獣王星
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/06 05:41 UTC 版)
植物
キマエラでは、生命を持った特殊な植物が数多く生息している。そのほとんどは肉食。
- ムーサ
- キマエラに生息する樹。発芽すると物凄い勢いで成長しドームを形成する。その時地中から水を汲み上げてくるのでキマエラの住民はムーサの発芽を心待ちにしている。ムーサの樹液はベラ・ソナーを除く他の植物が嫌がるほどの異臭を発するため移動の時に樹液を「におい袋」と呼ばれる袋に入れてよく持っていく。
- 普通は発芽時以外成長しないが、自転加速装置が動いてボールが発射された際にはまるでキマエラの意志かのように成長してボールを阻止した。
- カリプト
- キマエラに生息する樹。一見普通の樹だが刃物で突き刺す、銃撃するなどの刺激を与えると樹液が噴出しそれを触手代わりにして獲物を殺す。樹液は12時間は生きている。キマエラの住民はこの樹液を大きな獣を殺すために使用する。
- タジン
- キマエラに生息するヒルに似た植物。樹肉は美味らしい。
- エズル
- キマエラに生息する移動型寄生植物。弱いながらも毒を持っており、隙を見て一瞬だけ強い植物を毒で麻痺させ、寄生することで少しずつ食らいつく。
- ベラ・ソナー
- キマエラで最も凶暴な巨大植物。恐竜に例えるとティラノサウルス。普段は地中に潜み、獲物が来るといきなり姿を現し獲物を食べまた地中に潜る。ベラ・ソナーの力はヘカテの鉄板の地面を簡単にぶち破るほど。従来の植物とはケタ外れであり、ベラ・ソナーにはムーサの樹液も通用しない。球根が弱点。キマエラの住民でもベラ・ソナーを倒せる者はごく僅か。
星系
- バルカン星系
- 地球より150光年離れた星系。いくつかのスペースコロニーが存在する。キマエラ以外の星は環境改造(テラフォーミング)されている。
- ユノ
- バルカン星系のコロニーでエリートが住んでいる。トールとラーイの出身コロニー。
- レア
- バルカン星系の第三惑星。ヘザー(サード)の出身惑星。
- ヘカテ
- バルカン星系の第二惑星。囚人達が送られる星。原作では刑務星と表記されている。
- イオII
- ヘカテにある研究施設。
- イオIIではメインコンピュータの「ワルキューレ」やコールドスリープされた獣王、キマエラの植物の種子などがあり、キマエラの研究や「ミドガルド計画」をしている。自転加速装置が発動した際の「ワルキューレ」暴走時には獣王やキマエラの植物が生物兵器として利用された。
- キマエラ
- 本作の主要舞台である死刑惑星。別名獣王星(原作では「キマエラ」とルビが振られていることが多い)。バルカン星系では死刑が認められていないためバルカン星系の中でその存在を知っているものはごく僅かで、ほかの住人はこの星の存在を知らされていない。1年が181日あり、181日灼熱の昼が続きその後181日極寒の夜が続く。それぞれ昼と夜の間にはストームが吹き荒れる。そのため2年で1日経つ。植物が生態系のトップで動物はあまり居ない。人間には非常に厳しい環境で、キマエラの植物は意思を持った動物のように動き、人間を襲う。バルカン星系では貴重な鉱物がたくさん採れるがキマエラ内部ではたいした利用価値はない。30歳になるか獣王になればヘカテへ移住できる。
- かつて隕石がキマエラをかすめ、その影響で自転加速を早めたため現在のような環境になってしまった。
- オーディンはこの星を強力な遺伝子を造るための牧場にしている。そのため獣王制と呼ばれる制度などを作って惑星を影で管理している。
- 地球
- バルカン星系より150光年離れた星。人口が増えすぎたため移民を制限する代わりにオーディンに政治的権限を認めている。地球には限られた人間しか行くことができない。
- だが本当の地球は130年前にキマエラをかすめ、キマエラの環境を変える元凶となった巨大隕石によって粉々に砕けてしまった(実際には170年前高酸素帯に侵食された時点で滅びたという説があるが真相は不明)。バルカン星系が地球に行ったとされる地球訪問団の記憶を捏造してまで真実を隠蔽した理由は滅び行く人類にこれ以上の絶望を与えないためだった。
用語解説
- 輪(リング)
- キマエラ人のグループ。肌の色や性別で分けられている。これら輪は通常男性の集団を指し、女性は女(フィメール)に保護されている。キマエラの女性は貴重な存在であるため、婚約する男性を夫として選ぶことができる。輪を支配する上位3人はトップ、セカンド、サードと呼ばれる。トップだけは、頭と表記される。
- キマエラ独立後は廃止された。
- 茶輪(オークル・リング)
-
- 茶色い肌を持った者達が入れる輪。
- トールが茶輪に在籍中(怪我を負ったりしていたため)に挑戦して勝ったためトールのセカンドであるティズは特例である。
- 白輪(ブラン・リング)
-
- 白い肌を持った者たちが入れる輪(白人)。
- カリムはザギの部下(セカンド)のため、ティズのように特例である。
- 黄輪(サン・リング)
-
- 黄色がかった肌を持った者たちが入れる輪(東洋人)。
- 黒輪(ナイト・リング)
-
- 黒い肌を持った者たちが入れる輪(黒人)。
- 挑戦(トライ)
- トップに決闘を挑むこと。トップに勝利した者がその輪のトップとなれる。
- 獣王(じゅうおう)
- 挑戦(トライ)で4つの輪すべてのトップを殺害するとなれるキマエラの王。獣王になるとセカンド、サードと共にヘカテへ移住でき、人権も回復する。その制度を『獣王制』もしくは『獣王制度』と呼んでいる。
- しかし実際はヘカテに行けば「ミドガルド計画」のために冷凍睡眠されてしまう(セカンド、サード、30歳まで生きた者も同様)。
- 野童(やどう)
- 声 - 早水リサ
- 輪に属さない子供のグループ。
- 十四、五歳になれば大抵の者は出ていくらしく、成人すれば一人(ザギからすれば一匹)で生きていかないといけないらしい。キマエラの外から来た者と違って多くの夜を過ごしてきたため雰囲気がかなり違う。
- キマエラ人
- キマエラで生まれ育った者。キマエラの外から来た者と比べてかなり野性的。
- キマエラ人の先祖はバルカン星系の人と同じ地球からの移民だが過酷な環境に適応したためバルカン星系の人より寿命が長く、自然出産もできる。
- におい袋
- ムーサの樹液が入っている布袋。キマエラ人は必ずこの袋を護身用として持っている。
- エアバイク
- 輪が所有する、飛行移動用バイク。
- 斬糸(テグス)
- 鋭い糸状の武器。主にカリムが使用する。
- ビームナイフ
- トールがキマエラに落とされた際に手にしたコロニー製のビーム状の武器。スイッチ操作で3段階のビーム刃が成形される。
- 自転加速装置
- 惑星を強制的に改造する装置。完全発動したら地核自転を恒久的に加速させる「ボール」と呼ばれる球体型装置によって2時間おき、30秒ずつ1週間かけて自転を加速させる。それが起きれば天変地異が起こり、惑星に住む生物は間違いなく全滅する。
- ギリング元帥(アニメではオーディン)によって発動した後「ボール」がキマエラの地下深くまで進んだが、ムーサにより「ボール」が機動停止したため、装置は不発に終わった。
固有名詞の分類
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