広角レンズ 広角ズームレンズ

広角レンズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/13 10:12 UTC 版)

広角ズームレンズ

広角ズームレンズ(35mm判)
EF17-40mm F4L USM

広角ズームレンズとは、広角レンズの焦点域を中心にカバーするズームレンズをいう。また、超広角レンズの焦点距離をカバーするレンズは、「超広角ズームレンズ」と分類することもある。標準域(35mm判で焦点距離50mm)を中心とするレンズは、広角域をカバーしていても「標準ズームレンズ」と分類することが多い。

レンズ構成としては前が凹、後ろが凸の逆望遠構成の前後間隔を変えてズーミングを行う。 前群と後群の間隔を広げると逆望遠構成となり焦点距離が短くなり、逆に前群と後群の間隔を縮めると対称型構成となり焦点距離が長くなる。詳細は写真レンズズームレンズを参照。

対称型と逆望遠型

対称型

ハイパーゴン

レンジファインダーカメラやコンパクトカメラ用の、標準レンズに近い40mm~35mm(ライカ判換算)程度のレンズは、標準レンズとあまり変わらない構成で焦点距離を短く設計したものが多い。

それよりも広角となる、超広角と呼ばれるような画角のレンズとしては、対称型は歪曲をよく抑えることから、歴史的には航空撮影向けに開発されたハイパーゴンや続いてトポゴン型などがまずあったが、構成上周辺光量落ちが激しいため一般の撮影には工夫を要した。その後開発が進んだルサールやビオゴン型は凹メニスカスレンズを前端と後端に置くことで周辺光量落ちを緩和している。またビオゴンと少し違うタイプとして、Nikkor-O 2.1cm F4の構成がある[3]。その後のレンズにはスーパーアンギュロンなどがある。またライカ判カメラにはあまり採用例がないがオルソメタータイプもある。ホロゴンのように特殊な構成とすることもある。

超広角レンズでは非常に被写界深度が深くなるため、距離計によるピント合わせはしないものとして、距離計非連動としたものもある。

逆望遠型

通常の設計の一眼レフカメラでは、ミラー(クイックリターンミラー)に干渉するため、バックフォーカスを長くとる必要があることから、広角域の交換レンズは逆望遠型とすることがもっぱらである。

また、ディジタルカメラでは、ミラーの無いタイプでもテレセントリック性のためか、やはり広角レンズは多くが逆望遠型を採用しているようである。

逆望遠型では、近接時に収差が大きくなるものもあるため、フローティング(フォーカシングに合わせ、一部のレンズの相対位置をずらすこと)で調整するものもある[注釈 3]

脚注

[脚注の使い方]

注釈

  1. ^ a b 被写界深度となる…許容錯乱円径を0.033mmとしての計算値。
  2. ^ 許容錯乱円径用の定数(K)を1300として計算。35mm判の対角線距離「43.3mm」を1300で割った0.033mmとした。
  3. ^ 一例が http://www.nikkor.com/ja/story/0014/ で紹介されている

出典

  1. ^ FAレンズ/マシンビジョンレンズ/工業用レンズ - 光学レンズ製品の紹介”. ユニバース光学工業. 2017年11月18日閲覧。
  2. ^ 画像が歪まないiPhone6用広角レンズ「Zero-Distortion Wide Lens」”. fabcross (2016年8月10日). 2017年11月18日閲覧。
  3. ^ http://www.nikkor.com/ja/story/0001/ を参照


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