太陽系
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/01 14:04 UTC 版)
外太陽系
太陽から離れた外太陽系には、巨大ガス惑星と比較的大きな衛星、そしてケンタウルス族や短周期彗星などが存在している。太陽から遠く離れているため、内太陽系よりも水やメタン・アンモニアなどの揮発性物質が多く存在している。
外惑星系
外太陽系にある4つの大きな惑星は、外惑星(英語: Outer planet)や巨大惑星(英語: Giant planet)、木星型惑星(英語: Jovian planet)と呼ばれ、太陽を公転する天体の全質量のうち99パーセントを占めている[注 9]。木星と土星は合わせると地球の400倍以上の質量を持ち、主に水素とヘリウムから構成されている。一方で、天王星と海王星はともに質量が地球の20倍以下で、木星と土星と比べてはるかに小さい。そのため、一部の天文学者はこの2つの惑星を、巨大氷惑星(英語: Ice giant)あるいは天王星型惑星として、木星・土星と区別している[122]。4つの惑星すべてが環を持っているが、地球から容易に観測できるのは土星の環だけである。ここにおける「外惑星」とは、外太陽系にある4つの惑星の分類を指している。これとは別に、地球より外側を公転している、火星以遠の惑星を外惑星(英語: Superior planet)と呼ぶことがある。
木星(太陽系第5惑星)
木星(英語: Jupiter)は、太陽系の第5惑星で、太陽系で最も大きな惑星である。地球の318倍の質量を持ち、これは他の惑星の全質量の2.5倍にもなる。主に水素とヘリウムから構成されている。木星内部で生じている強い熱は、縞模様の雲や大赤斑など、大気中に半永久的な構造を作り出している。木星は95個の衛星を持つことが知られており、特に大きなイオ・エウロパ・ガニメデ・カリストの4つはガリレオ衛星と呼ばれ、火山活動や内部加熱のような地球型惑星に似た地質活動が見られる[123]。そのうち、ガニメデは太陽系最大の衛星で、水星よりも大きい。
土星(太陽系第6惑星)
土星(英語: Saturn)は、太陽系の第6惑星。大きな環が特徴的だが、大気組成や磁気圏など木星とよく似ている点が多い。しかし、体積は木星の60パーセントにあたるが、質量は地球の95倍と、木星の3分の1にも満たない。そのため、土星は太陽系の惑星で唯一、水よりも低密度な惑星である[124]。
土星の環は、おもに氷と岩石でできた小天体から構成されている。土星は大部分が氷からなる146個の衛星を持つことが知られており、このうち、タイタンとエンケラドゥスの2つでは地質活動の存在が示されている[125]。タイタンはガニメデに次いで、太陽系内では2番目に大きな衛星で、こちらも水星より大きく、また太陽系内の衛星で唯一濃い大気を持つ。
天王星(太陽系第7惑星)
天王星(英語: Uranus)は、太陽系の第7惑星。質量は地球の約14倍で、外惑星系の中では最も質量が小さい。太陽系の惑星で唯一、太陽に対して横倒しで自転しており、その赤道傾斜角は90度を超えている。中心部の核は他の巨大惑星よりも温度が冷たく、熱をほとんど放出していないとされている[126]。28個の衛星を持っており、特にチタニア・オベロン・ウンブリエル・アリエル・ミランダの5つは比較的大型である。
海王星(太陽系第8惑星)
海王星(英語: Neptune)は、太陽系の第8惑星。大きさは天王星よりもわずかに小さいが、質量はやや大きく(地球の約17倍)、そのため密度も大きくなっている。また、天王星よりも内部から多くの熱を放射しているが、木星や土星ほどではない[127]。16個の衛星を持ち、もっとも大きなトリトンでは地質活動が起きており、液体窒素の間欠泉が存在することが確認されている[128]。また、太陽系の大型衛星では唯一、主惑星の自転方向に対して逆方向に公転している[129]。海王星は、その外側に位置している太陽系外縁天体の一部を、1:1の軌道共鳴状態にさせている。
ケンタウルス族
ケンタウルス族は、木星軌道と海王星軌道の間にある彗星のような氷でできた小天体のグループである。知られている中でもっとも大きなケンタウルス族に属する天体はカリクローで、直径は約250キロとされている[130]。ケンタウルス族として初めて発見されたキロンは、太陽に接近する際、彗星のような活動が見られるため、彗星(95P)にも分類されている[131]。
- 太陽系のページへのリンク