戦争の世代
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 04:57 UTC 版)
第4世代
第4世代の戦争の特徴は、平時と有事、戦闘員と非戦闘員の区別が曖昧であることである。この用語は、1989年にウィリアム・S・リンド等のアメリカの研究者たちによって、戦争が戦闘部隊を有する非国家主体によって遂行される形に回帰していることを表現するために使われた。
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第4世代の戦争は以下の要素を含むと定義される。
- 複雑で長期間にわたる紛争
- 政治、経済、社会、軍事上のあらゆる攻撃手段の採用
- テロリズム、反乱およびゲリラ戦術の使用
- 情報操作および法律戦を通じた巧妙な心理戦の使用
- 敵の核心的部分に対する直接攻撃(敵の文化を破壊するための民族浄化を含む。)
- 国家にとらわれず、国境を越え、高度に分散
- 戦闘員と非戦闘員の区別が困難
- 階層(ピラミッド)型組織の欠如
- 個々の組織は小規模であるが、通信と財政支援のネットワークが形成されている。
なお、第4世代の戦争の理論は、「従来からある国家と非国家主体の衝突をまとめ直したものに過ぎない」と批評されている[3]。
代表例として以下の戦争が挙げられる。
- 第一次ポエニ戦争
- 第三次奴隷戦争
- 北アイルランド問題
- 半島戦争
- ルワンダ紛争
- タリバンの反乱
- 2011年リビア内戦
- シリア内戦
- イラクの反乱(2003–2011)
- エジプト危機(2011–2014)
- ウクライナ紛争 (2014年-)
関連項目
- ^ Lind, William S.; Nightengale, Keith; Schmitt, John F.; Sutton, Joseph W.; Wilson, Gary I. (October 1989), “The Changing Face of War: Into the Fourth Generation”, Marine Corps Gazette: 22–26
- ^ a b c d Lind, William S. (January 15, 2004), “Understanding Fourth Generation War”, antiwar.com 2010年2月7日閲覧。
- ^ On Fourth Generation Warfare, The Mackenzie Institute
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