超人機メタルダー
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登場人物
- メタルダー /
剣 流星 () - 太平洋戦争末期、旧日本軍の起死回生のために古賀竜一郎博士によって作られたアンドロイド[14][9][注釈 3]。戦時中に製作されたにもかかわらず、その身体には半世紀以上経った現代でも追いつけない、高度な技術が多数秘められている。
- 通常は流星の姿であるが、体内に秘められた全エネルギーが怒りと感情の高まりとともに頂点に達することで「
怒る ()!」の掛け声とともに、メタルダーへと「瞬転」する。大抵の場合は戦いの最中に瞬転を行うが、サイドファントムの運転目的だけでメタルダーになることもあった[ep 1]。流星としての姿は、神風特攻隊で戦死した博士の息子である古賀竜夫の姿をモデルとしている[14][9]。そのパーソナリティも竜夫がモデルとなっており[注釈 4]、彼と同様に音楽をこよなく愛する心を持つ。そのためラプソディとの戦いで名器ストラディバリウスを前にして戦意を鈍らせたこともあった。また、流星の場合はサックスを演奏することもある[注釈 5]など、必ずしもその全てが竜夫のコピーではない、彼なりの「自我」や嗜好も備わっている。 - メタルダーが完成した時既に日本は終戦を迎えており、古賀博士は表向きは処分したと装い、完成したメタルダーを極秘に建造したシルバーカークスに封印した[15]。そして42年の時を経て、ネロス帝国の存在を知った古賀博士はその封印を解いた[ep 2]。起動したばかりのメタルダーは明確な一般知識や目的もインプットされておらず、当初ははただ単に無我夢中で戦っていた。また「生」の概念の乏しさから、バーベリィの追撃を受けた際には、偶然通りかかった舞を囮にしたこともある[ep 1]。その後、現代社会を知らないまま見知らぬ物に満ちた世界に興味を持ち、舞をはじめとした人間たちとの交流やネロスとの戦いを通じ、人間としても戦士としても成長を遂げていった。
- 長きにわたる戦いの末にネロス帝国を壊滅させるも、ゴッドネロスとの戦いで自身の超重力制御システムが損傷。増大する超重力エネルギーによって地球破壊の危機が迫る中、メタルダーは八荒に超重力エネルギー装置の破壊を頼み、超人機の能力と流星としての姿とを引き換えに地球を守った。その後舞と八荒に感謝の言葉と必ず甦るという決意を残し、スプリンガーと共にどこともなく旅立って行った[ep 3]。
仲間たち
古賀 竜一郎 ()- メタルダーの製作者で、ロボット工学の権威。家族は学生時代に結婚した妻と[ep 4]、その間に出来た息子の竜夫がいる。竜夫は戦争さえなければバイオリニストになれたほどの音楽の才能の持ち主と称され、21歳のときに海軍少尉になるが、1944年10月に最初の特攻機に搭乗し戦死した[18]。
- 東京帝国大学工学部を卒業後は同大学で教授を務め、戦中は日本軍部の指導の下、大学内に古賀特別研究室が設立され、そこで超人機の開発を行っていた。終戦後はアメリカに渡りNASAに所属。退職後もケンタッキー州に一人で住んでいたが、ネロスの企みを察して日本に帰国し、メタルダーを覚醒させる。その直後メタルダーに闘争心のきっかけを作り[14]、死の意味を伝えるため、自ら身体を張ってネロス帝国の軍団員に殺される[ep 2]。死後、流星の手で山中に埋葬されており、信吾が帰国した際は舞や八荒と共にその墓標に手を合わせた[ep 5]。
- メタルダーからは当初「古賀博士」と呼ばれていたが、人間のことを理解するうちに「お父さん」と呼ぶ場面も見られた。
- スプリンガー
- メタルダーの相棒のドーベルマン型ロボット。第2話から登場。元々は超人機開発の前段階で実験用として開発された。人語を解し[8]、鼻は本物の犬以上に利く。メタルダーこと流星に人生の様々なアドバイスをし、彼のメンテナンスやサポートを行う[8]。テレビ好きという一面も持っており[8]、特にアニメを好んで視聴する。
- 舞とは第18話、八荒とは第20話で初めて顔を合わせた。
- ネロス帝国との戦いが終わった後、旅立つメタルダーへと付き従っていった[ep 3]。
