捕鯨文化 鯨と祭礼

捕鯨文化

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/23 06:32 UTC 版)

鯨と祭礼

鯨祭り

日本各地で鯨漁神事や鯨供養祭などと呼ばれる捕鯨や鯨にまつわる祭が寺社を中心に地域振興として開催されている。

北勢地方の鯨船行事
三重県北部、北勢地方(四日市市周辺)の伊勢湾沿岸地域では、四日市市中部地区の「諏訪神社」、富田地区の「鳥出神社」の富田の鯨船行事、七つ屋町地区の「御薗神社」、塩浜 磯津地区の「塩崎神社」、楠町南五味塚地区の「南御見束神社」、鈴鹿市長太地区の「飯野神社」の祭礼で8月から10月にかけて、捕鯨に纏わる活動を彫刻を施し刺繍入りの幕で飾り立てた豪華な鯨船山車とハリボテの鯨を使って陸上で表し、神社に奉納する行事がそれぞれ別日程で行われている。(「御薗神社」「塩崎神社」は休止中)これらのうち、富田地区の鯨船行事が国の重要無形民俗文化財に、中部地区の鯨船山車・明神丸(四日市祭)が三重県の有形民俗文化財に、楠町南五味塚地区の行事が四日市市指定無形民俗文化財に、鈴鹿市長太地区の行事が鈴鹿市指定無形民俗文化財に、これら鯨突き行事全体が国の選択無形民俗文化財になっている。
牡鹿くじら祭り(鮎川くじら祭)
宮城県石巻市鮎川で行われる。
梶賀ハラソ祭り
三重県尾鷲市梶賀町で行われる。多くの鯨祭りが捕鯨を模した形で陸で行われるのに対し、実際に海に船で漕ぎ出す勇壮な祭である。毎年1月15日に開催され、江戸時代の古式捕鯨を再現したもので、梶賀町の地蔵寺での鯨の供養に始まり、当時と同じ「ハラソ船」という木造の鯨舟で古式漕法を使い海に出る。船には七本の大漁旗が掲げられ「ハラソ」や「ハラヨイヨイヨー」の掛け声が岸や漕ぎ手から発せられ、湾内を一周する間に「突き役(ハダシ)」と呼ばれる銛打ちが船先に飛び乗り、鯨を獲る様子が披露される。そのままハラソ船で曽根町の飛鳥神社まで出向き、豊漁祈願をして梶賀の港に戻ってくるという長い行程の祭りである。「ハラソ」の意味は諸説あり、銛打ちのことを「羽刺(はざし)」と呼ぶことや渡来人とされる「秦氏(はたし)」との縁(ゆかり)からなどといわれる。

鯨山車

日本各地で行われる鯨祭りと呼ばれる祭で主に使用される。特に鯨船山車においては古くから保存されてきた実物も多く存在し和船や伝統捕鯨の文化史的資料としても貴重である。

鯨山車
鯨を模した山車
鯨船山車
鯨船を模した山車。または鯨舟の実物やそれを装飾したものなどがある。
恵比寿山車
豊漁の神とされる恵比寿を乗せた山車。船山車に恵比寿が乗るものもある。

  1. ^ 「流れ鯨」や「寄り鯨」の意味については捕鯨座礁鯨を参照。
  2. ^ ほかに漂着物や水死体などをも同様の信仰対象とした例がある。詳細はえびすを参照。
  3. ^ 大王町史編さん委員会『大王町史』321-324、892頁。平成6年8月1日。大王町発行。
  4. ^ 日蓮書状『鎌倉遺文』12830号(17巻 136頁)
  5. ^ 東京都墨田区両国
  6. ^ 和歌山県から三重県に跨る湾
  7. ^ 大阪市中央区千日前






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