濃度
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/20 13:42 UTC 版)
後者に従えば「質量モル濃度」と訳されているMolarityは「濃度」ではない[注 1][注 2]。しかし、MolarityやMolalityにそれぞれ「質量モル濃度」等「~濃度」以外の訳語は見られない[注 3]。
計量法における規定
「濃度」は、計量法体系における根本的概念である89種の「物象の状態の量」(おおまかには物理量と考えてよい。)の一つであり、濃度の法定計量単位は次のように、18種に限られている。このうちSI単位 であるものは最初のモル毎立方メートル、キログラム毎立方メートル、グラム毎立方メートル の3種だけであり、それ以外の15種は非SI単位である(リットルは非SI単位である。ただしSIと併用できる)。
分類 | 計量単位(SI単位) | 計量単位(非SI単位) |
---|---|---|
いわゆるSIに係る単位 | モル毎立方メートル キログラム毎立方メートル[注 4] グラム毎立方メートル[注 5] | モル毎リットル グラム毎リットル[注 6] |
SI単位のある量についての非SI単位 | 質量百分率 質量千分率 質量百万分率 質量十億分率 質量一兆分率 質量千兆分率 体積百分率 体積千分率 体積百万分率 体積十億分率 体積一兆分率 体積千兆分率 ピーエッチ |
上記の18種以外の様々な濃度の計量単位は、すべて非法定計量単位であり、取引・証明に用いることは禁止されている(取引・証明に用いると50万円以下の罰金がある(計量法第173条第1号)[2])。
なお、規定度(計量法上は、規定)は、1997年10月1日以降は非法定計量単位となったので、取引・証明に用いることは禁止されている。
IUPACによる濃度の定義に基づく分類
国際純正応用化学連合(IUPAC)は明らかに先のJISの立場であり IUPACが発行しているGold Bookでは次の四つの量、質量濃度(mass concentration)、量濃度(amount concentration)、体積濃度(volume concentration)、数濃度(number concentration)のグループのことであり、これは混合物の組成の特徴を表す量であると定義している[3]。また、concentrationは、amount (of substance) concentrationの略としても使われるとしている[注 7]。この立場では、Molalityは日本では「質量モル濃度」と訳されているが"concentration"ではない。
質量濃度
質量濃度
濃度に関係するその他の単位
質量モル濃度
質量モル濃度
比体積
比体積
質量分率
質量分率
注釈
- ^ IUPAC Green Book 第2版 p.50の表では平衡定数にはmolality bsisとconcentration basisと(pressure basisと)があり、区別している。したがって、molalityはconcentrationとは違うものと位置づけていると判断できる
- ^ Webサイト「IUPAC Gold Book」のconcentrationのページではNormalityが入っていない
- ^ 英語版Wikipediaはmolalityなどの量はconcentrationと呼ぶべきでないとしている。
- ^ 密度の単位でもある。
- ^ 密度の単位でもある。
- ^ 密度の単位でもある。
- ^ 臨床化学ではsubstance concentrationとも言う[3]
出典
- ^ 日本規格協会『JISハンドブック 49 化学分析』2008年。
- ^ 2.取引又は証明における規制 経済産業省
- ^ a b c IUPAC.“concentration”. IUPAC Gold Book.
- ^ NIST SI Guide Section 8.6.2
- ^ NIST Guide to the SI 8 いくつかの量とその単位についての注
- ^ IUPAC. “mass concentration” (英語). IUPAC Gold Book. 2019年5月14日閲覧。
- ^ http://www9.ocn.ne.jp/~thcl/s27.htm
- ^ 日本化学試験所認定機構(JCLA) (2003年). “化学測定におけるトレーサビリティ 化学測定において相互に比較できる結果を得るためのガイド(JCLA PR-24テクニカルノート(3) 附属書B)” (PDF). 2019年5月14日閲覧。
濃度と同じ種類の言葉
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