屋那覇島
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/27 16:33 UTC 版)
地理
伊是名島の南西約1kmに位置し、面積0.74km2[1]、周囲約5.3km[2]、標高12m[2]の平坦な島である。島の北側にはソテツ、西側にはガジュマルなどの低木、中央には過去に使用されていた井戸と貯水池も残存している[2]。
同島は沖縄最大の無人島であり、2023年現在、島の所有は国が8%、村が26%、民間が66%となっている。海岸部分は伊是名村の村有地で「屋那覇の浜」と呼ばれ、モクマオウやアダンが生い茂る前に広がる美しい砂浜で、キャンプと釣り、海水浴やシュノーケリングなどに利用される。
残りの土地はほぼ未開の原野であり、琉球石灰岩で構成される荒れ地・草原が広がっている。これは、風が強いので背の高い草木の生育が抑制される「風障草原」と呼ばれるもので、珍しいボウコツルマメが自生している[3]。原野の部分は戦前にソテツからデンプンを取り出す施設があり、人間が居住していたが、戦時中に米軍によって破壊され、そのまま原野に還った。そのため、原野の中に人間の痕跡らしきものが残っている。それとは別に、キャンプを企画するツアー会社が近年に設置した遊具などがある。
周囲の海ではモズクが盛んに栽培されている。かつては引き潮の時に伊是名島から歩いて行けたが、1990年代に漁船の通行に便利なように伊是名島との間に水路を掘ったため、歩いて行けなくなった。
動物は、野生のヤギとウサギがいる。人が住んでいた時代は牛の放牧がおこなわれていた。ハブはいないがヒメハブがいるので注意。
定期船などの交通手段はないが、巨大な「タマン」(琉球方言でハマフエフキ)が釣れる、釣り人に人気の「釣りスポット」で、漁船をチャーターして訪れる釣り人も多い。
なお、屋那覇島の周辺にある小島・岩礁として、西方から北西方にかけてヒンプンクサシとカーミクサシがある[4]。
- ^ 沖縄県島しょ別面積一覧 - ウェイバックマシン(2012年5月14日アーカイブ分)
- ^ a b c 屋那覇島 - ウェイバックマシン(2005年2月6日アーカイブ分)
- ^ 伊是名島・屋那覇島・野甫島・具志川島の植物相(FLORA) p.37、沖縄県立博物館・美術館、2019年
- ^ “北部管内事業位置図(伊平屋村及び伊是名村の付図参照)”. 沖縄県. 2023年2月27日閲覧。
- ^ 【原因不明】上陸に許可不要?“中国人女性購入の島”で火災 35人が避難 - テレビ朝日
- ^ 沖縄の無人島で「僕たちの楽園プロジェクト」 自然と共存しながら夢づくり - 那覇経済新聞
- ^ ヤバイ無人島貸し切りプラン - ヤンバルコビト
- ^ 【話題の島】ホリエモン、中国人女性が購入した無人島についてお話します - ライブドアニュース
- ^ 「伊是名 島の風景」『琉球新報』2019年4月20日付24面。
- ^ a b “渦中の無人島「詐欺師うごめく島」 過去に流行…手法が類似「中国人女性も被害者か」|テレ朝ニュース”. tv-asahi.co.jp. 2023年2月17日閲覧。
- ^ a b “【独自】沖縄の無人島“売り主” 「中国人に売ってない」困惑 政治家との2S写真を…|Yahoo!ニュース”. news.yahoo.co.jp. 2023年2月17日閲覧。
- ^ 中国系企業が無人島の土地取得 真相を知る人物が全て明かす 独占インタビュー HUB沖縄(つながる沖縄ニュースネット)
- ^ 沖縄の無人島・屋那覇島、中国系企業が半分購入…松野官房長官「注視していく」
- ^ “義昌商事株式会社|Yi-Chang Corporation.”. yanaha.co.jp. 2023年2月13日閲覧。
- ^ 琉球新報「中国人女性“沖縄の無人島購入” 島の5割程度を所有、SNS投稿で話題に 伊是名村・屋那覇島」
- ^ 産經新聞「中国女性「沖縄の島を購入」とSNS投稿 「領土増えた」反応」
- ^ 産經新聞「松野官房長官「土地利用規制法の対象外」 中国女性「購入」屋那覇島」
- ^ “屋那覇島で火災、浜辺に沿い100メートル燃え広がる 消火に当たった消防団らも退避 沖縄・伊是名”. 琉球新報. 2023年2月27日閲覧。
- ^ “屋那覇島で火災 伊是名 鎮圧できず”. 沖縄タイムス. 2023年2月27日閲覧。
- ^ “屋那覇島の火災、26時間後に鎮火 砂浜にたき火の跡も因果関係不明 沖縄県警が原因調査 沖縄・伊是名”. 琉球新報. 2023年3月4日閲覧。
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