大尉の娘
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/29 07:21 UTC 版)
物語の設定地
- ベラゴールスク(Белогорск)
- 主人公が赴任する“ベラゴールスク要塞”とは、守備隊が駐屯するだけの単なる村であり、城や砦があるわけではない。この村は架空の集落だが、ヨーロッパ・ロシアのほぼ東端となるウラル山脈西方の都市・オレンブルクからさらに40ヴィルスタ(露里・約43km程度)離れた、ヤイーク川(ウラル川)に近い場所とされる。18世紀のロシア帝国は、ヤイーク川対岸のカザフ西北部に影響力を及ぼしていたが、国境線はヤイーク川に引いており、物語が舞台とする地域のイメージをはっきり示している。現在ウラル川は、ロシア連邦とカザフスタン共和国の国境となっている。
現存する原稿と初出誌
ロシア国立A.S.プーシキン博物館(モスクワ)に、プーシキン直筆の『大尉の娘』の草案や原稿、初出誌「同時代人」第4号が収蔵されており、一般公開されている。
おもな日本語版
- 『花心蝶思録 : 露国奇聞』 高須治助訳、明治16年(1883年)、著者名「プシキン」表記[1]。
- 『士官の娘』 徳田末雄・足立荒人訳、集成堂、1904年[3]
- 『大尉の娘』 中村白葉訳、新潮文庫、1954年、のち改版[5]
- 『大尉の娘』 金子幸彦訳、「世界文学全集20」筑摩書房、1967年。新版「筑摩世界文学大系30」
- 『大尉の娘』 神西清訳、岩波文庫、改版2006年3月 ISBN 4003260430
- 『大尉の娘』 神西清訳 - 『プーシキン全集 第4巻 小説』、河出書房新社(全6巻)、1972年。再版1979年
- 『大尉の娘』 川端香男里訳、未知谷、2013年 ISBN 4896424232
- 『大尉の娘』 坂庭淳史訳、光文社古典新訳文庫、2019年 ISBN 4334753981
映画
下記は世界中で製作された本作を原作とした映画の一覧である[6]。日本公開のものには日本語題を付した。
- 『士官の娘』 : 監督細山喜代松、日本、1915年 [7]
- 『大尉の娘』 La figlia del capitano : 監督マリオ・カメリーニ、イタリア、1947年 - 日本未公開・テレビ放映題 [8]
- 『テンペスト』 La tempesta : 監督アルベルト・ラットゥアーダ、イタリア、1958年 [9]
- Капитанская дочка : 監督ヴラディミール・カプルノフスキー、ソビエト連邦、1959年
- Русский бунт : 監督アレクサンドル・プローシキン、ロシア、1999年 - ストーリーの一部やキャラクターの設定が若干異なるが、ほぼ原作通りに製作された作品である[要出典]。
- Капитанская дочка : アニメーション、ロシア、2005年
固有名詞の分類
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