マックスウェルズ・シルヴァー・ハンマー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/12 17:34 UTC 版)
評価
『Oz』誌で作家のバリー・マイルズは、「ポールがアメリカン・ロックとイギリスのブラス・バンドの音楽を組み合わせた完璧な楽曲」と評している[15]。
『サンデー・タイムズ』紙のデレク・ジュエルは、アルバム『アビイ・ロード』について肯定的な評価をする一方、本作とスター作の「オクトパス・ガーデン」の2作が収録されていることを欠点とし[16]、音楽評論家のロバート・クリストガウは「マッカートニーの気まぐれ」と評価した[17]。また、音楽評論家のイアン・マクドナルドは、幾度となくマッカートニーがレコーディングを重ねたことにより、メンバーに不満が募ったという観点から「ビートルズの解散の原因の一つ」としている[18]。
レノンは「ポールのおばあちゃんソング」と評している[19]。本作はシュールレアリスム的な要素を持っており、1969年にハリスンは「嫌いな人もいれば、大好きな人もいる。『マックスウェルズ・シルヴァー・ハンマー』は、すぐに覚えて口笛で吹ける曲のひとつだ。楽しい曲ではあるけど、少々悪趣味なところもある。なぜならマックスウェルは次々と人を殺し続けるからね」と語っている[20][6]。
クレジット
- ポール・マッカートニー - リード・ボーカル、バッキング・ボーカル、ピアノ、エレクトリック・ギター、モーグ・シンセサイザー
- ジョージ・ハリスン - バッキング・ボーカル、アコースティック・ギター、リードギター、6弦ベース
- リンゴ・スター - バッキング・ボーカル[注釈 7]、ドラム、金槌と鉄床[注釈 8]
- ジョージ・マーティン - ハモンドオルガン[注釈 9]
カバー・バージョン
- ベルズ - 1972年にシングル盤として発売。『RPM』誌のポップ・チャートでは最高位83位、カナディアン・アダルト・コンテンポラリー・チャートでは最高位2位を獲得[25]。
- スティーヴ・マーティン - 1978年に公開の映画『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』で歌唱。同作でマーティンは、マックスウェル・エディスン役を演じた。
注釈
- ^ 1970年公開のドキュメンタリー映画『レット・イット・ビー』には、この時の模様が収録されている。
- ^ 1996年に発売された『ザ・ビートルズ・アンソロジー3』に収録された[6]
- ^ 2019年に発売された『アビイ・ロード (スーパー・デラックス・エディション)』のCD2の12曲目に収録された[6]。
- ^ 「do,do,do,do」というフレーズ
- ^ 「Maxwell must go free(マックスウェルを解放せよ)」というフレーズ
- ^ ただし、7月から8月にかけて行われたレコーディングでは、他の収録曲よりも短い時間で完成している[6]。
- ^ 2009年に発売された『アビイ・ロード』のリマスター盤の日本盤ライナーノーツには、「コーラスはジョンとジョージ」と記載されている[24]。
- ^ ゲット・バック・セッション時のリハーサルでは、マル・エヴァンズが金槌で鉄床を叩いており、映画『レット・イット・ビー』でも確認できる[11]。
- ^ 2019年に発売の『アビイ・ロード (スーパー・デラックス・エディション)』に記載のクレジットには、マーティンの名前は記載されていない[6]。
出典
- ^ a b Mulligan 2010, p. 127.
- ^ Unterberger, Richie. Maxwell's Silver Hammer - The Beatles | Song Info - オールミュージック. 2020年8月26日閲覧。
- ^ Gould 2008, p. 578.
- ^ Sheff 2000, p. 202.
- ^ Miles 1997, p. 554.
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab Abbey Road 2019, p. 7.
- ^ a b Mendelsohn, John (1969年11月15日). “The Beatles Abbey Road”. Rolling Stone. 2018年11月1日閲覧。
- ^ McCartney, Linda (1992). Linda McCartney's Sixties: Portrait of an Era. Bullfinch Press. p. 153. ISBN 978-0821219591
- ^ ハウレット, ケヴィン (2018). ザ・ビートルズ (ホワイト・アルバム)〈スーパー・デラックス・エディション〉 (ブックレット). アップル・レコード. p. 21.
- ^ Badman 2009, p. 574.
- ^ a b Margotin & Guesdon 2014, p. 514.
- ^ Lewisohn 1988.
- ^ 『ジョン・レノンPlayboyインタビュー』集英社]、1981年、164頁。ASIN B000J80BKM。
- ^ Sheff 2000, p. 222.
- ^ Miles, Barry (November 1969). “Abbey Road: The Beatles Come Together”. Oz. Available at Rock's Backpages (subscription required).
- ^ Fricke, David (2003). “Abbey Road: Road to Nowhere”. Mojo Special Limited Edition: 1000 Days of Revolution (The Beatles' Final Years – Jan 1, 1968 to Sept 27, 1970). London: Emap
- ^ Christgau, Robert (1974年). “Rock Theater”. The Village Voice (New York) 2020年8月26日閲覧。
- ^ a b MacDonald 2005, p. 357.
- ^ Emerick & Massey 2006, p. 281.
- ^ Ryan & Kehew 2006, p. 523.
- ^ Babiuk 2002, p. 256.
- ^ Lewisohn 1988, p. 179.
- ^ Margotin, Philippe (2013). All the Songs: The Story Behind Every Beatles Release (Second Revised ed.). New York: Black Dog & Leventhal Publishers. ISBN 978-1-57912-952-1
- ^ 葉山真 (2009). アビイ・ロード (Media notes). ビートルズ. アップル・レコード. p. 8.
- ^ “Item Display - RPM - Library and Archives Canada”. Collectionscanada.gc.ca. Library and Archives Canada (1972年10月21日). 2018年9月19日閲覧。
固有名詞の分類
ビートルズの楽曲 |
ドント・レット・ミー・ダウン アイ・ウォント・トゥ・テル・ユー マックスウェルズ・シルヴァー・ハンマー イット・ウォント・ビー・ロング ユー・ネヴァー・ギヴ・ミー・ユア・マネー |
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