愛の戦士レインボーマン (アニメ)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/19 05:08 UTC 版)
概要
タツノコプロ製作『超時空要塞マクロス』との2本立てによる、日曜13時30分からの1時間枠「サンデーアニメプレゼント」としてスタートした。
旧作とは大きく異なった姿のレインボーマンや、巨大ロボット「レインボーセブン」の登場、敵組織の死ね死ね団の首領は宇宙人と、設定が一新されており、さらに特撮版では孤独なヒーローだったレインボーマンことヤマトタケシが仲間とともに戦うという、明るいヒーロー活劇として製作された。
監督には特撮版のキャラクターデザインを担当し、同じ川内康範原作のテレビアニメ『正義を愛する者 月光仮面』の監督も務めた岡迫亘弘が就任[1]。岡迫の起用は川内からの指名であったが、当時岡迫は土田プロダクションに所属していたため個人では受けられないと川内に伝えたところ、川内は土田プロダクションを経由しての発注とし、同社が元請けをすることとなった[1]。
日曜13時台に遅れネットを除く新作のアニメーションを放送するのは初めての試みだったが本作のみで半年(2クール)しか続かなかった。それ以降地上波においてはひとつも制作されていない。
衛星波の再放送、動画配信、映像ソフトの販売は2023年現在いずれも行われていない。
毎日放送と愛企画センターとの共同制作番組は同時期に『まんが日本昔ばなし』があり、その流れで本作のアニメ化が決まった。
レインボーマンの能力
特撮版同様「あのくたら さんみゃく さんぼだい」(阿耨多羅三藐三菩提)と唱えて変身し、各化身は基本的に特撮版と同じ術を使う。ただしレインボークロスのような合体術は存在しない。術を多用しすぎたり、修行を怠ると弱くなる。また、使用後は「ヨガの眠り」に就かなければレインボーマンに変身すらできなくなる。ただし特撮版のように自分の意思とは関係なく座禅を組むことはない。初期には「ヨガの眠り」を怠ったことで危機に陥る場面もあった。回復時間は特撮版同様に5時間。
- ダッシュ1
- 体色は金色。月の力を利用する。「月光の術」や「ムーンライトビーム」を使う。重力を使う術もある。デビルメカを足止め出来る程の力がある。
- ダッシュ2
- 体色は赤色。火の力を利用する。「火炎の術」を使う。耐熱機能も備えている。敵に火山弾を当てる「溶岩つぶて」なる技もある。
- ダッシュ3
- 体色は青色。水の力を利用する。「水雷砲の術」を使う。長時間水中に潜行することが可能。
- ダッシュ4
- 体色は緑色。木の力を利用する。「木の葉の術」を使う。忍者のように木の葉隠れの術を使ったり、葉を硬化させ、手裏剣のように投げる術もある。
- ダッシュ5
- 体色は橙色。光の力を利用する。「黄金の術」や「ゴールドフラッシュ」「ゴールデンアロー」を使う。最も早いスピードで空を飛べる。
- ダッシュ6
- 体色は紫色。土の力を利用する。土中を掘り進む「土遁の術」、岩石を周囲に撒き散らす「岩石の術」を使う。性質上、主に地中での活躍が目立った。
- ダッシュ7
- 通常体。体色は白色。太陽の力を利用。掌から青い光輪を連続して放つ「遠当ての術」や「念動力」といった念力系の術のほか、洗脳を解呪したり解毒を促す回復系の呪文も使う(死亡直後の少女を蘇生させたことも)。額のシンボルから「レインボーフラッシュ」を放つ。
レインボーセブン
大宮博士がダイバダッタの指示によって極秘裏に建造した「Vアーマー」と呼ばれるロボット。素体は額のシンボル(赤色)を除き白色だが、レインボーマンが「分身の術」で7化身に分身、Vアーマーに合体(合身[注釈 1])することで、7化身の体色[注釈 2]が着色され起動する。アニメ版では分身体が等身大で合体することがなかったため、特撮版のレインボークロスにあたる術といえる。巨大ロボット戦を展開させることが一番の理由だが、各化身の活躍を奪わないようにするための策ともいわれている。セブン時には7化身すべての術を使うことが可能で、その術を利用した必殺技も存在する。1号機は死ね死ね団の罠にかかり破壊されてしまうが、2号機はレインボーマンの額に埋め込んだマイクロチップに組み込まれた設計データをもとにして、秘術「元素集合の術」[注釈 3]で無から生成される。そのため何度破壊されても自己修復することが可能となったが、この世に実体化しているだけでレインボーマンの念力エネルギーを消耗させるらしく、戦いの終了と共にレインボーマンのエネルギーが欠乏すると分解消滅してしまう。元来は宇宙開発用のロボットで、普通に人間が乗って操縦する操縦席もあり、要救助者を救い出した後、乗せたこともある。