仰木 舞 ()- 『週刊アップ』と契約しているカメラマンで、流星が古賀博士以外に初めて出会った人間。第2話から登場。母とは死別し、また父である信吾も通信社の支局特派員として海外に赴任していることが多いため、コーポキタというマンションで愛犬のマミーと暮らしている。
- 明るい性格でカメラマンということもあって好奇心旺盛。世界を知らない流星は彼女を通じて世界を知り、彼女も流星の素性を知ってから、彼に協力するようになる。流星に好意を抱いているらしく、流星と一緒にいる怪盗レッドパンサーことユイに嫉妬したこともあった[ep 6]。
- メタルダーの願い通り、彼の超重力制御システムを破壊しようとする八荒を止めようとするが、メタルダーと八荒の友情に打たれ、その結末を見届けた[ep 3]。
北 八荒 ()- モトクロス選手権を目指す新人GPライダーで、元暴走族という経歴を持つ。第16話から登場。血液型はO型(RH-)。生身の人間ゆえに格好が付かないことが多いが、それでも助勢する人情に厚い勇敢な性格の持ち主でもある。一人暮らしをしているためか料理が得意。
- 取材にやって来た舞に思いを寄せており、当初は流星を恋敵として意識していたが、後に彼がメタルダーであることを知り、次第にネロス帝国との戦いにも協力していくようになる。ジャック電撃応援団と呼ばれるオートバイ仲間がおり、軽闘士レベルなら互角以上に奮闘していた。
- 最終決戦ではメタルダーの願いを果たすべく、彼の超重力制御システムを破壊する[ep 3]。
- 物語の中盤から登場したが、登場予定は企画段階からあったという。また当初の設定ではネロス帝国のスパイで、スパイ目的でメタルダーと接するうちに真の友情に目覚め、仲間になるという物語が展開される予定だった。[要出典]
- マミー
- 舞の愛犬で雌のセント・バーナード。第5話から登場[注釈 6]。中近東の出身で内戦に巻き込まれ、産んだ子供たちとも散り散りになってしまった後、中近東の特派員として派遣されていた信吾にベイルートで拾われた過去を持つ。第29話ではジョージとの交流も描かれた。
仰木 信吾 ()- 舞の父で、通信社のワシントン支局に勤務する支局特派員。第34話から登場。舞の依頼を受けてアメリカで古賀博士の足跡を追い続けるうちに、ゴッドネロスの存在に気付く。
- 帰国後もゴッドネロスの存在に迫ろうと活動を続けるもネロス帝国に捕らわれ、ゴッドネロスの催眠光線で操られた状態でタグスキーの鎧をまとってメタルダーに襲い掛かる[注釈 7]。メタルダーによって救い出された後、最終決戦に際しては舞と八荒と共に流星からのビデオメッセージを見届け、流星の元に向かう舞と八荒を送り出した[ep 3]。
- 暴魂トップガンダー
- 漆黒のボディを持つガンマンロボット。赤い隻眼と無骨な左腕のマニピュレーターが特徴で、使用する大型のライフル[注釈 8]は岩をも一撃で粉砕するほどの威力を持ち、持ち前の百発百中の命中精度と合わせて大きな武器となる[注釈 9]。再登場後は左拳を赤く光らせてのパンチ技[注釈 10]も身につけた。
- 勝負の世界では勝つことこそ全てであると語る一方、同時に「勝利とは正々堂々戦って得られるもの」という確固たる美学の持ち主でもあり、常に1対1の正々堂々とした戦いに強いこだわりを見せる。その美学への強いこだわりから、同じネロス帝国の軍団員相手でも、余計な手出しをしようとすれば銃口を向けるなど、時として帝国の軍規に反した振る舞いに及ぶことすらある。このように「孤高のスナイパー」としての性格が与えられている一方、自分が背負った業を割り切れないがゆえの寂寥感を禁じえない様子など、時として繊細な内面が垣間見られるような描写もある。
- メタルダー抹殺のための刺客として選出され、武器を持たない彼に対して「一度自分のライフルを置いてから、それを先に取った方が勝ち」というルールで勝負を行う。三度の対峙の末、メタルダーの放った竜夫の形見の短剣に敗れるが、その信念に共鳴するものを感じたメタルダーに命を救われる。その後軍規違反の廉で処刑されそうになるも、メタルダーとの再戦を果たすべく寸前に脱出。執拗な追撃に傷付いていたところをメタルダーによって再び命を救われ、再戦に向けて腕を磨くべく誰も知らぬ土地へと去っていた。
