ユタ・ヒップ ユタ・ヒップの概要

ユタ・ヒップ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/22 16:24 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動
Jutta Hipp
Jutta Hipp at a piano
基本情報
生誕 1925年2月4日
ドイツ ライプツィヒ
死没 2003年4月6日
アメリカ合衆国 ニューヨーク クイーンズ区
ジャンル ジャズ
職業 ピアニスト
担当楽器 ピアノ
活動期間 1952-1956
レーベル ブルーノート・レコード


バイオグラフィー

1925年2月4日にドイツライプツィヒで生まれる。10代の時にグラフィック・デザインを専攻。第二次世界大戦後の1946年、ソビエト軍の侵攻を避けるため家族と共にミュンヘンへ移住する。同都市でジャズ・ピアニストとしての活動を開始する。1950年代前半にハンス・コラーのクインテットのメンバーとして活動を行い、1954年から1955年の間、彼女自身のクインテットを率いて活動を行っている。ヒップはこの頃にいくつかの録音を行い、それらを収録したアルバムが「ユタ・ヒップ・クインテット」としてブルーノート・レコードから発売される。そして、そのアルバムの全曲に未発表音源を加えた編集盤「レジェンダリー・ユタ・ヒップ・クインテット1954 フランクフルト・スペシャル」が彼女の没後に発売されている。

1955年、ヒップはアメリカ合衆国に移住する。ドイツ時代から彼女を賞賛していた評論家レナード・フェザーの力添えで、彼女はブルーノート・レコードと契約する。彼女はヨーロッパ系の女性ジャズピアニストとしてジャズ界で注目を浴びる。1956年4月5日にジャズクラブ「ヒッコリー・ハウス」で録音されたライヴを収録した「ヒッコリー・ハウスのユタ・ヒップ 」(vol.1とvol.2)は彼女の代表作として人気が高い。

ズート・シムズとの共作「ユタ・ヒップ・ウィズ・ズート・シムズ」の録音後、彼女は音楽業界から突如引退する。小規模のクラブでの演奏を好んでいた事、極度のあがり症であった事、音楽で生計を立てる事にあまり関心が無く、自分が感銘を受けない音楽を演奏・録音する事に気乗りがしなかった事などが原因とされている。ヒップはレコーディングをやめた後も演奏活動を時折行っていたものの、1960年以降、彼女の関心は音楽から絵画へと移ってしまう。

2003年4月6日、ニューヨークのクイーンズ区にあるアパートの自室で死去。78歳。生涯独身であった。

影響

彼女に影響を与えたアーティストはカウント・ベイシーテディ・ウィルソンファッツ・ウォーラーレニー・トリスターノバド・パウエルホレス・シルヴァーなど。アメリカに移住後の彼女の演奏スタイルは、シルヴァーのスタイルに強く影響を受けている。

ディスコグラフィ

An album by Jutta Hipp
  • ユタ・ヒップ・クインテット(The Jutta Hipp Quintet)- ブルーノート、1954年[1]
  • ウィズ・ヨキ・フロイント(Jutta Hipp Quintet With Joki Freund '54)- Jazzhus、1954年
  • クール・ヨーロッパ(Cool Europe) - MGM、1955年[2]
  • ヒッコリー・ハウスのユタ・ヒップ vol.1(Jutta Hipp At the Hickory House Vol.1)- ブルーノート、1956年
  • ヒッコリー・ハウスのユタ・ヒップ vol.2(Jutta Hipp At the Hickory House Vol.2)- ブルーノート、1956年
  • ユタ・ヒップ・ウィズ・ズート・シムズ(Jutta Hipp With Zoot Sims)- ブルーノート、1956年
  • ザ・レジェンダリー・ユタ・ヒップ・クインテット1954 フランクフルト・スペシャル (The Legendary Jutta Hipp Quintet 1954 - Frankfurt Special)- フレッシュサウンド、2006年[3]

  1. ^ または「ニュー・フェイシズ ニュー・サウンズ・フロム・ジャーマニー(New Faces-New Sounds From Germany)」というタイトルである。これが正式なタイトルである可能性が高いが、本項では国内盤CDの邦題に従う。なお、この場合のアーティスト名義は「ザ・ユタ・ヒップ・クインテット」である。
  2. ^ このアルバムは1954年4月にドイツ・フランクフルトで録音されたセッションのうち8曲をブルーノートが「ユタ・ヒップ・クインテット」として発売、その他の4曲と1953年のフランクフルト録音を含めた計8曲をMGMがこのアルバムで発売した(A面にユタ・ヒップの演奏、B面にマイク・ネヴァードの演奏をそれぞれ収録)。同名のシングルではこのアルバムからユタ・ヒップの演奏のみ4曲を収録。
  3. ^ 国内盤は現時点では未発売。


「ユタ・ヒップ」の続きの解説一覧




固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ユタ・ヒップ」の関連用語

ユタ・ヒップのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ユタ・ヒップのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのユタ・ヒップ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS