ビーグル B.206 バセット ビーグル B.206 バセットの概要

ビーグル B.206 バセット

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/04 15:51 UTC 版)

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ビーグル B.206 バセット

開発と設計

最初の試作機のお披露目は、1961年のファーンボロー航空ショーだった。
イギリス空軍に配備されたバセットCC.1(1969年撮影)

1960年、ブリストル・エアクラフト社の計画(ブリストル220)としてツインエンジンの小型輸送機計画が始まった。しかし同社の合併が決まったため、社員は計画をビーグル社へ持って行った。1961年8月、最初の試作機(G-ARRM)の初飛行がウェスト・サセックス州ショアハム空港にて行われた[1]。この機体は座席数が5で全金属製の低翼機で、コンチネンタル社製のエンジンを2機積んでいた。この試作機は1990年サリー州ウェイブリッジ英語版にあるブルックランズ博物館英語版が取得し、ブリストル航空コレクションに貸し出されていた。また、2011年から17年まではハンプシャー州ファーンボロー英語版にあるファーンボロー航空科学基金博物館(FAST博物館)で展示されていた。その後、貸出契約が終了した2017年8月にブルックランズへ戻った。

2機目の試作機(G-ARXM)は1機目よりも少し大きく、座席も7席設置された。さらに航空省の試験のために2機が製造され、その後イギリス空軍から20機の注文が来た。空軍ではバセットCC.1という名称が与えられ、レスターシャー州のリーズビー飛行場内にある工場で生産された[1][2]

最初の生産機にはロールス・ロイス社製のエンジンが使用され、1964年7月に初飛行した。第2シリーズにはコンチネンタル社製のターボチャージャー付きエンジンが使用され、65年7月に初飛行した[1]。またこの第2シリーズから大きな貨物扉が取り付けられた。この機体は主にエアタクシー業者に人気であり、オーストラリアフライングドクター用にも3機が製造された[3]

第3シリーズでは座席数を10席に増やしたが、飛行したのは2機だけだった。そのうち1機は風洞実験で使用された後に第2シリーズに転用され[4]、もう1機は生産中に設計変更がなされたのちブラジルへ売却された[5]。もう1機が製造途中であったが、模型だけにとどまり実際の飛行はなかった[6]。その後B.121 パップ英語版の製造ラインを開けるため、バセットの生産は79機で中止となった[7]

軍用機として

民間転用されたバセットCC.1(1975年パラグアイにて)

B.206はイギリス空軍連絡機として使用された。1963年3月にアブロ アンソンの後継機を決めるコンペが行われ、デ・ハビランド DH.104 ダブとの競争に勝利したB.206が20機の受注を獲得した。そして、1965年3月に連絡航空隊用の機体が引き渡された。この機体はロールス・ロイス/コンチネンタル社製のエンジンが2機取り付けられ、最高速度時速220マイル、航続距離1,645マイルを獲得した。また当該機には8名まで乗ることができた。

機体はワトフォードのボヴィンドン基地の南部連絡飛行中隊(SCS)に配備され、その後1969年2月にSCSが第207飛行中隊に変更された際にノースホールトへ移転した。その後1974年5月に退役し、民間機に転用された。


  1. ^ a b c Jackson 1974, p.198.
  2. ^ The Beagle B-206”. Airliners.net. 2007年2月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2007年3月11日閲覧。
  3. ^ Jackson 1974, p.199.
  4. ^ Wenham 2015, p.182
  5. ^ Wenham 2015, pp.182-183
  6. ^ Wenham 2015, p.181
  7. ^ Wenham 2015, p.422
  8. ^ Jackson 1974, p.200.


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