DIDS DIDSの概要

DIDS

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/05/03 22:13 UTC 版)

DIDS
識別情報
略称 DIDS
CAS登録番号 53005-05-3 (E) 
PubChem 40600
5281951 (E)
9548709 (Z)
ChemSpider 37094 , 4445228 (E) , 7827632 (Z) 
KEGG C11591
MeSH 4,4'-Diisothiocyanostilbene-2,2'-disulfonic+acid
ChEBI CHEBI:36511
バイルシュタイン 6543839
特性
化学式 C16H10N2O6S4
モル質量 454.52 g mol−1
精密質量 453.942168822 g mol-1
融点

400 °C, 673 K, 752 °F

log POW 4.72
酸解離定数 pKa -3.21, -1.428, -0.37, 0.23
塩基解離定数 pKb 13.77, 14.37, 15.425, 17.21
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

利用

DIDSは細胞に対して陰イオン交換阻害剤として作用する[1][注釈 1]。このため、細胞を使った研究を行う際、細胞への薬物処置に用いられることがある[2]。例えば、塩化物イオン-炭酸水素イオン輸送体(バンド3)のようなアンチポートに用いられる[3]。DIDSはバンド3の外側から結合し同様の阻害剤であるDEPCは内側から結合するが、DIDSが結合したときDEPCは結合せずその逆も成り立つ[4]

その他の性質

DIDSは、その名の通り、部分構造としてベンゼンスルホン酸を持っており、ここのスルホ基は水溶液中などで電離して負に帯電する。したがって、このスルホ基は陽イオンとを形成することもできる。この他、DIDSのイソチオシアネート基は、pH9から10において、第1級アミンと反応することが知られている[2]


  1. ^ 細胞が表面に持っている細胞膜は、そのままではイオンを透過しにくい性質を持っており、細胞は必要なイオンを通すための特別な仕組みを持っている。この特別な仕組みを阻害する。
  1. ^ Jessen, Flemming; Sjøholm, C; Hoffmann, EK (1986), “Identification of the anion exchange protein of ehrlich cells: A kinetic analysis of the inhibitory effects of 4,4′-diisothiocyano-2,2′-stilbene-disulfonic acid (DIDS) and labeling of membrane proteins with3H-DIDS”, Journal of Membrane Biology 92 (3): 195, doi:10.1007/BF01869388, PMID 3783658 
  2. ^ a b 4,4'-ジイソチオシアナトスチルベン-2,2'-ジスルホン酸二ナトリウム塩水和物
  3. ^ Lane, Michelle; Baltz, Jay M.; Bavister, Barry D. (1999), “Bicarbonate/Chloride Exchange Regulates Intracellular pH of Embryos but Not Oocytes of the Hamster”, Biology of Reproduction 61 (2): 452–457, doi:10.1095/biolreprod61.2.452, PMID 10411526 
  4. ^ 赤血球の代謝センサー「バンド3」の構造を解明”. 理化学研究所 (2010年1月22日). 2013年6月18日閲覧。


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