16mmフィルム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/05 09:41 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動主に動画撮影用として使われる。35mmカメラよりもカメラも映写機も小型化できるため、テレビニュースのロケ撮影・テレビドラマ・低予算の劇場用映画で使われる。かろうじて個人での機材所有も可能であり、8mmフィルムに飽き足らないハイアマチュアが16mmにステップアップする例も見られた。また、映画館や劇場、公共ホールなどにも16mmの映写機を備え付けている施設は多く、それらの施設で行われる小規模な上映会に供するため、35mmの劇場映画を16mmフィルムにプリントしたものも多く制作され、映画センターなどを通じて貸し出しや上映が行われていた。近年はビデオカメラやビデオプロジェクターの高画質化、低価格化や、デジタル化とそれに伴うSDカードの普及のため使用される機会は減少傾向にある。
かつてはスチルカメラにも用いられており、主に小型カメラへ採用された。第二次大戦後には16mmフィルムを使った豆カメラのブームもあった。35mmカメラの低価格化と小型化などの影響により次第に市場が縮小し、残っていたミノルタなどの製品も、1972年に登場した110フィルム使用のカメラと入れ替わるように姿を消した。
映画用カメラ
プロフェッショナル用
今日プロフェッショナル用カメラ産業は、アーノルド&リヒターのアリフレックス16SR3やアリフレックス416、アトーンのアトーンXTRprodといった16ミリカメラを使用する傾向がある。近年アトーンは小型もしくは多機能カメラ向けのカムコーダーサイズのA-Minimaを売り出した。フォトソニックは毎秒1万フレームのスピードを出せる。16mmフィルムを使った超高速カメラを製造しているパナビジョンは、カムバックのできる"the Elaine" という珍しいシリーズを売り出している。
アマチュア用
アマチュア、学生、趣味のためのカメラはアーノルド&リヒター(Arri)もしくはアトーンの古い型や、オーリコン、ボーリユー、ベル&ハウエル、ボレックス、キヤノン、シネマ・プロダクツ、エクレール、キーストン撮影機、クラスノゴルスク、ミッチェル撮影機などといったメーカーの商品を使うことが経済的とされている。
スペック
- 1フレームのフィルム送り量7.6mm。
- 1フィート分で40フレーム。
- 400フィート(122m)のフィルムを使用し24フレーム/秒で約11分撮影可能。
- 縦送り
16mm
- アスペクト比 - 1.33
- 35mmアカデミー・フォーマット・プリントを作成する時の拡大率 - 4.58倍
- 撮影 - 10.26×7.49mm
- 投影 - アスペクト比1.33のフルフレーム時9.6×7.01mm、アスペクト比1.85時9.6×5.2mm
- TVステーション - 9.65×7.26mm
- TVトランスミッション - 9.34×7.01mm
- TVセーフ・アクション - 8.4×6.29mm(コーナーφ1.67mm)
- TVセーフ・タイトル - 7.44×5.61mm(コーナーφ1.47mm)
- 1フレームにつき1パーフォレーション
スーパー16
16ミリフィルムの映像記録部分を音声トラック部分にまで広げ、画角を広げている。その画角はほぼビスタサイズであり、そのままハイビジョン対応のテレシネにかけたり、35mmフィルムにブローアップして劇場上映することができる。
- アスペクト比1.66
- 撮影 - 12.52×7.41mm
- 投影 - アスペクト比1.66のフルフレーム時11.76×7.08mm、アスペクト比1.85時11.76×6.37mm
- 1フレームにつき1パーフォレーション
ウルトラ16
- アスペクト比1.89
- 撮影 - 11.66×7.49mm
- 投影 - 11.66×6.15mm
- 1フレームにつき1パーフォレーション
スチルカメラ
国内ではリコー・ヤシカ・ミノルタ・興和などが製品を発売しており、海外ではローライやガミなどの16mmカメラが著名である。16mmのスチルカメラは、各社とも画面サイズがまちまちで、フィルムカートリッジにも互換性がない。このため、フィルムは使用者が用意されたマガジンに自分で詰めるか、カメラ各社が販売している専用フィルムを購入する必要がある。
なお、同じ16mm幅の110規格は、登場直後「16mm」と称されることがあった。ただし現在一般に16mmカメラと呼べば、110カメラをその領域に含めないのが一般的である。
- ^ 16ミリフィルムの豆知識digital-write公式サイト
- 1 16mmフィルムとは
- 2 16mmフィルムの概要
- 3 外部リンク
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