経営事項審査 虚偽申請

経営事項審査

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/06 23:03 UTC 版)

経営事項審査(けいえいじこうしんさ)とは、日本建設業において、公共工事の入札に参加する建設業者の企業規模・経営状況などの客観事項を数値化した、建設業法に規定する審査。略して経審(けいしん)とも呼ばれる。

概要

  • 経営事項審査とは、建設業法(昭和24年5月24日法律第100号)第4章の2に定める「建設業者の経営に関する事項の審査等」のことである。同法第27条の23では第1項で「公共性のある施設又は工作物に関する建設工事で政令で定めるものを発注者から直接請け負おうとする建設業者は、国土交通省令で定めるところにより、その経営に関する客観的事項について審査を受けなければならない。」と規定され、第2項では経営事項審査は、「経営状況」及び「経営規模等」(経営規模、技術的能力、その他の客観的事項)について数値による評価をすることにより行う」と規定している。また、第3項では「経営事項審査の項目及び基準は、中央建設業審議会の意見を聴いて国土交通大臣が定める。」と規定しており、制度改正には必ず中央建設業審議会(中建審)が開催される。

「経営状況」の分析は国土交通大臣の登録を受けた者(登録経営状況分析機関)が行う。一方、「経営規模等」の評価は国土交通大臣又は都道府県知事が行う。

経営事項審査を必要とする工事

建設業法第27条の23第1項における「公共性のある施設又は工作物に関する建設工事で政令で定めるもの」については、建設業法施行令第27条の13で定められている。

第二十七条の十三 法第二十七条の二十三第一項の政令で定める建設工事は、国、地方公共団体、法人税法(昭和四十年法律第三十四号)別表第一に掲げる公共法人(地方公共団体を除く。)又はこれらに準ずるものとして国土交通省令で定める法人が発注者であり、かつ、工事一件の請負代金の額が五百万円(当該建設工事が建築一式工事である場合にあつては、千五百万円)以上のものであつて、次に掲げる建設工事以外のものとする。
一 堤防の欠壊、道路の埋没、電気設備の故障その他施設又は工作物の破壊、埋没等で、これを放置するときは、著しい被害を生ずるおそれのあるものによつて必要を生じた応急の建設工事
二 前号に掲げるもののほか、経営事項審査を受けていない建設業者が発注者から直接請け負うことについて緊急の必要その他やむを得ない事情があるものとして国土交通大臣が指定する建設工事

— 建設業法施行令(昭和三十一年政令第二百七十三号)より抜粋[1]

同令における「これらに準ずるものとして国土交通省令で定める法人」については、建設業法施行規則第18条で定められている[注 1]

手順

①建設業者が登録経営状況分析機関に対し経営状況分析申請を行い、登録経営状況分析機関は経営状況分析を行ったときは、遅滞なく、当該経営状況分析の申請をした建設業者に対して、当該経営状況分析の結果に係る数値を通知(具体的には「経営状況分析結果通知書」を交付)

②建設業者が国土交通大臣又は都道府県知事(審査行政庁)に対し経営規模等評価申請を行い、審査行政庁は経営規模等評価を行ったときは、遅滞なく、当該経営規模等評価の申請をした建設業者に対して、当該経営規模等評価の結果に係る数値を通知(具体的には「経営規模等評価結果通知書」を交付)

③建設業者が審査行政庁に対し、総合評定値の請求を行う。ただし、建設業者は①で通知された経営状況分析の結果に係る数値を自社の建設業の許可をした国土交通大臣又は都道府県知事(許可行政庁)に提出しなければならない。審査行政庁は、経営規模等評価の申請をした建設業者から請求があったときは、遅滞なく、当該建設業者に対して、総合評定値(客観的事項の全体についての総合的な評定の結果に係る数値)を通知(具体的には「総合評定値通知書」を交付)

④審査行政庁は、公共工事の発注者(発注行政庁)から請求があつたときは、遅滞なく、当該発注者に対して、当該建設業者の総合評定値(当該発注者から当該建設業者の「経営状況分析」に係る数値及び「経営規模等評価」に係る数値の請求があった場合は、これらの数値を含む。)を通知。ただし、当該業者が総合評定値の請求をしていない場合は、審査行政庁は「経営状況分析」に係る数値を持っていないため、「経営規模等評価」に係る数値のみを通知すればよい。

となる。よって、建設業者は「経営状況分析」のみの受審でもよいし、「総合評定値」を請求しなくてもよいのだが、ほぼすべての発注者における入札参加資格審査申請では総合評定値を求められるため、実際はほぼすべての申請業者は③まで行う。また、②と③は同時進行で行われ、審査行政庁から交付される「通知書」も一体化している。なお、この「通知書」は下部に(参考)として「経営状況分析」に係る数値も掲載しているため、この「通知書」だけで、経営状況分析を含む経営事項審査全体の審査結果が把握できる。

公共工事を受注したい建設業者はこの経営事項審査を受けることが義務付けられている。有効期間は審査基準日(通常は決算日)から1年7箇月間。また、有効期間内に審査事項が変更になった場合、再審査を受けないと不利益をこうむることがある。

  • この経審の総合評定値を客観点とし、これに各官庁・地方自治体等の独自の基準(主観点)を加えた総合点数で、入札ランクを決定する官庁・地方自治体等がほとんどである。
  • 審査行政庁(国土交通大臣又は都道府県知事)が定めた添付書類(裏付け資料)を基に審査され、ペーパーカンパニー暴力団関連の建設業者、いわゆる不良不適格業者を排除する仕組みを取り入れている。
  • 審査は、審査基準日における下記に列挙する項目を評価する。審査を申請する日に審査事項が改善していても、審査基準日においての状況で判断する。
  • 経審は、建設業許可を取得している企業しか受けることができない。したがって、建設業許可の取得のための審査ではなく、公共工事の受注を希望する建設業許可業者が、各官庁・地方自治体等の入札参加資格審査を受けるためのものである。
  • 原則、審査基準日の内容1回だけだが、建設業の業種追加で許可を受けたときなど追加業種について、再度、経営事項審査を受審することが可能。ただし、審査手数料は、追加分だけでなくすべての業種数で計算される。すでに受審済みの分の数値などは変更にならない(例3業種受審し、建設業許可を業種追加し1業種追加するなどの場合は4業種分の手数料が必要になる)。

審査項目

総合評定値=P点を一定の計算式によって申請業種ごとに出す。計算式と要素は下記のとおり[2]

P=

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