懐中電灯 電池に関する注意

懐中電灯

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/14 05:41 UTC 版)

電池に関する注意

懐中電灯の能力を正しく発揮するため、機種に適した電池を使用する必要がある。

長期保管を前提とした常備灯などではマンガン乾電池、高光量を求めたものはアルカリ乾電池での使用を想定して設計されたものが多い。

ニカド電池 (Ni-Cd) やニッケル・水素充電池 (Ni-MH) は電圧が低いため、アルカリ乾電池やマンガン乾電池の代わりに用いると十分な光量が得られない場合がある。なお、「エネループ」が普及して以降の新製品にはニッケル・水素充電池 (Ni-MH) に対応し、性能を十分に発揮できるものがある。ただしNi-MH電池を防爆ライトや水中ライトなどの気密性の高い機器で使用すると水素ガスが機器内部に充満して危険である。

かつて販売されていたオキシライド乾電池は電圧が高いため、短時間で電球のフィラメントを焼き切ってしまう危険性がある(注意書によると、実験ではフィラメントの高熱で豆電球が溶けた例もある)。そのため、オキシライド乾電池の製造元である松下電器産業(現:パナソニック)では、豆電球を使った機器に使用しないよう呼びかけている。

電池の液漏れによる腐食を防ぐため、長期間使用しない場合は電池を外しておくことが望ましい。常備灯にあっては、定期的な点検を心がけたい。なお、リチウム電池(一次電池)を利用するタイプには長期間放置しても大丈夫なタイプもある。

懐中電灯の使用に関する注意

強力な光を発する懐中電灯全般に言えることだが、注意書きにもあるように、人の顔めがけて照射してはならない(白内障等、視覚障害の原因となるため)。

高出力タイプの中には連続点灯時間が規定されているものがある。これは連続使用による温度上昇で故障する可能性があるためである。電球を使うタイプでは、フィラメントが切れたり電球自体が破損し、短時間で使用不能となることがある。本来長寿命であるLEDを使うタイプでも、大電流で明るさを売りにした製品などは熱による劣化でLEDの寿命が著しく短くなる。また、光源以外に電源回路も熱によるダメージを負う場合がある。詳細は各製品の取扱説明を参照すること。

防水型では、防水性能を維持するため、防水用のOリングなどを手入れすることが重要である。定期的なOリングへのシリコーンオイルの塗布やOリング自体の交換を必要とする(通常の機械油ではOリングが劣化・破損する場合があるので注意)。

2017年には、正当な理由なく懐中電灯を隠して持ち歩く行為により、軽犯罪法違反容疑で逮捕された事例がある[8]

主な懐中電灯メーカー&ブランド名

  • パナソニック株式会社(日本) - 東日本大震災以降、常備灯や多機能ライトといった防災を意識した製品を多く発売しており、自転車用ライトも販売してる。現在は同社に統合された三洋電機も多くの懐中電灯を作っていた。
  • ジェントス株式会社(日本) - GENTOSとして日本国内のホームセンターや家電量販店で販売されている。マーケティングの強さから国内の産業分野・現場での支持が厚い。アウトドア用、自転車用など含めて種類がとても多く、デスクライトも手掛ける。日本では特別救助隊の御用達メーカー。
  • 朝日電器株式会社(日本) - “ELPA”のブランド名で、日本国内のホームセンターや家電量販店で販売されている。
  • 株式会社オーム電機(日本) - OHMのブランドで多品種を販売、仏壇用のろうそく型LEDライト等も手掛ける。
  • 株式会社TJMデザイン(日本)- TAJIMAのブランド名で建設工具を多く手掛け懐中電灯もハンドライト、ヘッドランプ、ワークライトと建設現場での使用を想定した設計の物が中心である。
  • 株式会社キャットアイ(日本) - CATEYEのブランド名で主に自転車用の製品を多く発売している。
  • 冨士灯器株式会社 (日本) - 大正九年創業、電化される以前から灯器を生産している老舗であり、現在はZEXUS、milestoneなどのブランドでヘッドランプを中心に光る釣り具なども展開している。
  • MAG-LITE(米国) - 米国をはじめ世界的に有名。日本国内でも知名度は高く、比較的普及している。
  • SureFire LLC(米国) - 20年以上にわたり米軍正式採用の実績をもつ。軍・警察・消防から一般向けの製品まで幅広く手がける。
  • Streamlight英語版(米国) - 軍・警察・消防から一般向けの製品まで幅広く手がける。
  • Petzl英語版(欧州・米国) - 工業、アウトドア向けのヘッドランプが有名。主に建造物のメンテナンスや救助活動や登山に使われる登攀器具のメーカーであり、日本国内では主にアウトドア用品店で販売されている。
  • Energizer (米国)エナジャイザーのブランド名で電池が主であるが、上記の歴史の項でも触れられている通り懐中電灯の先駆者であり、現在でも特徴のある製品を多く販売している。
  • Ledlenser(ドイツ) - “LEDLENSER”(レッドレンザー)のブランド名で発売。
  • OLIGHT(中国)- オーライトのブランド名で大小様々な懐中電灯を扱う。日本国内では通信販売が主な販路となっている。
  • IMALENT (中国)- 超高ルーメンの高出力懐中電灯を主なセールスポイントとして、世界で最も明るい懐中電灯として知られている。世界中では通信販売が主な販路となっている。

注釈

  1. ^ カメラのフラッシュのほうは「エレクトロニックフラッシュ」が本来の呼称。

出典

  1. ^ 『日本大百科全書』【懐中電灯】
  2. ^ Merriam-Webster, definition of flashlight.
  3. ^ Patent number: 617592 by David Misell
  4. ^ History of Batteries (and other things)
  5. ^ a b Flashlight Museum
  6. ^ Steve Hathcock. “Give Me a Light”. Island Breeze. 2007年10月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2007年2月5日閲覧。
  7. ^ Brooke Schumm. “Nonrechargeable Batteries”. The Electrochemistry Encyclopedia. 2013年10月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年12月13日閲覧。
  8. ^ “理由なく「懐中電灯」持ってると逮捕される 軽犯罪法違反になる意外な物品”. J-CASTニュース (ジェイ・キャスト). (2017年3月12日). https://www.j-cast.com/2017/03/12292872.html?p=all 2017年6月11日閲覧。 


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