身長13メートル、重量700トン
武器
- レインボーソード
- いわゆる「光の剣」。合掌した手を腕ごと左右に開くことで出現する。特定の攻撃方法や剣技はなかったが、決戦武器として最も多用された。「ダブルソード!」と叫んで、柄の部分から刀身を反対方向に伸ばして二本の剣にして、二刀流も披露した。その他、光剣を球状に凝縮して敵に投擲する「ソードアタック」という決め技がある。
- ビッグクロス
- 最終決戦で正体を現したドンゴロスにとどめを刺した超必殺技。両腕を大きく開いて自分自身を巨大な十字架にして放つ破壊光線。
- レインボーフラッシュ
- ダッシュ7の時と同じく、額のシンボルから発射される破壊光線。決め技として何度か使用された。死ね死ね団が日本に向けて発射したICBMを宇宙空間で破壊した。
- リングシュート
- 相手を捕えて縛り付ける光の輪。
- セブンビーム
- 目から発射される破壊光線。威力は低いが、速射性、連射性に優れる。
- ファイヤーアロー
- 両手首付近のスリットが開いて発射される、炎の矢。
- レインボーバリヤー
- 建物や人を守るために、手の先からエネルギーを発して出現させるバリヤー。一度出現させれば、レインボーセブンがその場を離れても残る。
- グレートハリケーン
- 腰のバックル状のシャッターが開いて発射される強風。デビルメカを吹き飛ばすほどの威力がある。
レインボーマンの仲間、家族
- 大和たみ
- タケシの母。夫の一郎が行方不明のため、喫茶店を経営して子供二人を育てている。
- 大和ジュン
- タケシの妹、小学生。特撮版と違って脚が不自由な設定はなく活発な女の子で、レインボーマンが兄であることは知らず、彼の大ファンである。
- 大和一郎
- 新聞記者。ダイバダッタの依頼で死ね死ね団に潜入して調査していたが帰ることが出来ず、長く行方不明であった。
- レインボーマン=タケシで有る事をダイバダッタの預言で知っており、影から支援していた。
- 死ね死ね団の本部に乗り込んだがピンチに陥ったレインボーマンを救出して、その前に姿を現し、最後は特撮版と異なり、無事に生きて妻子の元に帰った。
- 大宮博士
- ダイバダッタの依頼でレインボーセブンを開発した科学者。物心共にタケシ=レインボーマンを支援した。
- 元来は宇宙開発を目指して働いていた宇宙工学者であった。
- 大宮陽子
- 大宮博士の娘。今作のヒロイン。ただし出番はそれほど多くなかった。
- 山田豪太
- タケシのレスリング仲間。
- 山田正介
- 豪太の弟で、ジュンの友達。
- ダイバダッタ
- インドの仙人、大聖者。200年以上も生きている。
- レインボーマンを超える超能力を持っており、若い頃にドンゴロスと戦い、見事に倒して石の棺に閉じ込めて封印していた。
- 自分の寿命が残り少ないことを感じ取り、後継者兼自分亡き後ドンゴロスを倒す「虹の男」になれる逸材を探していた。
- タケシがその後継者であると感じ、修行をつけ、レインボーマンへの化身能力を授けたところで寿命が尽き、入滅した。
- 特撮版と違って死後はタケシの前に現れなかった(特撮版でダイバダッタの霊が行った支援活動は大宮博士が行った)。
注釈
出典
- ^ a b 特撮秘宝3 2016.
- ^ ノンクレジットだがメカニックデザインも岡迫が担当。
- ^ キングレコード発売のシングル盤(K06S-3043)ジャケットの著作権表記より。
- ^ 「全国放映リスト」『アニメージュ』1982年12月号、徳間書店、102 - 103頁。
- ^ 『日刊スポーツ』(7版)1982年10月10日付朝刊、テレビ欄。
- ^ a b c 『福島民報』1982年10月10日付朝刊、テレビ欄。
- ^ 『日刊スポーツ』(7版)1982年10月16日付朝刊、テレビ欄。
- ^ a b c d e f 『レインボーマン ダイヤモンドアイ コンドールマン大全 70´川内康範ヒーローの世界』 岩佐陽一・編、2002年、双葉社、103頁。
- ^ 『レインボーマン大全』105頁。
- ^ 『小学館のテレビ名作 愛の戦士レインボーマン・3』小学館、1983年、28-29頁。
- ^ 『小学館のテレビ名作・3』 30-31頁。
- ^ 『小学館のテレビ名作・3』 22頁。
- ^ 『小学館のテレビ名作・3』 23頁。
- ^ 『愛の戦士レインボーマンBGM集』キングレコード、1983年、解説書。
- ^ 『小学館のテレビ名作・3』 24頁。
- ^ 『レインボーマン大全』 104-105頁。
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