レナード・ローズ 同時代の作品の演奏者として

レナード・ローズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/29 15:23 UTC 版)

同時代の作品の演奏者として

1950年4月14日に、ディミトリ・ミトロプーロスが指揮するニューヨーク・フィルハーモニー管弦楽団と、アラン・シュルマン英語版が作曲した『チェロ協奏曲』をカーネギーホールで初演した[23][24]。また、同じくシュルマンが作曲した『エレジー フェリックス・サモンドの思い出』は、フォルテュナート・アリコ、ヤッシャ・バーンスタイン、ピエール・フルニエハリー・フックス英語版、フランク・ミラー、ミッシャ・シュナイダーとともに、ローズに捧げられている[24]

評価

「チェロの貴族」「スケールの大きい名人、特別に人々の心を魅了する音と、完全無欠のテクニックに恵まれている」という評価を受けている[3]

ヴァイオリニストのフリッツ・クライスラーは、自らが編曲したニコロ・パガニーニの協奏曲を、アルトゥール・ロジンスキが指揮するクリーヴランド管弦楽団とリハーサルで演奏した時、チェロのソロパートが終了した際にオーケストラの演奏を止めて、それを演奏していたローズを称賛した[5]。また、ローズがニューヨーク・フィルハーモニー管弦楽団を去る際、指揮者のブルーノ・ワルターは「およそチェロのために書かれた作品は、彼以上に素晴らしい手の中におかれることはあり得ない」と述べている[4]

また、ローズと室内楽をともにしたヴァイオリニストのアイザック・スターンは「チェロのローズとヴァイオリンの私は、これほど調和しているペアはほとんどいないだろうというぐらい、息が合った」と語っており、ローズ、スターンとトリオを組んだピアニストのユージン・イストミンも「ローズとアイザックは手袋をはめた二つの手みたいにぴったりと合っている」と述べた[25][15]

参考文献

  • ピーター・F・オストウォルド『グレン・グールド伝』宮澤淳一訳、筑摩書房、2000年、ISBN 4-480-88511-0
  • 音楽之友社編『名演奏家事典(下)』音楽之友社、1982年、ISBN 4-276-00133-1
  • マーガレット・キャンベル『名チェリストたち』山田玲子訳、東京創元社、1994年、ISBN 4-488-00224-2
  • アイザック・スターン、ハイム、ポトク『アイザック・スターン すばらしきかな、わがヴァイオリン人生』大森洋子、清流出版、2011年、ISBN 978-4-86029-352-9
  • オットー・フリードリック『グレン・グールドの生涯』宮澤淳一訳、青土社、2002年、ISBN 4-7917-5953-2
  • ユリウス・ベッキ『世界の名チェリストたち』三木敬之、芹沢ユリア訳、音楽之友社、1982年、ISBN 4-276-21618-4
  • マリナ・マ著、ジョン・A・ラロ編『わが子、ヨーヨー 母が語る”天才”ヨーヨー・マの少年時代』木村博江訳、音楽之友社、2000年、ISBN 4-276-21733-4
  • エリック・ライディング、レベッカ・ぺチェフスキー『ブルーノ・ワルター 音楽に楽園を見た人』高橋宣也訳、音楽之友社、2015年、ISBN 978-4-276-21799-7

  1. ^ Find a grave
  2. ^ 死去の記事(The New York Times)
  3. ^ a b c d e f g ベッキ (1982)、237頁。
  4. ^ a b c d e f g ベッキ (1982)、238頁。
  5. ^ a b c キャンベル (1994)、207頁。
  6. ^ a b c d 音楽之友社編『名演奏家事典(下)』音楽之友社、1982年、1158頁。
  7. ^ a b c d e f g h i j k l キャンベル (1994)、208頁。
  8. ^ キャンベル (1994)、163頁。
  9. ^ ライディング、ぺチェフスキー (2015)、463頁。
  10. ^ a b c キャンベル (1994)、210頁。
  11. ^ シリーズ「20世紀の巨匠たち」~スターン・トリオ Vol.4”. CLASSICA JAPAN. 2020年11月30日閲覧。
  12. ^ オストウォルド (2000)、9頁。
  13. ^ オストウォルド (2000)、159頁。
  14. ^ フリードリック (2002)、156頁。
  15. ^ a b スターン、ポトク (2011)、237頁。
  16. ^ スターン、ポトク (2011)、304頁。
  17. ^ a b スターン、ポトク (2011)、239頁。
  18. ^ a b スターン、ポトク (2011)、240頁。
  19. ^ a b c d e キャンベル (1994)、209頁。
  20. ^ キャンベル (1994)、282頁。
  21. ^ マ (2000)、132頁。
  22. ^ スターン、ポトク (2011)、231頁。
  23. ^ キャンベル (1994)、170頁。
  24. ^ a b キャンベル (1994)、171頁。
  25. ^ スターン、ポトク (2011)、236頁。


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