抗真菌薬 深在性真菌症の診断と治療の基本パターン

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抗真菌薬

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/24 17:15 UTC 版)

深在性真菌症の診断と治療の基本パターン

ハイリスク患者の深在性真菌症

深在性真菌症を発症し易い、ハイリスク患者がいる。例えば、好中球減少、抗菌薬使用中、ステロイドホルモン薬の使用中、AIDS、GVHD、長時間手術、ICU長期在室、人工呼吸器使用、中心静脈カテーテル留置、高APACHEⅡスコア、多発外傷、広範囲熱傷などが該当する。致命的な結果に至り易い、血液疾患を基礎疾患としたハイリスク患者には、抗真菌薬の予防投与を行う場合がある。

深在性真菌症を疑う臨床症状は、何らかの感染所見が有るのに抗菌薬を投与しても効果の見られない抗菌薬不応性発熱の他に、ショック、咳嗽、血痰、胸痛、呼吸困難、頭痛、意識障害、腹部鈍痛、黄疸、視力障害などが挙げられる。一般検査所見では、CRPや白血球などの炎症反応高値や、肝機能障害などから疑う。

疑わられたら真菌培養や遺伝子検査の他に、画像検査や血清学的な補助診断を行い、深在性真菌症と診断したら、治療を開始する。

ハイリスク患者以外の深在性真菌症

健康診断で健常者に見つかる可能性が有るのが、肺アスペルギルス症、肺クリプトコッカス症である。深在性真菌症と免疫の関わりでは大きく、好中球依存型と細胞性免疫依存型の2つのグループに分類できる。前者に属する物としては深在性カンジダ症、アスペルギルス症、トリコスポロン症、ムコール症、フサリウム症などが有り、後者では表在性カンジダ症、クリプトコッカス症、ニューモシスチス症、マルネッフェイ型ペニシリウム症、ヒストプラズマ症、コクシデオイデス症、パラコクシジオイデス症が含まれる。 カンジダ症は菌血症のような深在性感染では好中球依存型であり、口腔、食道、膣カンジダのような表在性感染では細胞性免疫依存型と考えられている。


  1. ^ a b c 上野 芳夫・大村 智 監修、田中 晴雄・土屋 友房 編集 『微生物薬品化学(改訂第4版)』 p.233 南江堂 2003年4月15日発行 ISBN 4-524-40179-2
  2. ^ a b c 上野 芳夫・大村 智 監修、田中 晴雄・土屋 友房 編集 『微生物薬品化学(改訂第4版)』 p.238 南江堂 2003年4月15日発行 ISBN 4-524-40179-2
  3. ^ 上野 芳夫・大村 智 監修、田中 晴雄・土屋 友房 編集 『微生物薬品化学(改訂第4版)』 p.236 南江堂 2003年4月15日発行 ISBN 4-524-40179-2
  4. ^ 佐藤 哲男・仮家 公夫・北田 光一(編集)『医薬品トキシコロジー(改訂第3版)』 pp.16-19 南江堂 2006年4月15日発行 ISBN 4-524-40212-8
  5. ^ 岩川 愛一郎(監修) 水嶋 昭彦(著)『検査数値と病気がわかる 内臓のしくみとはたらき』 p.174 日本文芸社 2013年8月15日発行 ISBN 978-4-537-21126-9


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