- 後にクロスランダーの来日と時を同じくして再び登場し、非道な振る舞いに及ぶ帝国と完全に決別。以降はメタルダーに要所要所で力を貸すこととなる。終盤ではゴーストバンクの崩壊にも立ち会うも、直後にクールギンの姿に扮したゴッドネロスの手にかかり、メタルダーに看取られながら最期を迎える。形見となったライフルは流星たちの手で墓標とされた[ep 7]。その墓には「最愛の友 ここに眠る」と書かれている。
注釈
- ^ 厳密にはジバンは人間を素体としたサイボーグ。
- ^ 翌年の『世界忍者戦ジライヤ』でも同様。
- ^ 書籍『超人機メタルダー大百科』では古賀博士は開発部長であり、古賀博士の指揮のもと設計課長の染谷一郎(陸軍技術中佐)、江木豊、村上荘司らによって作られたと紹介している[15]。
- ^ 妹尾の二役。
- ^ 妹尾自身がサキソフォン演奏が趣味で特技。
- ^ 名前が明らかになったのは第29話。
- ^ 書籍『全怪獣怪人 下巻』では、名称をタグスキーIIと記載している[19]。
- ^ 最初使っていたものはネロス帝国を離反する際に失われてしまったため、再登場に際して新しいライフルをどこかから調達している。
- ^ 本来は左利きという設定だが、石垣広文がスーツアクターを務めた際は右利きとなっている[20]。
- ^ ゲーム『スーパーヒーロー作戦』でエナジーブレイカーと名付けられている。
- ^ 第1、2話のテロップでは桐原コンッエルンと誤表記。
- ^ 書籍『メタルヒーロー最強戦士列伝』では、サラリーマンの出世競争をモチーフとしているものと解釈している[2]。
- ^ 劇場版のテロップでは豪将タグスキー(兄)と表記。
- ^ 劇場版のテロップでは豪将タグスロン(弟)と表記。
- ^ 名称は、書籍『宇宙船別冊 超人機メタルダー』ではウォッガーII世[47]、書籍『全怪獣怪人 下巻』ではウォッガーIIと記載している[48]。
- ^ 第5話からの登場であるため、それ以前の回や放送初期のスチールではトップガンダーが序列の二番手となっている。
- ^ 書籍『全怪獣怪人 下巻』では、名称を改造ガルドスと記載している[60]。
- ^ 第17話では元々二丁拳銃の使い手であったことがトップガンダーの口から語られている。
- ^ 書籍『全怪獣怪人 下巻』では、名称を改造クロスランダーと記載している[60]。
- ^ 専用バイクのデザインも起こされており、高射砲的な砲台への簡易的な変形ギミックも考えられていた[62]。
- ^ 書籍『全怪獣怪人 下巻』では、名称をゴチャック第2形態と記載している[60]。
- ^ 資料によっては、名称をジュニアと記載している[81][1]。
- ^ 胸に魚雷発射管を備え、そこにメガドロンやアグミスが乗れるだけの大きさを想定して描かれている[16]。
- ^ 書籍『宇宙船別冊 超人機メタルダー』では「破壊砲」[91]、書籍『全怪獣怪人 下巻』『超人機メタルダー大百科』では「機関砲」とそれぞれ記載している[86][90]。
- ^ 劇場版のテロップではミラージュハシヤと誤表記。
- ^ 第9 - 14話、および劇場版は、変身前もメタルダー役の飯田道郎が声を吹き替えている。
- ^ 第2話の冒頭、および最終回のラストシーンでは、妹尾洸自身が吹き替えている。
- ^ 岡元は、妹尾の吹き替えと凱聖の1体を演じたと述べている[100]。
- ^ 同一話内で複数回使用される場合もあった。
- ^ 3月30日は『オールスター頭の良くなる学校』(19時 - 21時)放送のため休止。
- ^ 8月3日は『カリブソン'87』(8時30分 - 4日0時30分)放送のため休止。
- ^ 8月10日は『ナイトライダー・スペシャル』(19時 - 21時)放送のため休止。
- ^ 1月3日は『NANNOこれしきとんねるず』(9時 - 10時)放送のため休止。
- ^ 次作『世界忍者戦ジライヤ』の後番組として放送された。
- ^ 当時はレコードからCDへのメディア移行期であった[105]。
参照話数
出典
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