大般涅槃経 概要

大般涅槃経

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/01 06:43 UTC 版)

概要

『涅槃経』に括られる経典の内、初期のものとしては、上座部仏教パーリ語経典では、長部第16経の『大般涅槃経』が、漢訳としては、『長阿含経』(大正蔵1)第2経「遊行経」、『仏般泥洹経』 (2巻、大正蔵5)、『般泥洹経』(2巻、大正蔵6)、『大般涅槃経』(3巻、大正蔵7)等がある。釈尊の晩年から入滅、さらに入滅後の舎利の分配などが詳しく書かれている。

これらに基づいて大乗仏教の思想を述べた、大乗仏教中期に成立した大部の経典として、『大般涅槃経』等(大正蔵374-378)等がある。

原始仏教経典の『涅槃経』

釈尊の最後の旅からはじまって、入滅に至る経過、荼毘(だび)と起塔について叙述する経典[1]。原典に近いテキストとしては、

や、漢訳では、

  • 長阿含経』(大正蔵1)第2経「遊行経」[1]
  • 仏般泥洹経』(2巻、大正蔵5)
  • 般泥洹経』(2巻、大正蔵6)
  • 大般涅槃経』(3巻、大正蔵7)

[3]、計9種の異本があるが、それぞれに後世の脚色が加わっており、どれがより正確かは断言できない[4]。元来は『律蔵』中の仏伝の一部であったと考えられている[5]

この中では、釈尊が、自分の死後は「法を依(よ)りどころとし、自らを依りどころとせよ」(自灯明・法灯明)といったこと、また「すべてのものはやがて滅びるものである。汝等は怠らず努めなさい」と諭したことなどが重要である[5]

大乗発展途上の『涅槃経』

大乗に至る過渡期のものとして、数種の『涅槃経』が漢訳として現存する[1]。たとえば『遺教経[6]では、釈迦仏が入滅に臨じて、その遺言として教誨を垂れたものである。ちなみに禅宗では特に重んじて仏祖三経の一つとしている。







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