e-Tax】国税電子申告・納税システム(イータックス). 2023年5月31日閲覧。
- ^ “平成28年1月に導入するe-Taxにおける利便性向上策について”. www.e-tax.nta.go.jp. e-Tax. 2023年5月31日閲覧。
- ^ “マイナポータルとe-Taxがつながります”. www.e-tax.nta.go.jp. e-Tax. 2023年5月31日閲覧。
- ^ “スマートフォンをICカードリーダライタとしてご利用の方へ(平成30年12月17日)”. www.e-tax.nta.go.jp. e-Tax. 2023年5月31日閲覧。
- ^ a b e-Tax利用の簡便化の概要(国税庁)
- ^ “相続税の申告書がe-Taxで提出できるようになりました。”. www.e-tax.nta.go.jp. 【e-Tax】国税電子申告・納税システム(イータックス). 2023年5月31日閲覧。
- ^ “iPhoneでマイナンバーカードを読み取り、e-Taxの機能を順次ご利用いただけるようになります。”. www.e-tax.nta.go.jp. 【e-Tax】国税電子申告・納税システム(イータックス). 2023年5月31日閲覧。
- ^ “国税庁ホームページでの申告書作成・e-Tax送信がますます便利に!”. www.nta.go.jp. 国税庁. 2023年5月31日閲覧。
- ^ “令和3年1月から順次、e-Taxが便利になります。”. www.e-tax.nta.go.jp. 【e-Tax】国税電子申告・納税システム(イータックス). 2023年5月31日閲覧。
- ^ “国税庁ホームページでの所得税等の申告書作成・e-Taxがますます便利に!”. www.nta.go.jp. 国税庁. 2023年5月31日閲覧。
- ^ “令和4年1月から、税務調査等で提出を求められた資料がe-Taxで提出できるようになります!!| 【e-Tax】国税電子申告・納税システム(イータックス)”. www.e-tax.nta.go.jp. 国税庁. 2023年5月31日閲覧。
- ^ “国税庁ホームページでの所得税等の申告書等作成・e-Taxがますます便利に!”. www.nta.go.jp. 国税庁. 2023年5月31日閲覧。
- ^ “給与所得の確定申告がさらに簡単に!”. www.nta.go.jp. 国税庁. 2023年12月5日閲覧。
- ^ “令和5年分の確定申告はマイナンバーカードとe-Taxでさらに便利に!”. www.nta.go.jp. 国税庁. 2023年12月5日閲覧。
- ^ 池田信夫 blog「e-Taxの憂鬱」
- ^ メディアテクノロジーラボ ブログ「e-Taxを利用した確定申告に挑戦。見事成功しました」
- ^ 奥井規晶の「美しい日本の和魂洋才」「あえて国税庁に言いたい、「e-Tax」の使い勝手向上を望む」
- ^ “e-Taxソフト(WEB版)を利用するに当たって”. e-Tax. 国税庁. 2017年12月5日閲覧。
- ^ 「ダウンロードコーナーのご利用に当たって【事前準備】」国税庁
- ^ “e-Taxソフトのダウンロードコーナー”. e-Tax. 国税庁. 2022年6月11日閲覧。
- ^ e-Taxソフト(SP版)を利用するに当たって
- e-Taxのページへのリンク