結核性髄膜炎 治療

結核性髄膜炎

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/10/21 13:59 UTC 版)

治療

抗結核薬

日本結核診療ガイドラインでは結核性髄膜炎に対しても肺結核と同様の標準的な治療を行う。肺結核の初期の治療はイソニアジト(イスコチン®)とリファンピシン(リファジン®)にエタンブトール(エブトール®)またはストレプトマイシンを加えた3剤以上の併用が必要である。ピラジナミド(ピラマイド®)を加える事で薬剤耐性の危険性がさらに低下するとともに治療期間を最短に抑えることができる。これらの3剤または4剤の治療が標準療法となる。標準療法の最大の障害は薬剤による副作用である。標準治療を行った4人に1人は何らかの薬剤変更が必要であったという報告もある。標準療法が行えないと副作用が多く、抗菌力も劣る二次抗結核薬を長期使用することになる。イソニアジトとリファンピシンの発熱や発疹の副作用で使用できない時は減感作療法も検討されガイドラインも示されている。標準治療はピラジナミドの有無によって2つある。標準治療法Aは初期2ヶ月間はイソニアジト、リファンピシン、ピラジナミドにエタンブトールかストレプトマイシンを加えた4剤、以後4ヶ月はリファンピシンとイソニアジドの2剤で治療する。標準治療法Bは初期2ヶ月間はイソニアジト、リファンピシンにエタンブトールかストレプトマイシンを加えた3剤、以後7ヶ月はリファンピシンとイソニアジドの2剤で治療する。結核性髄膜炎の治療ではイソニアジド(INH)とリファンピシン(RFP)を使用する期間は3ヶ月間延長する。

ステロイド

ステロイドはくも膜下腔の炎症鎮静化、中枢神経の免疫反応の増悪防止、水頭症・脳梗塞の予防効果があるとされている。デキサメサゾン0.3~0.4mg/kg/dayの投与を3週間行い、以降3~6週間で漸減する。

外科手術

水頭症に対するシャント術、巨大な結核腫の除去術、脳膿瘍のドレナージ術がある。


  1. ^ Imam YZ, et al. Adult Tuberculous Meningitis in Qatar: A Descriptive Retrospective Study from its Referral Center. Eur Neurol. 2015;73(1-2):90-97.


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