路 (小説) 路 (小説)の概要

路 (小説)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/19 06:14 UTC 版)

ルウ
著者 吉田修一
発行日 2012年11月21日
発行元 文藝春秋
ジャンル 長編小説
日本
言語 日本語
形態 四六判上製
ページ数 448
公式サイト books.bunshun.jp
コード ISBN 978-4-16-381790-3
ISBN 978-4-16-790357-2文庫判
ウィキポータル 文学
[ ウィキデータ項目を編集 ]
テンプレートを表示

2013年には台湾にて中国語版が刊行[5]、さらに2015年5月8日文春文庫から文庫化された[6]

路〜台湾エクスプレス〜』(ルウ たいわんエクスプレス)と題しNHKと台湾のテレビ局PTS(公共電視台)の日台共同制作でテレビドラマ化され、NHK総合テレビおよびNHK BS4Kの「土曜ドラマ」枠ならびに台湾の公視にて2020年5月16日から5月30日まで全3回で放送された[7][8][9]

執筆背景

吉田が10年以上前に台湾を訪れた際に、驚くほど台北の気候や風土、そして雰囲気が故郷の長崎に似ていたため自身に合うと感じたといい、そこから何度も台湾に足を運ぶようになった[10]。2004年に日本人女性と台湾人の男性が屋台で出会う小説を書いて以降、更にこの物語を組み立てて長編に仕立てたいと思うようになったという[10]。また、台湾で2008年に公開された映画『海角七号 君想う、国境の南』のエンディングで「野ばら」を合唱するシーンに涙するほど感動して「この映画がなければ『路』もなかった」とも語り、さらに「湾生」と称される、日本統治下の台湾に生まれ時代に翻弄された日本人の物語を加えて執筆したという[5]

本作で描きたかったのは昭和前期から平成まで続く時間の長さや奥行きであったといい、個々の人間を深く描いていくことで国の関係やその時代をも見通せるような小説にしたかったと語る[10]。台湾を訪れたことで更に台湾が好きになったという吉田は「老人が船に乗って何日もかけて渡った遠い台湾と現代の若い人が感じる近くの台湾との格差を見るのも楽しい。時間が短くなることでそれぞれの思いの距離も近くなればいいと思う」と語った[10]

作中では、「今回は食べ物1つ、登場人物の性格1つとっても、僕の好きなものだけを書きました」と語るように台湾の気候や光景、夜市で売られる食べ物、台湾人の風習や考え方などを多く描出し、さながら吉田版「台湾ガイドブック」の性格も併せ持っている[4]

あらすじ


注釈

  1. ^ 『文學界』連載時のルビは「ルー」[1]
  2. ^ 日本時間22時。
  3. ^ 呂燿宗の孫と二役。
  4. ^ 脚本を担当した田渕久美子によれば、本編でカットされたとのこと[16]

出典

  1. ^ a b 文學界 2009年1月号(バックナンバー)”. 文藝春秋. 2019年11月9日閲覧。
  2. ^ 文學界 2012年2月号(バックナンバー)”. 文藝春秋. 2019年11月9日閲覧。
  3. ^ 『路』吉田修一 (単行本)”. 文藝春秋. 2019年11月9日閲覧。
  4. ^ a b 新しい日台関係を描いた小説の誕生 『路(ルウ)』 (吉田修一 著)”. 文藝春秋 (2013年3月8日). 2019年11月9日閲覧。
  5. ^ a b “作家・吉田修一がサイン会 「“路”は台湾へのラブレター」”. 中央社フォーカス台湾 (中央通訊社). (2013年10月5日). http://japan.cna.com.tw/news/asoc/201310050004.aspx 2019年11月10日閲覧。 
  6. ^ 文春文庫『路』吉田修一”. 文藝春秋. 2019年11月9日閲覧。
  7. ^ a b 波瑠さん主演『路(ルウ)〜台湾エクスプレス〜』制作開始!”. NHKドラマ. ドラマトピックス. 日本放送協会 (2019年11月8日). 2019年11月9日閲覧。
  8. ^ a b c 陳秉弘 (2020年3月31日). “日台共同制作ドラマ「路(ルウ)」、PR映像公開=台湾各地で撮影”. 中央社フォーカス台湾 (中央通訊社). http://japan.cna.com.tw/news/aart/202003310007.aspx 2020年4月3日閲覧。 
  9. ^ a b 王心妤 (2020年5月8日). “共同制作ドラマ「路」、台湾と日本で同日に放送開始 16日から”. 中央社フォーカス台湾 (中央通訊社). http://japan.cna.com.tw/news/aart/202005080008.aspx 2020年5月15日閲覧。 
  10. ^ a b c d 吉田修一. インタビュアー:「本の話」編集部. “温かく、のんびりして、憎めない恋愛小説と80年代の青春物語”. 文藝春秋. https://books.bunshun.jp/articles/-/1513 2019年11月9日閲覧。 
  11. ^ 登場人物紹介”. 吉田修一『路』特設サイト. 文藝春秋. 2020年5月23日閲覧。
  12. ^ a b c “吉田修一の小説を日台共同制作でドラマ化 波瑠主演『路』2020年5月放送へ”. Real Sound (株式会社blueprint). (2019年11月8日). https://realsound.jp/movie/2019/11/post-442960.html 2019年11月9日閲覧。 
  13. ^ a b “台日合作ドラマ「路」 出発点は「台湾にお礼したい」との思い=演出・松浦氏”. 中央社フォーカス台湾 (中央通訊社). (2020年5月15日). http://japan.cna.com.tw/news/aart/202005150009.aspx 2020年5月16日閲覧。 
  14. ^ a b c d e f g 日台共同制作ドラマ「路(ルウ)~台湾エクスプレス〜」”. NHK_PR. NHK (2019年11月8日). 2019年11月9日閲覧。
  15. ^ “大河「篤姫」脚本家・田渕久美子氏、NHKドラマ「路…」主題歌で作詞初挑戦”. スポニチ Sponichi Annex (スポーツニッポン新聞社). (2020年5月4日). https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2020/05/04/kiji/20200504s00041000069000c.html 2020年5月16日閲覧。 
  16. ^ 2020年5月30日22時35分の発言


「路 (小説)」の続きの解説一覧



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  
  •  路 (小説)のページへのリンク

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「路 (小説)」の関連用語

路 (小説)のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



路 (小説)のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの路 (小説) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS